この記事の要点:
- モバイルファーストインデックスとは、Googleがページのスマートフォン版の内容をもとに、インデックス登録と順位付けを行う仕組みです。インデックスは1つで、モバイル専用のものがあるわけではありません。
- Googleは2023年10月に移行の完了を発表し、2024年7月5日以降は残りのサイトもスマートフォン用Googlebotでクロールするとしています。スマートフォンでまったく見られない内容は、インデックスされなくなります。
- この仕組みに入ること自体で順位が上がったり下がったりはしません。影響が出るのは、スマートフォン版にパソコン版の内容が足りない場合です。
- 確かめる点は、本文・見出し・画像・リンク・構造化データ・robots メタタグがスマートフォン版でもそろっているかです。URL検査で取得したクローラーと表示されたHTMLを確かめます。
モバイルファーストインデックスとは何か
モバイルファーストインデックス(MFI)とは、Googleがページのスマートフォン向けの内容をもとに、インデックス登録と順位付けを行う仕組みです。クロール(ページの取得)には、主にスマートフォン用のGooglebotが使われます。
モバイル専用の別のインデックスがあるわけではありません。検索結果に使うインデックスは1つで、そこに入れる内容をスマートフォン版から集める、という意味です。パソコンで検索したときの結果も、このインデックスから作られます。
判断の基準は1つです。スマートフォンで開いたページに、検索で見つけてほしい内容がすべてそろっているか。パソコン版だけにある内容は、Googleに使われない可能性があります。ページを取得する仕組みは「クローラーとは」で説明しています。
いつから始まり、今はどうなっているのか
| 時期 | Googleの発表 |
|---|---|
| 2016年11月 | スマートフォン版をもとにしたインデックス登録の試行を発表 |
| 2018年3月 | 準備ができたサイトから順に移行を開始 |
| 2020年3月 | すべてのサイトを対象に切り替えていく方針を発表 |
| 2023年10月 | 移行の完了を発表 |
| 2024年7月5日以降 | まだパソコン用Googlebotでクロールしていた一部のサイトも、スマートフォン用Googlebotだけでクロール・インデックス登録する |
2024年の発表では、スマートフォンでまったく内容を見られないサイトは、インデックスに登録できなくなると説明されています。また、パソコン用Googlebotが完全になくなるわけではなく、サーバーのログなどに引き続き現れることがあるとしています(Google 検索セントラル ブログ)。
つまり今は「移行するかどうか」を気にする段階ではなく、すべてのサイトがスマートフォン版で読まれている前提で、内容がそろっているかを確かめる段階です。
よくある誤解と、Googleの説明
| よくある誤解 | Googleの説明に基づく実際 |
|---|---|
| MFIに切り替わると順位が上がる(下がる) | MFIはGoogleが内容を集める方法の話で、それ自体に順位の有利・不利はないと説明されています |
| レスポンシブ ウェブデザインにしないといけない | 必須ではありません。ただし、最も実装と管理がしやすい方法として勧められています |
| パソコン版のページは検索結果に出なくなる | パソコンでの検索結果にも表示されます。内容の読み取りにスマートフォン版を使うという意味です |
| パソコン専用のサイトは評価されない | スマートフォン用Googlebotで内容を取得できれば、インデックスの対象です。スマートフォンでまったく見られない場合は登録されなくなります |
| モバイル フレンドリーとMFIは同じもの | 別のものです。MFIは内容の集め方、モバイル フレンドリーはスマートフォンでの使いやすさの話です |
順位の有利・不利が無いという説明は、Googleの2018年の発表(モバイル ファースト インデックスの展開)にあります。順位が下がるのは、スマートフォン版で内容やリンクが欠けていて、Googleに見える情報そのものが減っている場合です。
順位が下がったときに見る点
スマートフォン版の作りを変えた後に検索での表示が減った場合は、次の順に確かめます。
- 変更した日と、表示回数が減り始めた日が近いかをSearch Consoleで確かめます。
- 減ったページをURL検査で調べ、取得されたHTMLに本文と見出しが残っているかを見ます。
- スマートフォン版のメニューやフッターから、重要なページへのリンクが消えていないかを見ます。
- スマートフォン版だけに noindex や、robots.txt でのブロックが入っていないかを見ます。
どれにも当てはまらない場合は、スマートフォン版以外の原因も考えます。
自分のサイトがどう読まれているかの確かめ方
- URL検査で取得したクローラーを見る:Search Consoleの「URL検査」でページを調べ、ページのインデックス登録の詳細にある「ユーザー エージェント」を確かめます。「スマートフォン用 Googlebot」と表示されていれば、スマートフォン版で読まれています。
- 取得されたHTMLを見る:同じ画面の「クロール済みのページを表示」や、「公開URLをテスト」の結果で、本文・見出し・リンク・構造化データがHTMLに含まれているかを確かめます。
- クロールの統計情報を見る:Search Consoleの「設定」にあるクロールの統計情報レポートで、Googlebotの種類ごとのクロールの内訳を確かめます。
- スマートフォン版とパソコン版を並べて比べる:同じURLを両方の表示で開き、見出しの数、本文の段落、画像、内部リンクの数が同じかを比べます。
以前は、Search Consoleの設定画面に「インデックス登録クローラー」の表示がありました。Googleは2023年10月の移行完了の発表で、この表示を削除する予定だと説明しています。古い記事で紹介されている確かめ方が、今の画面と違うことがあるので注意します。
スマートフォン版でそろえるべき内容
基本は、パソコン版とスマートフォン版で同じ主な内容を提供することです(モバイル ファースト インデックスに関するおすすめの方法)。
| 項目 | 確かめる内容 |
|---|---|
| 本文 | スマートフォン版でも同じ内容があるか。タブやアコーディオンで畳んでいても、HTMLに含まれていればよい |
| 見出し | パソコン版と同じ見出しがあるか |
| 画像・動画 | 同じ画像が、同じ代替テキスト(alt)とともにあるか。画像のURLが表示のたびに変わらないか |
| 内部リンク | メニューを簡略にしたことで、重要なページへのリンクが消えていないか |
| タイトル・メタディスクリプション | パソコン版と同じ内容か |
| robots メタタグ | スマートフォン版だけに noindex や nofollow が付いていないか |
| 構造化データ | パソコン版と同じ構造化データがあるか |
| robots.txt | スマートフォン版で使うCSS・JavaScript・画像をブロックしていないか |
両方の版を比べる手順
目で見比べるだけでは、畳まれた本文やメニューのリンクの違いを見落とします。Chromeのデベロッパー ツールを使うと、数で比べられます。
- Chromeでページを開き、デベロッパー ツールを開きます。
- デバイスの切り替え(デバイス ツールバー)でスマートフォンを選び、ページを再読み込みします。
- Consoleに下のコードを貼り付け、結果を記録します。
- デバイス ツールバーを切ってパソコン表示で再読み込みし、同じコードを実行して比べます。
console.table({
h2: document.querySelectorAll('h2').length,
h3: document.querySelectorAll('h3').length,
links: document.querySelectorAll('a[href]').length,
images: document.querySelectorAll('img').length,
textLength: document.body.innerText.length,
structuredData: document.querySelectorAll('script[type="application/ld+json"]').length
});
数が大きく違う項目があれば、スマートフォン版で何が欠けているかを調べます。画面の幅だけで表示を変えるレスポンシブのサイトでは、HTMLは同じなので、数の違いは主に表示後に読み込まれる部分から生まれます。端末で別のHTMLを返すサイトでは、この比べ方が特に役立ちます。
遅延読み込みと無限スクロール
遅延読み込み(lazy load)とは、画像や本文を必要になったときに読み込む方法です。Googlebotは、スワイプ・クリック・入力など、利用者の操作が必要な内容は読み込みません。Googleは、画面に表示されたときに自動で読み込む方式を勧めています。
スクロールで次々に記事を読み込む無限スクロールでは、まとまりごとに固有のURLを用意し、順番にリンクしておくと、検索エンジンがそれぞれのURLを見つけられます。JavaScriptで表示する内容の注意点は「JavaScript SEO」で説明しています。
よくある間違い
- 表示を軽くするため、スマートフォン版で本文の一部や表を省いている
- スマートフォン版のメニューを簡略にし、カテゴリーページへのリンクがなくなっている
- 「続きを読む」を押すまで本文を読み込まない作りにしている
- サイトの点検ツールを、パソコンのユーザーエージェントだけで動かしている
サイトの作り方ごとの注意点
スマートフォンへの対応には、大きく3つの作り方があります。Googleは、このうちレスポンシブ ウェブデザインを、最も実装と管理がしやすい方法として勧めています。
| 作り方 | 仕組み | 主な注意点 |
|---|---|---|
| レスポンシブ ウェブデザイン | 同じURL・同じHTMLを、画面の幅に合わせて表示を変える | CSSで隠した要素に、検索で見つけてほしい内容が入っていないか |
| 動的な配信 | 同じURLで、端末を判別して別のHTMLを返す | Vary ヘッダーで端末によって内容が変わることを示す。スマートフォン版のHTMLに内容が欠けやすい |
| 別々のURL(例:m.example.com) | パソコン版とスマートフォン版でURLを分ける | 両方の関連付け、hreflang、構造化データのURL、エラー時のステータスを対応させる |
別々のURLを使っている場合
Googleの説明では、パソコン版のページに rel=”alternate” でスマートフォン版を示し、スマートフォン版のページにはcanonicalでパソコン版のURLを示します。多言語のhreflangは、スマートフォン版どうし、パソコン版どうしで指し合うようにします。構造化データに書くURLも、スマートフォン版ではスマートフォン版のURLに直します。
<!-- パソコン版(https://www.example.com/page/)-->
<link rel="alternate" media="only screen and (max-width: 640px)"
href="https://m.example.com/page/">
<!-- スマートフォン版(https://m.example.com/page/)-->
<link rel="canonical" href="https://www.example.com/page/">
上は説明用の例です。Googleは2020年の発表で、新しいサイトでは別々のURLを使わないよう勧めています。これから作り直す場合は、レスポンシブ ウェブデザインへの移行も選択肢になります。
スマートフォンでの使いやすさをどう確かめるか
MFIとは別に、スマートフォンで読みやすく操作しやすいか(モバイル フレンドリー)も確かめておきます。文字の大きさ、ボタンどうしの間隔、画面幅に合ったレイアウトなどが関わります。
Googleの「モバイル フレンドリー テスト」と、Search Consoleの「モバイル ユーザビリティ」レポートは、2023年12月1日に提供を終えています。Googleは、モバイルでの使いやすさは引き続き大切で、ページ エクスペリエンスの考え方の一部だとしたうえで、ChromeのLighthouseなどの資料を案内しています。
| 道具 | 分かること |
|---|---|
| Lighthouse(Chromeのデベロッパー ツール) | モバイルを選んで診断し、表示速度や使いやすさの改善点を見る |
| PageSpeed Insights | Lighthouseの診断(ラボ値)と、実際の利用者のデータをまとめて見る |
| Search Consoleの「ウェブに関する主な指標」 | モバイルでの実際の利用者のデータを、ページのグループごとに見る(コアウェブバイタル) |
| 実際のスマートフォン | メニューやフォームが使えるか、ポップアップが本文を覆っていないか |
当サイトでモバイルの表示を直した例
当サイト(seoagent.jp)では、モバイルのLighthouseの点数が85、LCP(最も大きな要素が表示されるまでの時間)が4.1秒でした。モバイルではヒーロー画像を読み込まないようにし、800px幅の画像を追加し、画像のキャッシュ期間を延ばしたところ、点数は100、LCPは約1.5秒になりました。いずれもLighthouseのラボ値で、実際の利用者のデータではありません。
スマートフォン版で何かを省くときは、それが検索で見つけてほしい内容かどうかで判断します。本文・見出し・リンク・内容を説明する画像は省かず、表示の重さは画像の大きさや読み込み方で調整するのが安全です。サイト全体の技術面の点検は「テクニカルSEOの記事一覧」にまとめています。
よくある質問
パソコンからのアクセスが多いサイトでも対応は必要ですか?
必要です。どの端末からの訪問が多いかに関係なく、Googleはスマートフォン版の内容でインデックスに登録します。スマートフォン版に内容が欠けていれば、パソコンでの検索結果にも影響します。
スマートフォン版で畳んで表示している内容は評価されますか?
タブやアコーディオンで畳んでいても、ページのHTMLに含まれていれば読み取られます。クリックしてから読み込む作りの場合は、読み取られない可能性があります。
パソコン用Googlebotのアクセスがまだあるのは問題ですか?
問題ではありません。Googleは、移行後もパソコン用Googlebotがログなどに現れることがあると説明しています。
AMPページはどう扱われますか?
AMPを使っている場合も、スマートフォン版とパソコン版で内容がそろっていることが前提です。AMPの代替ページについては、URL検査のユーザー エージェントの表示で、どの種類のクローラーで扱われたかを確かめられます。
スマートフォン版でポップアップを出しても大丈夫ですか?
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