この記事の要点:
- LLMOの効果測定は、「AIの回答に出たか」「正しく説明されたか」「サイトへの訪問があったか」「成果につながったか」を、別々のデータで確かめて並べることです。1つの数字で効果を判断することはできません。
- Googleの生成AI機能(AIによる概要・AIモード)での表示は、Search Consoleの生成AI機能のパフォーマンス レポートで確認できます。ただし分かるのは表示回数で、クリック数と検索語は含まれません。
- ChatGPTなどのAIサービスからの訪問は、GA4で参照元が記録された分だけ数えられます。GoogleのAI機能からの訪問は、通常の自然検索と区別できません。
- 回答の正しさは、決めた質問を同じ条件で毎月確かめ、記録する方法が現実的です。結果は「その条件での一例」として扱います。
- 始める前に基準値(取り組む前の数字)を残し、数か月の流れで判断します。
LLMOの効果測定とは:測れることと測れないこと
LLMOの効果測定とは、AIの回答での自社の扱われ方と、AIからの訪問、指名検索、成果の変化を組み合わせて、取り組みの結果を確かめることです。LLMOの考え方そのものは「LLMOとは」で説明しています。
最初に押さえておきたいのは、今の時点で公式のデータとして測れることと、推測や手作業でしか確かめられないことがある点です。
| 確かめたいこと | 測れる程度 | 使うもの |
|---|---|---|
| GoogleのAI機能で、自社のURLが表示された回数 | 公式のデータで測れる(表示回数のみ) | Search Console の生成AI機能のレポート |
| AIサービスからサイトに来た訪問 | 参照元が記録された分だけ測れる | GA4 |
| 社名・サービス名での検索の推移 | 測れる。ただしAIの影響だけを切り分けられない | Search Console |
| AIの回答で、自社が正しく説明されたか | 決めた条件での一例として確かめられる | AIサービスでの手動確認 |
| AIの回答を見て、クリックせずに自社を知った人の数 | 直接は測れない | — |
Googleは、生成AI機能向けの最適化ガイドの中で、社外のツールはGoogleの内部のランキングやAIの仕組みにアクセスできないと注意しています。AIでの「表示の多さ」を独自の点数で示すサービスもありますが、何をどう測った数字なのかを確かめてから使います。
目的ごとに何を測るか
LLMOに取り組む目的によって、見るべき数字は変わります。目的と指標を先に決めておくと、数字が動いたときに迷いません。
| 目的 | 主に見る指標 | 補助として見る指標 |
|---|---|---|
| AIの回答で名前を知ってもらう | 決めた質問で自社が回答に出た数 | 指名検索の表示回数・クリック数 |
| AIの回答で正しく説明される | 決めた質問での説明の正誤(誤りの数) | 誤りの元になっている自社ページの数 |
| Googleの検索でAI機能に表示される | 生成AI機能での表示回数(ページ別) | 同じページの通常の検索のクリック数 |
| AIからサイトに来てもらう | AIサービスからの訪問数 | 訪問後に見たページ |
| 問い合わせや資料請求につなげる | AIサービスからの訪問のキーイベント(成果) | 指名検索からの訪問のキーイベント |
Googleの生成AI機能での表示をSearch Consoleで見る
Googleは2026年6月3日、Search Consoleに生成AI機能のパフォーマンス レポートを追加すると発表しました。検索版のレポートでは、AIによる概要とAIモードで、自社サイトへのリンクが表示された回数を確認できます。Discoverの生成AI機能向けのレポートも別にあります。
レポートで分かること・分からないこと
| 分かること | 分からないこと |
|---|---|
| 生成AI機能で、自社サイトへのリンクが表示された回数 | クリック数(AIの回答からの訪問数) |
| 表示されたページ | どんな質問(検索語)で表示されたか |
| 国、デバイス(検索のみ) | 回答の中で、自社がどう説明されたか |
| 時間・日・週・月の単位での推移 | ChatGPTなどGoogle以外のAIでの表示 |
このレポートの数字は、通常の検索パフォーマンス レポート(検索タイプ「ウェブ」)の数字にも含まれています。新しいレポートは、その中から生成AI機能の分を取り出したものです。グラフの合計はサイト単位で集計されるため、同じ回答に自社のリンクが2つ出ても1回と数えます。
レポートが表示されないとき
Googleの公式ブログでは2026年8月31日時点で全世界のサイトに提供したと案内されていますが、ヘルプでは次の場合にレポートが表示されないことがあるとしています。
- 生成AI機能での表示回数が十分にない
- Search Consoleの「設定」の「検索の生成 AI」で、サイトを生成AI機能の対象から外している
Googleのガイドでは、生成AI機能に表示されるには、サイトがこの設定で対象に含まれている必要があると説明されています。表示されないときは、まず設定を確認します。
通常の表示回数と並べて見る
同じページについて、生成AI機能での表示回数と、通常の検索パフォーマンスの表示回数を並べると、そのページの表示のうちどれくらいがAI機能の中だったかの目安を自分で計算できます。例:あるページの表示回数のうち、生成AI機能での表示が多いなら、そのページはAIの回答の参照先として使われる場面が多いと考えられます(説明用の例です)。どちらもサイト単位とページ単位で数え方が変わるため、比べるときは単位をそろえます。
見方の手順
- レポートで期間を選び、表示回数の多いページを並べます。
- そのページの内容が正確で、最新かを見直します。AIの回答に使われる可能性が高いページほど、古い情報は誤った説明の元になります。
- 同じページの通常の検索パフォーマンスで、クリック数とクリック率を見比べます。
- 月ごとに表示回数を記録し、ページを更新した日と並べます。
ChatGPTなどからの訪問をGA4で見る
回答にリンクを表示するAIサービスからの訪問は、GA4で参照元(どこから来たか)として記録される場合があります。探索レポートを使うと、まとめて絞り込めます。
- GA4の「探索」で「自由形式」を作ります。
- ディメンションに「セッションの参照元」と「ランディング ページ」、指標に「セッション」と「キーイベント」を加えます。
- フィルタで「セッションの参照元」を選び、条件を「正規表現に一致」にして、次のような式を入れます。
- どのページに来て、成果につながったかを確認します。
例:AIサービスらしい参照元に絞る(表記は実際のデータを見て直します)
.*(chatgpt|openai|perplexity|gemini|copilot|claude).*
参照元の表記はサービスや時期によって変わります。式で絞る前に、参照元の一覧を開いて実際の表記を確かめ、定期的に見直します。
GA4で数えられない訪問
- GoogleのAI機能から来た訪問:AIによる概要・AIモードのリンクから来た訪問は、通常の自然検索からの訪問と区別できません。
- 参照元が残らない訪問:アプリから開いた場合などは参照元が渡されず、「direct(直接)」として記録されることがあります。
- 回答を読んで終わった人:AIの回答で名前を知っても、クリックしなければ訪問は記録されません(ゼロクリック検索)。
指名検索の推移を見る
AIの回答で社名やサービス名を知った人が、あとからGoogleで検索することがあります。この動きは、Search Consoleの検索パフォーマンスで社名を含む検索語に絞って確かめます。
Search Consoleには、検索語を指名検索とそれ以外に分けるフィルタもあります。ヘルプによると、この分類はキーワードの一致ではなくAIの助けを借りた社内の仕組みで行われ、誤って分類される検索語もあります。また、サブディレクトリなどの一部を登録したプロパティや、表示回数が少ないサイトでは使えません。使えない場合は、正規表現のフィルタで社名やサービス名を指定します。Googleのブログでは、Search Consoleの「インサイト」で、指名検索とそれ以外のクリック数の内訳も見られると案内されています。月ごとの記録には、この内訳を残しておくと比べやすくなります。
指名検索は、広告、展示会、紹介などでも増えます。増えたことをAIの影響だと断定はできないため、同じ時期の出来事を記録して並べて見ます。
AIの回答での扱われ方を手で確かめる
回答の中で自社がどう説明されているかは、どのレポートにも出てきません。決めた質問を同じ条件で入力し、記録する方法で確かめます。
AIの回答の引用元:サービスごとの公式の説明
AIの回答の引用元(出典として示されるリンク)に自社のページが入るかは、サービスごとに検索の仕組みとクローラーの扱いが違います。各社の公式の説明で分かることは次のとおりです(2026年10月14日に確認)。
| サービス | 公式の説明の要点 |
|---|---|
| GoogleのAIによる概要・AIモード | 回答と一緒に関連リンクを示す。リンクに表示される条件は、インデックスに登録され、スニペットを表示でき、検索の技術要件を満たすこと。追加の要件は無い |
| ChatGPTの検索 | OAI-SearchBot が検索結果にサイトを出すために使われる。OAI-SearchBot を拒否したサイトは、ChatGPT の検索の回答に表示されない |
| Perplexity | PerplexityBot が検索結果にサイトを出し、リンクするために使われ、基盤モデルの学習には使わないとしている |
どのサービスも、引用元に選ばれる順番や基準の詳細は公開していません。引用されやすいサイトの特徴を推測で決めず、robots.txt でこれらのクローラーを止めていないかを確かめたうえで、手で記録した結果と並べて判断します。
質問の決め方
- 営業やサポートでよく聞かれる質問、自社が答えるべき質問を書き出します。
- 次の3種類に分けて、合わせて10〜20個ほどに絞ります(数は目安で、確かめ続けられる量にします)。
- 社名・サービス名を含む質問(例:「〇〇社のサービスの特徴は?」)
- 分野の比較・選び方の質問(例:「中小企業向けの〇〇の選び方は?」)
- 定義・やり方の質問(例:「〇〇とは?」)
- 質問の文は、以後変えずに使います。
記録する項目
| 項目 | 記録の例 |
|---|---|
| 確認した日・サービス・ログインの有無 | 例:毎月第1月曜日、ログインなし |
| 自社名が出たか | 出た/出ない |
| 自社ページが出典として示されたか | 示された場合はURL |
| 説明は正しいか | 正しい/一部誤り/誤り(誤りの内容) |
| 誤りの元になっていそうなページ | 自社の古いページ、外部の古い紹介記事など |
AIの回答は、利用者、地域、時期、会話の流れによって変わります。1回の結果で判断せず、同じ条件で続けたときの傾向を見ます。誤りが見つかったら、自社の該当ページを正確な内容に直すことが、最初にできる対応です。
誤りを見つけたときの直し方
- 元を探す:回答に出典が示されていれば開き、誤りの元が自社のページか、外部のページかを確かめます。
- 自社のページを直す:料金、提供範囲、対応地域など、誤りやすい事実を正確な内容に更新し、更新日を示します。同じ事実を書いた自社のページが複数あれば、すべてそろえます。
- 基準になるページを作る:会社やサービスの基本情報を1か所にまとめたページがなければ用意します。会社の示し方は運営者情報の書き方で紹介しています。
- 次の月に同じ条件で確かめる:直したあとも、すぐに回答が変わるとは限りません。記録を続けて変化を見ます。
測定の始め方:基準値と月次の記録
効果を確かめるには、取り組む前の数字(基準値)が必要です。当サイト(seoagent.jp)では、改修前の検索での表示がほとんど無い状態を、Search ConsoleとGA4のデータとして残しています(Site Kit経由で毎週自動取得)。
| 項目 | 期間 | 数字 |
|---|---|---|
| Search Console 表示回数 | 2025-06-16〜2026-10-06 | 10(トップページのみ、平均掲載順位 42.7) |
| Search Console クリック | 同上 | 0 |
| GA4 セッション | 同上 | 全体 46、自然検索 0 |
このように、出発点の数字が小さいことも記録しておくと、後で変化を比べられます。なお、当サイトでの取り組みの効果は、まだ測定前のため書いていません。
月次の記録表の例
例:月に1回、次の項目を1枚の表に並べます。
- 生成AI機能での表示回数(サイト全体と、上位のページ)
- AIサービスからの訪問数と、そのキーイベント
- 指名検索の表示回数とクリック数
- 決めた質問で、自社が回答に出た数と、説明の誤りの数
- その月の出来事(記事の更新、新しいページの公開、展示会、広告など)
表は、記録する人と日を決めておくと続けやすくなります。項目を途中で変えた場合は、変えた月を書き残し、前後の数字をそのまま比べないようにします。
出来事の欄があると、数字が動いた理由を考えやすくなります。数字が増えても減っても、すぐに結論を出さず、数か月の流れで判断します。
数字が動いたときの読み方
| 起きたこと | 考えられること | 次にすること |
|---|---|---|
| 生成AI機能での表示回数が増え、通常の検索のクリック数は変わらない | AIの回答に表示される機会は増えたが、訪問にはつながっていない | 表示の多いページの内容が正確か、回答の先に読む理由があるかを見直す |
| AIサービスからの訪問は増えたが、キーイベントが無い | 来たページから、次の行動への案内が足りない | 来たページの案内先や問い合わせへの導線を見直す |
| 指名検索が増えた | AIの回答のほか、広告や展示会の影響も考えられる | 同じ時期の出来事と並べる |
| 手動確認で、説明の誤りが続く | 自社の古いページや、外部の古い情報が元になっている可能性がある | 自社の該当ページを直し、日付と更新内容を明記する |
| どの数字も動かない | 取り組みから日が浅い、または対象の質問が少ない | 基準値を見直し、測る期間を延ばす |
LLMOの取り組みでどの施策を進めるかは「LLMO対策の記事一覧」にまとめています。測定に使う道具の選び方はLLMOツールの選び方で紹介しています。
よくある質問
AIの回答に何回引用されたかを、正確に数える方法はありますか?
GoogleのAI機能については、Search Consoleで自社へのリンクの表示回数が分かります。Google以外のAIサービスで、すべての利用者への回答を数える公式の方法は確認できません。手動確認やツールの数字は、条件付きの目安として扱います。
生成AI機能のレポートの表示回数は、通常の表示回数と別に足すのですか?
足しません。生成AI機能での表示は、通常の検索パフォーマンス レポートの表示回数にも含まれています。専用のレポートは、その一部を取り出して見るためのものです。
効果が出るまでどのくらいかかりますか?
決まった期間はなく、サイトの状況や取り組みの内容によって異なります。基準値を残し、月ごとに同じ項目を記録して、数か月の流れで判断します。
手動確認は毎回同じ結果になりますか?
なりません。AIの回答は、利用者、時期、会話の流れなどで変わります。質問の文と確認の条件をそろえ、続けたときの傾向を見ます。
社内への報告では、何を見せればよいですか?
月次の記録表から、目的に合う指標を2〜3個に絞って推移で見せます。あわせて「この数字で分からないこと」(GoogleのAI機能からの訪問は区別できない、など)を一緒に書いておくと、数字の読み違いを防げます。
SEOAGENTでできること
SEOAGENTでは、GA4で参照元を識別できるAI経由の訪問を確認できます。GoogleのAIによる概要・AIモードからの訪問は区別できないため数えず、Search Consoleの生成AI機能のレポートはCSVファイルを取り込んで表示回数を確認できます。記事ごとのクリック、表示回数、GA4の自然検索からの訪問と、成果として設定したキーイベントも確認できます。



