この記事の要点:
- ECサイトのSEOとは、商品ページ・カテゴリーページ・記事を、Googleが見つけて理解できる形に整え、商品を探す人に検索から見つけてもらう取り組みです。一般のサイトと違うのは、ページの数が多いこと、絞り込みや並び替えでURLが大量に生まれること、価格や在庫などの商品データがあることの3点です。
- Googleは、メニューからカテゴリー、カテゴリーからすべての商品ページへ、リンクでたどれる構造にすることを勧めています。検索ボックスからしか届かない商品は、クロールで見つからない可能性があります。
- 絞り込み(ファセット ナビゲーション)のURLは、検索結果に出す必要が無ければ、robots.txtなどでクロールを防ぐことをGoogleは勧めています。結果が0件の組み合わせは404を返します。
- 商品の構造化データは、購入できるページには「販売者リスティング」、購入できないレビューなどのページには「商品スニペット」を使います。在庫の状態は availability で伝えます。
- 記事は、Googleの e コマースのガイド、ファセット ナビゲーションのクロール管理、販売者リスティングの構造化データの説明(2026年10月13日確認)に沿って書いています。
ECサイトのSEOとは:一般のサイトと違う3つの点
ECサイトのSEOとは、ネットショップの商品ページ、カテゴリーページ、記事を、検索エンジンが見つけて理解できる形に整え、商品を探している人に検索結果から見つけてもらう取り組みです。基本はほかのサイトのSEOと同じですが、ECサイトには特有の難しさが3つあります。
| ECサイトの特徴 | 起きやすい問題 | 対応の方向 |
|---|---|---|
| ページの数が多い(商品・カテゴリー) | 一部の商品がリンクでたどれず、Googleに見つからない | カテゴリーから全商品へリンクする。サイトマップや Merchant Center で補う |
| 絞り込み・並び替えでURLが増える | 役に立たないURLのクロールに時間が使われ、新しい商品の発見が遅れる | クロールを防ぐか、インデックスさせるURLだけを決めて整える |
| 価格・在庫・配送などの商品データがある | 検索結果に価格や在庫が正しく出ない | 構造化データと Merchant Center で商品データを伝える |
Googleは、e コマース サイト向けに、商品データの共有、構造化データ、URL構造の設計、サイトの構造、ページ分けなどの一連のガイドを公開しています(Google 検索で e コマースサイトを見つけやすくするためのおすすめの方法)。この記事では、その内容に沿って、ECサイトで特に重要な点を説明します。SEO全体の基本は「SEO対策とは」で説明しています。
検索語とページの役割を対応させる
ECサイトでは、検索語の種類ごとに、受けるページを決めておくことが最初の設計です。同じ語を複数のページで狙うと、どのページを表示するかが定まらず、評価が分かれます。
| 検索語の例 | 検索する人の状態 | 受けるページ |
|---|---|---|
| 「ランニングシューズ メンズ」 | 種類は決まっていて、候補を見比べたい | カテゴリーページ(一覧) |
| 商品名・型番 | 買う商品がほぼ決まっている | 商品ページ |
| 「ランニングシューズ 選び方」 | 何を選べばよいか分からない | 記事(選び方・比べ方) |
| 店名・ブランド名 | そのお店で買いたい | トップページ、ブランドのカテゴリー |
例:表の検索語は説明用の例です。実際の語は、Search Consoleの検索パフォーマンスと、キーワード調査のツールで確かめます。
選び方・比べ方の記事は、まだ商品を決めていない人に見つけてもらう入口になります。記事から関連するカテゴリーや商品へリンクすると、読んだ人が次に進めます。商品レビューの書き方について、Googleは e コマースのガイドの中に「質の高いレビューを書く」という説明を設けています。
サイト構造とカテゴリーページ
ECサイトの構造で最も大事なのは、すべての商品ページに、サイト内のリンクでたどり着けることです。Googleは、メニューからカテゴリーページへ、カテゴリーページからサブカテゴリーへ、サブカテゴリーからすべての商品ページへリンクを張ることを勧めています。
カテゴリーページにすべての商品へのリンクが無いと、Googlebotはクロールだけですべての商品を見つけられない可能性があります。Googlebotは通常、クロールの際にサイト内の検索ボックスに語を入れて検索しないため、検索ボックスからしか届かない商品は見つかりにくくなります。すべてにリンクできない場合は、サイトマップか Google Merchant Center のフィードで補うよう、Googleは説明しています(e コマースサイトの構造を Google が把握できるようにする)。
- リンクは <a href> で張る:JavaScriptのクリックイベントだけで画面を切り替えると、Googlebotがリンクを見つけられないことがあります。
- 売れ筋はほかのページからもリンクする:Googleは、URLの構造ではなく、ページ間のリンクを見てサイト内の相対的な重要度を把握すると説明しています。ベストセラーの商品は、トップページや記事からもリンクすると、重要さが伝わります。
- 一覧の2ページ目以降にも、たどれるリンクを置く:ページ分けの各ページには固有のURLを付けます。書き方は「ページネーションとは」で説明しています。
カテゴリーページには、商品の一覧だけでなく、そのカテゴリーで選ぶときの目安などの短い説明を置くと、検索した人にも、Googleにも、ページの内容が伝わりやすくなります。分類の決め方はサイト構造とはで、現在地を示す仕組みは「パンくずリストとは」で説明しています。
商品ページの作り方
商品ページは、その商品を買うかどうかを決めるのに必要な情報が、そのページだけでそろっていることが基本です。メーカーから受け取った説明文をそのまま使うと、同じ商品を扱うほかのお店と同じ内容になり、自社のページを選ぶ理由が伝わりません。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 題名(titleタグ) | 商品名、ブランド、型番、主な特徴。ページごとに違う題名にする |
| 説明 | 使い方、向いている人、ほかの商品との違い、サイズや素材の注意点。自社で確かめた情報があれば書く |
| 画像 | 商品がはっきり分かる写真。代替テキスト(alt)で何の写真かを書く |
| 価格・在庫・配送・返品 | ページに表示し、構造化データと一致させる |
| レビュー | 購入者の評価や声。構造化データで評価を伝えられる |
色・サイズ違い(バリエーション)のURL
色やサイズの違いは、Googleが区別できるように、バリエーションごとに別のURLで識別できるようにします。Googleは、パス(例:/t-shirt/green)かクエリ パラメータ(例:/t-shirt?color=green)を勧めています。URLの「#」より後ろ(フラグメント)はインデックス登録に使われないため、/product/t-shirt#black と /product/t-shirt#white は同じページとして扱われます(e コマースサイトの URL 構造を設計する)。
バリエーションの識別に省略できるクエリ パラメータを使う場合は、パラメータを除いたURLを正規URL(canonical)にすることを、Googleは勧めています。
絞り込み(ファセット)URLの扱い
絞り込みのURLは、検索結果に出す必要が無ければ、クロールさせないのが基本です。ファセット ナビゲーションとは、色・サイズ・価格などの条件で一覧を絞り込む機能のことで、条件の組み合わせごとにURLが生まれるため、URLの数が事実上無限になることがあります。
Googleは、ファセットのURLが増えると、役に立たないURLを確かめるために多くのクロールが使われる「過剰クロール」と、新しく有用なURLの発見が遅れる「クロールによる発見の遅れ」が起きると説明しています。そのうえで、次のどちらかで扱うことを勧めています(ファセット ナビゲーション URL のクロール管理)。
| 方針 | Googleが示す方法 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| インデックスさせない | robots.txtで絞り込みのパラメータを含むURLのクロールを禁止する。または、絞り込みの条件をURLフラグメント(#以降)で指定する | 多くのECサイト。絞り込み前の一覧と商品ページだけをクロールさせる |
| インデックスさせる | パラメータの区切りに「&」を使う。パスで表す場合は条件の順番を常に同じにし、重複させない。結果が0件の組み合わせは404を返す | 「ブランド×種類」など、絞り込んだ一覧そのものが検索される場合 |
robots.txtの例は、Googleの説明では次のような形です。
user-agent: Googlebot
disallow: /*?*products=
disallow: /*?*color=
disallow: /*?*size=
allow: /*?products=all$
rel=”canonical” や、リンクへの rel=”nofollow” でも優先順位を示せますが、Googleは、これらは長期的には上の方法より効果が低い傾向があると説明しています。nofollow を使う場合は、そのURLを指すすべてのリンクに付ける必要があります。
結果が0件の組み合わせについて、Googleは、汎用の「見つかりません」ページへ転送せず、そのURLで「見つかりません」と表示して404を返すよう勧めています。
在庫切れ・販売終了・空のカテゴリーの扱い
在庫切れや販売終了の商品は、商品の状態を構造化データの availability(在庫状況)で正しく伝え、ページをどうするかは「その商品がまた売られるか」で決めます。Googleの販売者リスティングの説明では、availability に次の値を使えます(1つの値だけを指定します)。
| 値 | 意味(Googleの説明) |
|---|---|
| InStock | 在庫があります |
| OutOfStock | 現在在庫切れです |
| BackOrder | 入荷待ちです |
| PreOrder | 予約受付中です |
| SoldOut | 完売しました |
| Discontinued | 販売を終了しました |
出典:販売者リスティング(Product、Offer)の構造化データ(ほかに LimitedAvailability、InStoreOnly、OnlineOnly、PreSale があります)。
在庫切れの商品ページを残すか消すかを1つに決めたGoogleの説明は、確認できませんでした。次の表は、Googleの転送と404の説明をもとにした判断の目安です。
| 状況 | ページの扱いの目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| 一時的な在庫切れ(再入荷の予定がある) | ページを残し、在庫状況を OutOfStock や BackOrder にする。入荷の目安や代わりの商品を案内する | 同じ商品が再び売られるため、URLを保つ |
| 販売終了で、後継の商品がある | 後継の商品ページへ301で転送する | 内容が対応するページへの転送 |
| 販売終了で、対応するページが無い | 404または410を返す。トップページへまとめて転送しない | 関係の薄いページへの転送は、ソフト404と見なされることがある |
| 商品が0件になったカテゴリー | noindex を付けるか、サイト内から外す場合は404を返す | Googleの e コマースのURL設計の説明 |
関係の薄いページへの転送がソフト404と見なされる場合があることは、Googleのサイト移転の説明に書かれています(サイトを移転する方法)。業種によっては、取引の終わったページの扱いに広告の決まりも関係します。成約した物件の例は「不動産のSEO」で説明しています。
構造化データ:商品スニペットと販売者リスティング
商品ページには、Product の構造化データを入れると、検索結果に価格・在庫状況・レビューの評価・配送などの情報が表示される対象になります。Googleは、商品の構造化データを2つに分けています。
| 種類 | 使うページ | 主な必須のプロパティ |
|---|---|---|
| 販売者リスティング | その場で商品を購入できるページ(ネットショップの商品ページ) | Product の name・image・offers(Offer)。Offer の price は0より大きい値 |
| 商品スニペット | 購入はできない商品ページ(レビューや比較のページなど) | Product の name ほか(商品スニペットの説明ページで確かめる) |
販売者リスティングに必須のプロパティを入れた商品ページは、商品スニペットの対象にもなる、とGoogleは説明しています(Product の構造化データについて)。返品に関するポリシーやポイント プログラムは、Organization のマークアップの中に入れることも勧められています。
商品データは、ページの構造化データのほか、Google Merchant Center に商品フィードを送って伝えることもできます。Googleは、両方を使うと各種の表示を最大限に利用でき、データを正しく認識・検証しやすくなると説明しています。
構造化データを入れても、リッチリザルトとして表示されることは保証されません。
ECサイトのSEOを点検する手順
ECサイトの点検は、Search Consoleのレポートで「見つかっているか」「正しく読まれているか」を確かめるところから始めます。次の順番で見ると、原因を切り分けやすくなります。
- ページのインデックス登録レポート:商品ページやカテゴリーページが「インデックスに登録済み」になっているか。絞り込みのURLが大量に登録されていないか。
- 販売者リスティング レポートと商品スニペット レポート:Product の構造化データのエラーと警告。購入できるページは販売者リスティング レポート、それ以外の商品ページは商品スニペット レポートで見ます。
- URL 検査:代表的な商品ページで、Googleが見たHTMLに商品名・価格・リンクが含まれているか。
- クロールの統計情報:パラメータ付きのURLへのクロールが多すぎないか。
- 検索パフォーマンス:カテゴリー名や商品名の検索語で、意図したページが表示されているか。
よくある質問
ECモールの出店ページでもSEOは必要ですか?
モールの中の検索で見つけてもらう工夫と、Google検索で自社サイトを見つけてもらうSEOは別の取り組みです。この記事は、自社で運営するECサイトのGoogle検索向けの内容です。モール内の表示の仕組みは、各モールの公式の案内で確かめてください。
商品数が少ない小さなECサイトでも、絞り込みURLの対策は必要ですか?
絞り込みや並び替えの機能でパラメータ付きのURLが生まれる場合は、商品数が少なくても、URLの数は条件の組み合わせで増えます。Search Consoleのページのインデックス登録レポートで、パラメータ付きのURLが多く見つかっていないかを確かめてから判断します。
ECサイトの構築サービス(カートシステム)を使っていれば、URLの設計は気にしなくてよいですか?
Googleは、e コマースのプラットフォームを使っている場合、URL構造の問題はプラットフォームで考慮されている可能性が高い、と説明しています。ただし、絞り込みの設定やテーマ、アプリの追加でURLが増えることはあるため、Search Consoleで実際の状態を確かめます。
ECサイトのSEOに強い会社はどう選べばよいですか?
会社の順位付けはしませんが、依頼前に、提案の根拠がGoogleの公式の説明と合っているか、商品データやサイト構造といったECサイト特有の課題を扱った経験があるか、検索順位の保証をうたっていないかを確かめます。考え方は「SEOの外注」で説明しています。
商品ページの説明文はどのくらい書けばよいですか?
決まった文字数はありません。その商品を買うかどうかを決めるのに必要な情報が、そのページだけでそろっていることを目安にします。メーカーの説明文に、自社で確かめた使い方や注意点を足すと、ほかのお店のページとの違いが出ます。
SEOAGENTでできること
SEOAGENTは、自社サイトで記事を作る企業向けの記事制作の支援ツールです。ECサイトでは、商品の選び方や比べ方の記事を、キーワードの調査から作成、公開前の確認まで進められます。公開後はSearch ConsoleとGA4を連携して、記事ごとのクリックや表示回数を確かめられます。構造化データやrobots.txt、転送の設定はECサイトのシステムの側で行います。検索順位を保証するものではありません。
ECサイトのSEO対策と関わるテクニカルSEOの記事は「テクニカルSEOの記事一覧」にまとめています。


