この記事の要点:
- パンくずリストは「ホーム > カテゴリ > 記事」のようにページの位置を示す案内で、読者の回遊と、検索エンジンへの階層の伝達に役立つ
- 階層はURLの構造ではなく、読者がたどる典型的な道筋で決める。複数カテゴリの記事は主となるカテゴリを1つ決める
- HTMLはnavとolで書き、今のページはリンクにしない。検索エンジン向けにはBreadcrumbListの構造化データ(JSON-LD)を入れる
- 2025年1月から、スマートフォンの検索結果ではパンくずリストが表示されなくなったが、構造化データを外す必要はない
- WordPressではテーマとプラグインの二重出力が起きやすいため、ソースでBreadcrumbListの数を確かめる
パンくずリストとは
パンくずリストとは、サイトの中でそのページがどの位置にあるかを「ホーム > カテゴリ > 記事」のように並べて示す案内です。各項目は上の階層のページへのリンクになっていて、読者と検索エンジンの両方にサイトの構造を伝えます。
例:家電の通販サイトなら「ホーム > キッチン家電 > 電子レンジ > 〇〇(商品名)」、会社のサイトなら「ホーム > サービス > 法人向けプラン」のように表示されます。多くの場合、ページの上部、見出しの近くに置かれます。
名前の由来
童話「ヘンゼルとグレーテル」で、帰り道が分かるようにパンくずを落としていった場面が由来です。英語では「breadcrumb(ブレッドクラム)」と呼ばれます。
パンくずリストの種類
| 種類 | 示すもの | 例 | 向いているサイト |
|---|---|---|---|
| 位置型(階層型) | サイトの階層の中での位置 | ホーム > ブログ > テクニカルSEO > 記事 | ほとんどのサイト。最も一般的 |
| 属性型 | ページの持つ条件・特徴 | ホーム > 靴 > メンズ > 26cm | 絞り込みの多い通販サイト |
| パス型(履歴型) | 読者がたどってきたページの順番 | トップ > 検索結果 > 商品A > 商品B | あまり使われない。ブラウザの「戻る」と役割が重なる |
パス型は読者ごとに中身が変わるため、検索エンジンにサイトの構造を伝える目的には向きません。ここからは位置型を前提に説明します。
パンくずリストを置くメリット
読者にとって
- 今いるページが、サイトのどの分類に入っているかが一目で分かる
- 1つ上のカテゴリへ、1回のクリックで戻れる
- 検索から記事に直接来た人が、同じ分類のほかの記事を見つけやすくなる
検索から来た読者は、トップページを通らずに記事へ入ってきます。パンくずリストは、そうした読者に「このサイトには、この分類の記事がほかにもある」と伝える入口になります。メニューや本文のリンクと組み合わせた、サイト全体の導線の考え方もあわせて確かめてください。
検索エンジンにとって
パンくずリストの各項目は、上の階層へのリンクです。そのため内部リンクの一つとして、ページ同士のつながりや階層をクローラーに伝える手がかりになります。カテゴリのページは、配下のすべての記事からリンクを受けることになります。
また、BreadcrumbList(ブレッドクラムリスト)という構造化データを入れると、Googleの検索結果でパンくずリストが表示される場合があります。構造化データとは、ページの情報を検索エンジンが理解しやすい決まった形で書いたものです。ただし、パンくずリストを置けば順位が上がると約束されているわけではありません。
2025年1月の変更:スマートフォンの検索結果では表示されない
Googleは2025年1月、スマートフォンの検索結果で、URLの部分にパンくずリストを表示するのをやめ、ドメインだけを表示するようにしました。小さい画面では途中で切れてしまい、役に立ちにくかったためと説明しています。パソコンの検索結果では引き続き表示されます。検索結果でパンくずと混同されやすいサイトリンクの仕組みは「サイトリンクとは」で説明しています。
Googleは、パンくずリストの構造化データを使っているサイトは何も変更する必要はないとしています。スマートフォンで見えなくなったからといって、構造化データを外す理由にはなりません。リッチリザルト テストやSearch Consoleのレポートも引き続き使えます。
階層の決め方と具体例
Googleは、パンくずリストはURLの構造ではなく、読者がたどる典型的な道筋を表すのがよいと説明しています。まず「この記事を読んだ人が、次に見たい一覧はどこか」を考えて、1つ上の階層を決めます。
例:オウンドメディア(ブログ)
URLが「/blog/2026/10/article-123/」でも、パンくずを「ホーム > ブログ > 2026年 > 10月 > 記事」にする必要はありません。読者にとって意味のある分類は日付よりテーマなので、「ホーム > ブログ > SEO対策 > 記事」とします。
例:通販サイトの商品ページ
「ホーム > キッチン家電 > 電子レンジ > 商品名」のように、売り場の分類をたどる形にします。同じ商品が「セール」と「電子レンジ」の両方の一覧に出る場合でも、パンくずは期間限定のセールではなく、ずっと残る「電子レンジ」の分類にそろえます。
例:1つの記事が複数のカテゴリに入る
WordPressで記事に複数のカテゴリを付けると、テーマによっては最初に見つかったカテゴリがパンくずに使われ、意図しない分類が表示されることがあります。記事ごとに「主となるカテゴリ」を1つ決め、パンくずにはそれを使います。主となるカテゴリを指定できるSEOプラグインもあります。分類の考え方は内部リンクとトピッククラスターの違いも参考になります。
判断の目安
| 状況 | パンくずの組み方 |
|---|---|
| 記事が数十本で、カテゴリが3〜5個 | 「ホーム > ブログ > カテゴリ > 記事」の3〜4段で十分 |
| 1つのカテゴリに記事が増え、話題が混ざってきた | 子カテゴリを作って1段増やす。ただし子カテゴリに記事が数本しかないなら増やさない |
| 商品数が多く、分類が4段以上になる | 読者が実際に使う絞り込みの順に並べる。不要な中間の段は省く |
| 固定ページ(会社概要・料金など) | 「ホーム > 会社情報 > 会社概要」のように、親ページを決めて表示する |
| カテゴリ名にキーワードを入れたい | 読者が分類として理解できる名前を優先する。キーワードを並べた長い名前にはしない |
当サイト(seoagent.jp)の例
当サイト(seoagent.jp)では、カテゴリーページが記事の並びだけになっていました。そこで、カテゴリーを解説文付きの「トピックページ」に作り直し、記事のパンくずと記事の下からトピックページを経由させる形にしました。トピックページにはCollectionPageの構造化データを入れています。このとき、記事のURLは変えず、分類だけを組み替えました。パンくずはURLの構造ではなく分類を表すものなので、URLを変えずに道筋だけを整えられます。パンくずリストと関わるテクニカルSEOの記事は「テクニカルSEOの記事一覧」にまとめています。主題の示し方は「エンティティSEOとは」で説明しています。
HTMLでの書き方とデザイン
見えるパンくずリストは、順番のあるリスト(ol)で書き、ナビゲーションであることを示すnav要素で囲むのが一般的です。
<nav aria-label="パンくずリスト">
<ol>
<li><a href="https://example.com/">ホーム</a></li>
<li><a href="https://example.com/blog/">ブログ</a></li>
<li><a href="https://example.com/blog/seo/">SEO対策</a></li>
<li aria-current="page">パンくずリストとは</li>
</ol>
</nav>
- 最後の項目は今のページ:今いるページはリンクにせず、
aria-current="page"で現在地であることを示します。 - 区切り記号はCSSで出す:「>」や「/」を文字として書くと、読み上げソフトが毎回読んでしまいます。区切りは見た目の装飾としてCSSで付けるのが一般的です。
- 項目名は短く:カテゴリ名は一覧ページの見出しと同じ言葉にし、記事タイトルが長い場合は、パンくずの最後の項目だけ省略して表示してもかまいません。
置く位置とスマートフォンでの見せ方
| 状況 | 置き方 |
|---|---|
| 一般的な記事・商品ページ | ヘッダーの下、ページの見出し(h1)の上に置く |
| スマートフォンで項目が長く、2〜3行に折り返す | 文字を小さくしすぎず、1行に収めて横にスクロールさせるか、途中の項目を省略する |
| トップページ | 「ホーム」だけになるため置かなくてよい |
| ランディングページ(広告の受け皿) | サイト内を回遊させたくなければ置かない判断もある |
リンクだと分かる色にし、本文より一段小さい文字にするのが一般的です。指で押しやすいよう、項目の間に十分な余白を取ります。
BreadcrumbListの構造化データ
検索エンジン向けには、BreadcrumbListの構造化データを入れます。書き方はJSON-LD(scriptタグの中にデータを書く方法)が扱いやすく、Googleもすすめています。上のHTMLと同じ道筋を表すと、次のようになります。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "BreadcrumbList",
"itemListElement": [
{
"@type": "ListItem",
"position": 1,
"name": "ホーム",
"item": "https://example.com/"
},
{
"@type": "ListItem",
"position": 2,
"name": "ブログ",
"item": "https://example.com/blog/"
},
{
"@type": "ListItem",
"position": 3,
"name": "SEO対策",
"item": "https://example.com/blog/seo/"
},
{
"@type": "ListItem",
"position": 4,
"name": "パンくずリストとは"
}
]
}
</script>
| 項目 | 意味 | 書くときの注意 |
|---|---|---|
| itemListElement | パンくずの各項目(ListItem)の並び | Googleの説明では、少なくとも2つの項目が必要 |
| position | 階層の順番 | 1から始め、上の階層から順に番号を振る |
| name | 表示する名前 | 見えるパンくずの文字と同じにする |
| item | その項目のURL | 省略のない絶対URLで書く。最後の項目(今のページ)は省略できる |
1つのページに複数の道筋がある場合は、BreadcrumbListを複数書くこともできます。ただし、見えるパンくずと構造化データの内容が食い違わないようにします。
正しく入っているかを確かめる
- リッチリザルト テスト:ページのURLを入れ、「パンくずリスト」が検出されるか、エラーや警告がないかを確認します。
- Search Console:左のメニューの「拡張」にある「パンくずリスト」のレポートで、サイト全体の有効なページとエラーを確認します(Search Consoleの使い方)。
- 実際のページ:ソースを表示し、BreadcrumbListが1つだけ出力されているか、リンク先が正しいかを確かめます。
構造化データが正しくても、検索結果での表示はGoogleが判断します。必ず表示されるわけではありません。
WordPressでの設置方法
WordPressでは、多くの場合、自分でコードを書かなくてもパンくずリストを出せます。どの方法でも、まず「今すでに出力されていないか」を確かめるのが最初の手順です。
| 方法 | 向いている場合 | 注意点 |
|---|---|---|
| テーマの機能を使う | 使っているテーマにパンくずの設定がある | テーマの設定画面(カスタマイザーなど)で表示の有無を切り替える。構造化データも出すかを確認する |
| SEOプラグインの機能を使う | SEOプラグインを入れている | プラグインの設定でパンくずを有効にし、ブロックやショートコードで表示する。主となるカテゴリを指定できるものもある |
| パンくず専用のプラグインを使う | 表示の形を細かく決めたい | テーマ側のパンくずと二重に表示されないよう、片方を止める |
| テーマのテンプレートに自分で書く | 自作テーマや、細かい制御が必要 | カテゴリ・固定ページ・タグ一覧など、ページの種類ごとに分けて作る。子テーマで編集する |
二重に出力されていないかを確かめる手順
- 記事ページをブラウザで開き、ページのソースを表示します。
- 「BreadcrumbList」で検索し、何か所に出てくるかを数えます。
- 2か所以上あり、内容が違う場合は、テーマかプラグインのどちらか一方の出力を止めます。
- リッチリザルト テストで、パンくずリストの項目が1つになったことを確かめます。
よくある失敗と直し方
| 起きること | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| パンくずに「未分類」と出る | 記事にカテゴリを付け忘れ、初期のカテゴリが使われている | 記事にカテゴリを付け、「未分類」を使わない設定にする |
| 同じ名前のカテゴリが並ぶ | 親子のカテゴリ名が似ている(例:「SEO」の下に「SEO対策」) | 読者が区別できる名前に変えるか、階層を1つ減らす |
| カテゴリへのリンクが404になる | カテゴリのURL(スラッグ)を変えた、またはカテゴリを削除した | リンク先を直し、古いURLは新しい一覧へ301リダイレクトする |
| リッチリザルト テストで「item」の項目がないと出る | 途中の項目にURLが入っていない | 最後以外のすべての項目にURLを入れる |
| 見えるパンくずと構造化データが違う | テーマとプラグインが別々の道筋を出している | 出力元を1つにまとめる |
| リンク先のカテゴリページが記事の並びだけで中身が薄い | カテゴリページを一覧としてしか作っていない | 分類の説明文や主要な記事への案内を加え、読む価値のあるページにする |
よくある質問
パンくずリストは、すべてのページに置くべきですか。
トップページ以外の、階層のあるページには置くのが基本です。ページの種類によって置いたり置かなかったりすると、読者が迷います。
最後の項目に、記事タイトルを全部入れますか。
入れてかまいませんが、長い場合は画面上だけ省略して表示します。構造化データのnameは省略しない名前でもかまいません。
パンくずリストがあれば、グローバルメニューは不要ですか。
役割が違います。メニューはサイト全体の入口、パンくずは今のページから上の階層への道筋です。両方を置きます。サイト全体のメニューの作り方は「グローバルナビゲーションとは」で説明しています。
構造化データだけ入れて、画面にはパンくずリストを表示しなくてもよいですか。
画面にも表示します。構造化データは、ページに見えている内容を検索エンジンに伝えるためのものです。見えるパンくずと構造化データは、同じ道筋・同じ名前にそろえます。
構造化データはJSON-LD以外の形式でも書けますか。
Googleは、JSON-LD・microdata・RDFaの3つの形式に対応しており、正しく書かれていればどれも同じように扱うと説明しています。そのうえで、実装と管理がしやすいJSON-LDを勧めています。テーマがmicrodataで出力している場合、無理に書き換える必要はありません。
SEOAGENTでできること
SEOAGENTでは、公開前の確認で構造化データの数字のずれなどを示したり、記事同士の内部リンクを提案したり、テーマごとの記事のまとまり(トピッククラスター)を整理したりできます。パンくずリストそのものの出力は、WordPress側のテーマやプラグインの設定で行います。


