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校正と校閲の違い:Web記事の公開前に見る項目と進め方

記事の公開前の確認を任されたとき、校正と校閲のどちらをどこまでやるかで迷うことがあります。2つの違いと見る項目、リンクやtitleなどWeb記事ならではの確認、AIで書いた文章の確かめ方、担当と順番の決め方を、当サイトの点検の例とあわせて説明します。

校正と校閲の違い:Web記事の公開前に見る項目と進め方

この記事の要点:

  • 校正は、誤字・脱字や表記の揺れなど「文字と表記」の誤りを直す作業です。校閲は、事実・数字・固有名詞・出典など「内容」の誤りを確かめる作業です。
  • Google の「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」には、自己評価の質問として「誤字やスタイルに関する問題」と「明らかな事実誤認」の両方が挙がっています。Web 記事でも両方が必要です。
  • Web 記事では、リンク先・title・メタディスクリプション・画像の alt・構造化データの確認を、校正・校閲の延長として加えます。リンク先は公開後にも変わるため、定期的な点検が要ります。
  • AI で書いた文章は、文の自然さと内容の正しさが一致しません。主張ごとに出典を付けて照らし、照合できない主張は消すか言い換えます。

校正と校閲の違い:文字を直すか、内容を確かめるか

校正と校閲の違いは、見る対象です。校正は文字と表記の誤り(誤字・脱字、送り仮名、数字や記号の書き方の揺れ)を直す作業で、校閲は内容の誤り(事実・数字・固有名詞・引用・論理の矛盾)を確かめる作業です。どちらも公開前の確認ですが、照らし合わせる物と、必要な知識が違います。

項目校正校閲
見る物文字・表記・体裁事実・数字・固有名詞・引用・論理
照らす物原稿、表記ルール(用字用語の決まり)公式資料・一次情報・社内の資料、出典の原文
見つける誤りの例「確認」と「確忍」、「行う」と「行なう」の混在、全角と半角の数字の混在制度の名前の誤り、古い仕様のままの説明、出典に書かれていない数字
向いている担当表記ルールを知る人。ツールで補える部分が多いテーマの知識がある人、または資料を探して照らせる人
Web 記事での主な道具表記の一覧表、文章校正ツール出典の一覧表、公式ページ、社内資料

印刷物の世界では、原稿と校正刷りを突き合わせて違いを見つけることを校正と呼び、内容の誤りを指摘することを校閲と呼んで分けてきました。Web 記事には校正刷りがないため、原稿と公開ページを比べる作業と、内容を確かめる作業を、担当者が意識して分ける必要があります。

なお、「校了」は、確認と修正が終わり、それ以上直さない状態になったことを指す言葉です。Web 記事では「公開してよい状態」と言い換えると、社内でも伝わりやすくなります。

校正で見る項目

校正で見るのは、読み手が内容に入る前につまずく「文字と表記」の誤りです。Google の「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」は、コンテンツを自己評価する質問の一つとして「コンテンツに誤字やスタイルに関する問題はありませんか。」を挙げています(2026 年 10 月 13 日確認)。

項目確かめること見つけ方
誤字・脱字・衍字変換の誤り、抜けた文字、重なった文字声に出して読む。画面と別の形式(印刷・別の端末)で読む
表記の揺れ同じ語が「Web」「ウェブ」、「お問い合わせ」「お問合せ」と混在していないか表記ルールの一覧と照らす。検索機能で語を拾う
数字・単位・記号全角と半角、桁区切り、単位の書き方、括弧の種類数字だけを抜き出して並べる
固有名詞の書き方製品名・サービス名・会社名の正式な表記(大文字・小文字、空白、記号)公式サイトの表記と照らす
文の終わり方「です・ます」と「だ・である」の混在文末だけを拾って読む
見出しと本文の対応見出しの言葉と本文の言葉が一致しているか見出しだけを並べて読む

修正の指示の書き方

修正の指示は、「どこを・何に・なぜ」の 3 つを 1 行で書くと伝わります。紙の校正では、赤字の記号(日本産業規格 JIS Z 8208「印刷校正記号」として定められているもの)で指示しますが、Web 記事の共有文書やコメント機能では、記号よりも文章のほうが誤解がありません。

紙の校正での指示Web の修正指示に置き換えた例
文字の差し替え例:第 3 段落 1 文目「確忍」→「確認」(誤字)
文字の削除例:見出し 2 の「の の」→「の」(重複)
文字の挿入例:表の 2 行目「設定」の後に「画面」を追加(語の抜け)
修正の取り消し例:先ほどの指示 3 は取り消し。元の表記のまま(表記ルールどおり)

例の指示は説明用です。指示の末尾に理由(誤字・表記ルール・事実の誤り)を付けると、書き手が同じ誤りを次から防げます。

校閲で見る項目

校閲で見るのは、文章の内容が事実と合っているかです。Google の同じ文書は、自己評価の質問に「コンテンツに明らかな事実誤認はありませんか。」を挙げ、検索品質評価者が見る属性の一つとして、情報提供を目的としたページの内容が「事実に基づいて正確である必要があります」と説明しています(2026 年 10 月 13 日確認)。

項目確かめること照らす物
数字出典に書かれた数字と一致しているか。条件(日付・対象・測り方)が添えてあるか出典の原文、社内の記録
固有名詞人名・会社名・制度名・機能名が正しいか。名称が変わっていないか公式サイト、公式ヘルプ
仕様・手順画面の名前や手順が、今の公式ヘルプと合っているか公式ヘルプ(確認日を記録)
引用「」の中が原文どおりか。前後を省いて意味が変わっていないか引用元の原文
論理前の節と後の節で言っていることが食い違っていないか記事全体を通して読む
権利と表示他者の文章・画像の使い方、広告の決まりに触れる表現がないか社内の基準、関係する法令の公式資料

校閲で見つけた問題は、「直す」「出典を足す」「言い切りを弱める」「消す」のどれかで処理します。出典が見つからない主張を、それらしい言い回しで残すことはしません。出典と事実の確かめ方の基本は、一次情報と二次情報の違いでも説明しています。

Web記事で加えて見る項目

Web 記事では、本文の文字と内容に加えて、検索結果や読み手の画面に出る「本文の外側」も公開前に確かめます。title やリンク先は本文と別の場所に入力することが多く、本文の校正だけでは見落とされやすいからです。

項目確かめること
title(タイトルタグ)内容を正しく要約しているか。誇張していないか。長すぎて切れないか
メタディスクリプション本文と食い違う説明になっていないか
リンクリンク先が開くか。リンク先の内容が本文の説明と合っているか
画像の alt画像の内容を説明しているか。空のままになっていないか
構造化データ日付・著者・FAQ などの値が、ページに見えている内容と一致しているか
他サイトとの重なり他者の文章をそのまま使っていないか

Google の同じ文書は、自己評価の質問として、メインの見出しやページのタイトルが「内容を要約して説明する有用なもの」か、「コンテンツを誇張している」ものではないかも挙げています。title と見出しの確認は、表記の校正であると同時に、内容と約束が一致しているかを見る校閲でもあります。

当サイト(seoagent.jp)では、記事のデータを公開用の仕組みに取り込む前に、次の項目をプログラムで確かめています(リポジトリの取り込み用スクリプトの設定)。

  • title が 40 字以内か、説明文(メタディスクリプション)が 95〜125 字か
  • 本文に使ってよい HTML タグだけが使われているか
  • サイト内へのリンクが、公開済みのページを指しているか
  • 見出し(h2)の数、よくある質問の数が決まった範囲にあるか

こうした形の確認は機械に任せ、人は内容の確認に時間を使う、という分け方ができます。

表記ルールの決め方と参照する資料

表記ルールは、迷いやすい語だけを一覧にして、1 枚にまとめるのが続けやすい方法です。すべての語を決めようとすると守られなくなります。表記だけでなく文体・出典・禁止表現まで含めた決まりの作り方は「執筆レギュレーションの作り方」で説明しています。決まりの元として、公的な資料と、自社でよく使う語の一覧を組み合わせます。

参照する資料何を決めるときに使うか注意点
文化審議会建議「公用文作成の考え方」(2022 年 1 月 7 日)漢字と仮名の使い分け、読点、専門用語や外来語の扱いの考え方政府の公用文の手引きとして作られたもの。民間の Web 記事は、考え方を参考に自社の一覧を作る
報道機関などが出している市販の表記の手引き(例:共同通信社の『記者ハンドブック』)送り仮名、数字の書き方、言い換え版によって変わることがある。社内で使う版を決めておく
自社の用語一覧製品名、サービス名、機能名、社内で使う言い方製品名の正式な表記は、公式サイトの表記に合わせる

文化庁の発表によると、「公用文作成の考え方」は、1951 年の「公用文作成の要領」に代わる手引きとして文化審議会が建議したものです。公用文を「告示・通知等」「記録・公開資料等」「解説・広報等」に分類し、国民に直接向けた広報などでは読み手に合わせた分かりやすい書き表し方を認めること、横書きの読点は「、」を原則とすることなどが示されています(2026 年 10 月 13 日確認)。

企業の Web 記事は「解説・広報等」に近い文章です。読み手が一般の人なら、専門用語は最初に一言で説明する、という決まりを自社の一覧に入れておくと、書き手が変わっても読みやすさがそろいます。

表記の一覧に入れる項目の例

  • 例:「Web」と「ウェブ」のどちらを使うか
  • 例:「問い合わせ」「お問い合わせ」の使い分け
  • 例:数字は半角、単位は全角か半角か
  • 例:製品名・機能名の正式な表記

AIで書いた記事を確かめる手順

AI で書いた記事は、校正よりも校閲に時間をかけます。文章が自然に読めることと、内容が正しいことは別だからです。Google 検索セントラル「ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス」は、生成モデルは事実を取得するのではなく可能性の高い単語の並びを予測するため、出力に不正確な情報が含まれる可能性があると説明し、公開前に「手動でファクト チェックを行い、正確性と信頼性を確認することが重要です」としています(2026 年 10 月 13 日確認)。

  1. 本文から「主張」を抜き出します。数字、固有名詞、仕様、「〜とされています」のような伝聞、因果関係(〜なので〜)が対象です。
  2. 主張ごとに出典を付けます。出典は公式資料・一次情報・社内の資料を優先します。
  3. 出典の原文を開き、主張と照らします。数字の条件(いつ・何を・どう測ったか)まで一致しているかを見ます。
  4. 照合できなかった主張は、消すか、確かめられる範囲に言い換えます。言い換えられない場合は「確認できない」と書きます。
  5. 最後に、校正(表記・誤字)を行います。内容を直すと文章も変わるため、校正は内容の確認の後にします。

文章の書き方が AI らしいかどうかを判定する仕組みでは、内容が正しいかどうかは分かりません。確かめるべきは「誰が書いたか」より「主張が出典と合っているか」です。

AI検索に引用される文章との関係

AI による概要や AI モードで表示されるために、特別な書き方は求められていません。Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」は、AI 機能に表示されるための追加の要件はなく、SEO のベスト プラクティスが引き続き有効だと説明しています(2026 年 10 月 13 日確認)。節ごとに事実が正しく、出典が示された文章は、検索でも AI の回答でも、読み手が確かめやすい文章です。

公開前の確認の進め方:担当と順番

公開前の確認は、「校閲 → 校正 → Web の確認 → 公開後の確認」の順に、担当を分けて進めると漏れが減ります。内容を直すと文章が変わるため、内容の確認を先にします。

順番やること担当の例終わりの目安
1. 校閲主張と出典の照合、数字と固有名詞の確認テーマに詳しい人、または資料を探せる人出典のない主張が残っていない
2. 校正誤字・表記の揺れ・文末の統一書き手と別の人(ツールで補助)表記の一覧と一致している
3. Web の確認title・説明文・リンク・alt・構造化データサイトの担当者公開前のプレビューで確認済み
4. 公開後の確認公開ページの表示、リンク先の変化サイトの担当者点検の日付を記録

担当の例は説明用です。1 人で全部を行う場合も、時間を置いて読み直す、順番を守る、確認した日を残す、の 3 つで精度が上がります。書き手と確認者が同じだと、自分の思い込みに気づきにくいため、少なくとも校閲は別の人が行う体制が望ましいです。

判断の表:確認で見つかった問題の処理

状況どうする理由
出典はあるが、数字の条件が書かれていない日付・対象・測り方を本文に足す条件がないと、読み手が数字を正しく使えない
出典が見つからない消す、または「確認できない」と書く根拠のない言い切りは信頼を損なう
公式ヘルプの画面名が変わっている今の画面名に直し、確認日を書く読み手が手順をたどれなくなる
表記の一覧にない語で揺れているどちらかに決め、一覧に足す次の記事で同じ迷いをなくす

公開後も確かめ続ける理由:当サイトの外部リンク点検の例

公開時に正しかったリンクや出典も、時間がたつと変わります。当サイト(seoagent.jp)では、2026 年 10 月 13 日に、全 127 記事の本文にある外部リンク 326 URL(重複・コード例を除く)の状態を確かめました。

結果URL 数
そのまま開けた(HTTP 200)293
転送された後に開けた27
自動のアクセスが制限された(HTTP 403)5
名前解決できなかった(サイトが無い)1

完全なリンク切れは 1 件でしたが、公式ドキュメントの構成変更による転送が 27 件ありました。そのうち 1 件は、詳しい説明のページから概要のページへの転送で、記事が根拠にしていた記述がたどれない、実質的なリンク切れでした。当サイトでは 24 URL を転送先に直し、公開終了の 1 件と概要ページへの転送の 1 件はリンクを外して注記しました。403 の 5 件は、人の目で開いて確かめる対象にしています。

この例のように、出典の確認は公開した時点で終わりではありません。当サイトでは、記事を追加したときと 3 か月ごとに同じ点検をすると決めています。

よくある質問

校正と校閲はどちらを先にしますか?

校閲を先にします。内容を直すと文章が変わり、その部分の表記をもう一度確かめる必要が出るためです。校閲で内容を固めてから、校正で表記と誤字を整えます。

校了とは何ですか?

確認と修正が終わり、それ以上直さない状態になったことです。Web 記事では「公開してよい状態」と言い換えられます。公開後にリンク先などが変わることもあるため、公開後の点検の予定もあわせて決めておきます。

校正ツールだけで十分ですか?

誤字や表記の揺れは、ツールで多く見つけられます。一方、数字や固有名詞が正しいか、出典と合っているかは、ツールでは分かりません。校閲は、資料を開いて人が照らす作業として残します。

修正の指示はどう書けば伝わりますか?

「どこを・何に・なぜ」を 1 行で書きます。例:「第 2 段落 3 文目『2025 年』→『2026 年』(出典の日付)」のように、場所と修正後の文字と理由をそろえると、書き手が迷わず直せます。

AIで書いた文章の校閲で、最初に見るところはどこですか?

数字・固有名詞・仕様・引用です。AI の出力には不正確な情報が含まれる可能性があると Google も説明しています。これらの主張に出典を付け、原文と照らすところから始めます。主張の種類ごとに確かめる一次資料と、確認の記録の残し方は「ファクトチェックとは」で説明しています。

SEOAGENTでできること

SEOAGENT の品質チェックでは、記事の内容と登録した資料・出典を照らし合わせ、確認できたものと確認できないものを分けて、公開前に確かめる場所を示します。項目は「答えるべき問い」「数字・体験・実績」「見出しの約束」「本文のようす」「公開ページの設定」などに分かれ、仮の文字が残っている、本文が途中で終わっている可能性がある、構造化データの数字がずれている、といった点も示します。「事実確認」は手動で実行し、結果を「支持されている」「反証されている」「不明」などで示します。

チェックは正確性・権利関係・検索順位を保証するものではありません。確認の結果を参考に、自社の担当者が内容を確かめてから公開してください。表記をそろえるための文体や禁止事項は、自社資料として登録できます。

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