日本語 English(Home)

デジタルPRとは:オンラインで取り上げられる仕組みと、SEO・被リンクとの関係

デジタルPRは、取り上げられる材料を用意して第三者に紹介してもらう広報です。SEOとつながる3つの道、一次データの出し方、Googleのリンクスパムと景品表示法で避けること、進め方の手順、参照ドメインや指名検索での成果の測り方を示します。

デジタルPRとは:オンラインで取り上げられる仕組みと、SEO・被リンクとの関係

この記事の要点:

  • デジタルPRとは、ニュースサイト・業界メディア・SNS・検索など、オンラインの場で自社の情報を第三者に取り上げてもらうための広報活動です。広告のように枠を買うのではなく、伝える価値のある材料を用意して紹介される状態を目指します。
  • SEO との接点は、取り上げられた結果として生まれる自然なリンク、社名や製品名の言及、指名検索です。Google はリンクを評価の手がかりの 1 つとして使いますが、順位を操作する目的のリンクはスパムとして扱います。
  • 避けることは 2 つあります。リンクを目的に対価を払って記事を載せること(載せるなら rel=”sponsored” などを付ける)と、広告であることを隠すこと(2023 年 10 月 1 日から景品表示法の対象)です。
  • 材料の中心は自社の一次データです。成果は、参照ドメイン、指名検索、参照元からの訪問を組み合わせて見ます。

デジタルPRとは:オンラインで取り上げられるための広報

デジタルPRとは、オンラインのメディアや SNS、検索の場で、自社の情報を第三者に紹介してもらうための広報活動です。プレスリリースの配信、記者や編集者への情報提供、調査データの公開、専門家としてのコメントの提供などを、ウェブ上で見つけられ、引用されることを前提に組み立てます。

「デジタルPR」は法令や Google の文書で定義された言葉ではなく、PR 会社や配信サービスによって指す範囲が少しずつ違います。この記事では、検索と被リンクに関わる部分、つまり「オンラインで紹介され、それが自社サイトへのリンクや検索につながる活動」として扱います。

プレスリリースそのものの SEO 上の扱いは「プレスリリースのSEO効果」で説明しています。この記事は、配信を含む広報活動全体を、SEO の視点でどう組み立てるかに絞ります。

従来のPR・広告・SEOとの違い

デジタルPRは、伝える場がオンライン中心で、結果がリンク・言及・検索として記録に残る点が従来の PR と違い、掲載の判断が相手にある点が広告と違います。SEO は自社サイトを検索で見つけてもらう取り組みで、デジタルPRはその外側で「紹介される理由」を作る役割です。

取り組み誰が掲載を決めるか主な場結果として残るもの
従来の PR記者・編集者新聞・テレビ・雑誌紙面や放送。ウェブに残らないこともある
デジタルPR記者・編集者・SNS の利用者ニュースサイト・業界メディア・SNS記事、リンク、言及、指名検索
広告広告主(枠を買う)検索広告・SNS 広告・記事広告表示とクリック。止めると止まる
SEO検索エンジン自社サイト検索結果での表示とクリック

広告と SEO の使い分けはSEOとリスティング広告の違いで、自社サイトの外での取り組み全体はSEOの外部対策とはで扱っています。

SEOとの関係:自然なリンク・言及・指名検索

デジタルPRが SEO につながる道は、自然な被リンク、社名や製品名の言及(サイテーション)、指名検索の 3 つです。どれも、取り上げられた結果として後から生まれるもので、リンクそのものを目的にするとスパムとの境目に近づきます。

  • 自然な被リンク:記事が自社の資料を出典として紹介すると、リンクが張られることがあります。Google はほかのサイトからのリンクを、ページの内容を判断する手がかりの 1 つとして使います。
  • 言及:リンクが無くても、社名や製品名が文脈の中で書かれることです。扱いはサイテーションとはで説明しています。
  • 指名検索:記事を読んだ人が、社名や製品名で検索することです。数え方は「指名検索とは」で説明しています。

Google 公式 SEO スターター ガイド(2026 年 10 月 13 日確認)は、サイトを宣伝する方法として、ソーシャル メディアのプロモーション、コミュニティ エンゲージメント、広告、クチコミを挙げています。同時に「過度な宣伝で逆効果になる可能性があります」とし、検索エンジンから人為的な操作だと認識されるおそれにも触れています。

リンクのある掲載でも、配信サイトや転載先が nofollow などの属性を付けていることがあります。その場合でも、読者の訪問や指名検索のきっかけとしての意味は残ります。

取り上げられる材料の作り方:一次データを出す

取り上げられる材料の中心は、自社だけが持つ一次データ(自分で調べた・測った・記録した情報)です。記者や編集者は、ほかで読めない数字や事実、専門家の見解を求めます。一般論をまとめた資料は、出典として紹介される理由が弱くなります。

材料の種類中身の例紹介されやすくする工夫
独自の調査・集計自社で集めた数字を、条件と日付つきでまとめたもの調べ方・期間・件数を明記し、表を引用しやすい形にする
点検・計測の記録自社のサイトやサービスで実際に測った結果測った道具と日付を書く。都合のよい結果だけを選ばない
無料で使える資料・道具チェックリスト、ひな形、計算の表使い方と前提を書き、出典の書き方を示す
専門家のコメント社内の担当者の見解、法令や公式資料の読み方名前と役割を出し、根拠の資料を示す

当サイト(seoagent.jp)が持つ一次データの例を挙げます。2026 年 10 月 13 日に、全 127 記事の本文にある外部リンク 326 URL の状態を確かめた記録(200 が 293、転送後に 200 が 27、403 が 5、名前解決できない 1)と、公開ページ 222 ページを自動で点検した結果があります。こうした「自社で測った数字」は、条件と日付を添えれば、記事や資料の材料になります。

一方で、当サイトの被リンクには、2026 年 10 月 13 日時点でプレスリリースの配信サイトやニュースサイトからのリンクは見当たりませんでした。材料を持っていても、公開して届ける活動をしなければ紹介は生まれない、という例です。

避けること:リンク目的の掲載と、広告と分からない表示

デジタルPRで避けることは、リンクを目的に対価を払って記事を載せること、そして広告であることを隠すことの 2 つです。前者は Google のスパムに関するポリシー、後者は景品表示法に関わります。

Googleのリンクスパムにあたる掲載

Google のスパムに関するポリシー(2026 年 10 月 13 日確認)は、リンクスパムの例として「ランキング クレジットを転送するリンク、または他のサイトで配布されている記事、ゲスト投稿、プレスリリース内の作為的なアンカー テキスト リンクを含む記事に対して支払いが行われる記事広告やネイティブ広告」を挙げています。

同じポリシーは、広告やスポンサーとしてのリンクの売買は通常の経済活動であり、rel=”nofollow” や rel=”sponsored” を付けている限り違反にならないとも説明しています。記事広告を出すなら、掲載先にリンクの属性を確かめ、付いていなければ付けてもらいます。属性の意味は「外部リンクとは」で説明しています。

広告であることを隠す表示(ステルスマーケティング)

消費者庁は、広告であるのに広告であることを隠すことを「ステルスマーケティング」と呼び、2023 年 10 月 1 日から景品表示法違反になると説明しています。規制の対象は、一般消費者が広告だと分からない広告で、企業がインフルエンサーなどの第三者に依頼・指示するものも含まれます。対象となるのは商品やサービスを供給する事業者(広告主)です。

対価を払って書いてもらう記事や SNS の投稿は、広告であることが分かる表示を付けます。どの表示なら足りるかは、消費者庁の運用基準と Q&A で確かめます。

進め方の手順

デジタルPRは、目的と測り方を先に決め、材料を自社サイトに公開してから届ける順で進めます。届ける前に自社サイトに置き場所を作っておくと、紹介された先からのリンクや検索の行き先がはっきりします。

  1. 目的を決めます。例:「業界メディアで自社の調査が出典として紹介され、指名検索が増えること」。
  2. 測り方と比べる前の値を決めます。参照ドメイン数、指名検索の表示回数、参照元からの訪問を、始める前に記録します。
  3. 材料を作ります。一次データを、調べ方・日付つきで自社サイトの 1 ページにまとめます。
  4. 届け先を選びます。自社の分野を扱う媒体、記者、団体、展示会の主催者などを一覧にします。
  5. 届けます。プレスリリースの配信、媒体への個別の連絡、SNS での発信を、相手の読者に合う形で行います。
  6. 紹介された記事を記録します。掲載日・媒体・URL・リンクの有無と属性を表に残します。
  7. 結果を見て、次の材料を決めます。

この順番の要は、届ける前に自社サイトの 1 ページに材料をまとめておくことです。紹介した記事がリンクを張る先、読者が社名で検索した後にたどり着く先が決まり、成果を測るときにもそのページの数字を見れば済みます。

届けるときの書き方

媒体や記者に届けるときは、相手の読者にとって何が新しいかを最初の一文で書きます。自社の宣伝から始めると、読まれずに終わりやすくなります。調べ方・期間・件数と、引用するときの出典の書き方を添え、図や表は相手がそのまま使える形で渡します。

  • 件名と最初の一文:何を調べて、何が分かったか
  • 本文:数字の条件(日付・調べ方・対象)、自社サイトの資料のページの URL
  • 添えるもの:図や表、担当者の名前と役割、問い合わせ先

記事にするかどうか、リンクを張るかどうかは、相手の判断です。リンクを条件にした掲載の依頼や、対価と引き換えのリンクの依頼はしません。

成果の測り方

デジタルPRの成果は、1 つの数字ではなく、参照ドメイン、指名検索、参照元からの訪問、掲載の記録を組み合わせて見ます。掲載からリンクや検索が増えるまでに時間差があるため、掲載日を記録しておくことが前提になります。

見るもの道具読み方の注意
新しく増えたリンク元のドメインSearch Console のリンク レポート、Ahrefs などの被リンクのツールリンク レポートはサンプルで、nofollow かどうかを表示しない。ツールの値は推定
社名・製品名での検索の表示回数Search Console の検索パフォーマンス(検索語で絞り込み)掲載日の前後で比べる。季節の変動も見る
掲載先から来た訪問GA4 の参照元(トラフィック獲得)SNS やアプリからの訪問は参照元が分からないことがある
掲載の件数と中身自社の掲載記録の表リンクの有無、属性、社名の書かれ方を残す

掲載の記録の表は、掲載日、媒体名、記事の URL、自社サイトへのリンクの有無、リンクの属性(nofollow・sponsored など)、社名の書かれ方、紹介された資料のページ、の列で作ると、後から参照ドメインや指名検索の動きと照らし合わせられます。リンクの無い掲載も、言及として記録します。

当サイト(seoagent.jp)では、Search Console と GA4 のデータを毎週月曜に自動で取得して表に残しています。始める前の値を自動で残しておくと、掲載の後に比べられます。

よくある誤解とAI検索での扱い

デジタルPRには「配信すれば被リンクが増える」「被リンクが増えれば順位が上がる」という誤解がつきものです。Google の説明に照らすと、どちらも条件付きです。

よくある誤解実際(公式の説明)
プレスリリースを配信すれば、評価を渡すリンクが増える配信や転載のリンクは nofollow などが付くことがある。作為的なアンカーテキストのリンクを含む有料の記事はリンクスパムの例に挙がっている
リンクの数が増えるほど順位が上がるGoogle は PageRank を多数のランキング シグナルの 1 つと説明している
記事広告は、広告と書かなければ自然な紹介に見えて得広告と分からない広告は、2023 年 10 月 1 日から景品表示法違反
プレスリリース配信サイトに載せること自体が問題Google のサイトの評判に関するポリシーは、ニュースやプレスリリースのサービス用のサイトを違反の例に当たらないものとして挙げている

AI による概要や ChatGPT などの回答は、ウェブ上の情報をもとに作られます。Google は AI 機能に特別な最適化は要らないと説明しており、デジタルPRを AI 向けに変える必要はありません。第三者の記事に正確な社名・製品名・数字が書かれていることは、検索でも AI の回答でも、自社が正しく説明される土台になります。

よくある質問

デジタルPRとSEOの違いは何ですか?

SEO は自社サイトを検索で見つけてもらうための取り組みで、デジタルPRは自社の情報を第三者のメディアや SNS で紹介してもらうための広報活動です。デジタルPRで紹介された結果、リンクや指名検索が生まれ、SEO にもつながります。

プレスリリースの配信はデジタルPRですか?

デジタルPRの手段の 1 つです。ただし、配信だけで記者に取り上げられるとは限りません。媒体への個別の情報提供、調査データの公開、SNS での発信と組み合わせて考えます。

デジタルPRで被リンクは増えますか?

紹介した記事が出典として自社サイトにリンクすれば増えます。掲載先が nofollow などの属性を付けることもあり、リンクの数は約束できません。対価を払ってリンクを得る掲載は、属性を付けない限りリンクスパムにあたります。

小さな会社でもできますか?

できます。自社の分野の業界メディアや団体に向けて、自社で測った数字や手順の資料を公開し、案内するところから始められます。規模より、ほかで読めない材料があるかが大切です。

SEOAGENTでできること

SEOAGENT は、取り上げられる材料になる記事づくりと、紹介をお願いできそうな関連サイトの整理に使えます。

  • 被リンク・紹介先候補の管理:Ahrefs から書き出した被リンクの CSV を取り込み、関連するサイトの候補や公開されている連絡先を整理できます。
  • ナレッジ・ブランド:自社の資料・URL・写真を登録し、記事の根拠として使えます。
  • 分析:Search Console と GA4 のデータから、記事ごとの表示回数やクリックを確かめられます。

できないこと:プレスリリースの配信、記者や媒体への自動の連絡、掲載やリンクの獲得の保証はできません。掲載は相手の判断です。デジタルPRと関わるAIO・LLMOの基礎の記事は「AIO・LLMOの基礎の記事一覧」にまとめています。

参考情報

関連する記事

「AIO・LLMOの基礎」の記事をすべて見る →

リンクの否認とは:Googleが必要とする場面・不要な場面と、スパムの被リンクを否認しない判断
AIO・LLMOの基礎

リンクの否認とは:Googleが必要とする場面・不要な場面と、スパムの被リンクを否認しない判断

リンクの否認は、ほとんどのサイトでは必要ない操作だとGoogleは説明しています。否認が必要な2つの条件、判断の流れ、否認ファイルの書式、送信と取り消しの手順、スパムの被リンクが多い当サイトが否認しなかった理由と、その後に確かめることを示します。

AIでSEO対策を、もっと続けやすく。

機能と使い方、料金・契約条件は、サービス資料でご案内します。