この記事の要点:
- サイト設計とは、Webサイトを作る前に「何のためのサイトか、誰に何を届けるか、どんなページをどうつなぐか、各ページに何を置くか」を順に決める作業です。
- 手順は「目的 → 読者 → ページ構成 → URL → 画面(ワイヤーフレーム)→ 公開前の確認」です。手順ごとに、キーワードマップ・サイトマップ(ページ一覧)・URL 一覧・ワイヤーフレームなどの資料を残します。
- URL は、Google が勧める「意味のある単語・ハイフン区切り・短い形」で決め、後から変えなくて済むようにします。リニューアルで URL を変えるときは、古い URL と新しい URL の対応表を作ります。
- 公開前には、title の重複、h1、canonical、noindex、画像の代替テキスト、リンク切れなどを機械で点検します。当サイト(seoagent.jp)の点検の項目と実例も紹介します。
サイト設計とは:何を、どの順に決める作業か
サイト設計とは、Webサイトの目的を達成するために、ページの種類と数、ページどうしのつながり、URL、各ページに置く要素を、作り始める前に決めておく作業です。家を建てる前の設計図にあたります。デザイン(色や形)を決める前の段階で、中身と構造を決めるのが中心です。
似た言葉の「サイト構造」は、設計の結果できあがる「ページの分類とリンクのつながり」のことです。サイト設計はその構造を決める作業全体を指し、目的や読者を決める段階や、画面の要素を決める段階も含みます。分類とリンクの決め方は「サイト構造とディレクトリ構造の決め方」で詳しく説明しています。
| 手順 | 決めること | 作る資料 |
|---|---|---|
| 1. 目的 | サイトで達成したいこと、成果の数え方 | 目的と指標(KPI)の一覧 |
| 2. 読者 | 誰が、どんな段階で、何を知りたくて来るか | ペルソナ、検討の段階ごとの疑問の一覧 |
| 3. ページ構成 | どんなページを何ページ作るか、どうつなぐか | キーワードマップ、サイトマップ(ページ一覧の図) |
| 4. URL | ディレクトリとスラッグのルール | URL 一覧(ページ名と URL の対応表) |
| 5. 画面 | ページの種類ごとに置く要素と並び | ワイヤーフレーム |
| 6. 公開前の確認 | 技術的な設定が正しく出ているか | 点検のチェックリストと結果の記録 |
この 6 つは上から順に決めます。目的が決まっていないまま画面を作り始めると、後から「載せるべきページが無い」「成果を測れない」と分かり、作り直しになりがちです。
目的と読者を決める
サイト設計の最初の手順は、サイトの目的と、その目的をどう数えるかを決めることです。たとえば「資料請求の数」「お問い合わせの数」「採用への応募の数」のように、数えられる形にします。GA4 では、これらをキーイベントとして計測します。指標の決め方は「SEOのKPIの決め方」で説明しています。
次に、サイトに来る読者を決めます。読者の属性を細かく作り込むより、「どんな段階で、何を知りたくて来るか」を書き出す方が、ページを決めるときに役立ちます。
- 情報を集めている段階:言葉の意味や、やり方の全体像を知りたい
- 比べている段階:方法・サービス・費用の違いを知りたい
- 決める直前の段階:導入の流れ、条件、問い合わせ先を知りたい
段階ごとの疑問を一覧にすると、そのまま「作るべきページ」の候補になります。
ページ構成を決める:キーワードマップとサイトマップ
ページ構成とは、どんなページを作り、どう分類し、どうつなぐかの一覧です。読者の疑問の一覧を、検索で使われる言葉(キーワード)に置き換え、言葉ごとに担当するページを割り当てて決めます。この表をキーワードマップと呼びます。
キーワードマップの例
下の表は書き方を示すための例です(実在のサイトの検索数や結果ではありません)。
| 分類 | 担当するページ | 主な言葉 | 読者の段階 | 次に案内するページ |
|---|---|---|---|---|
| 例:サービス紹介 | サービスのトップ | サービスの名前、「〇〇 ツール」 | 比べている | 料金、資料請求 |
| 例:機能紹介 | 機能ごとのページ | 「〇〇 自動化」などの機能名 | 比べている | 導入の流れ |
| 例:解説記事 | 用語・やり方の記事 | 「〇〇とは」「〇〇 やり方」 | 情報を集めている | 関連する機能紹介 |
| 例:会社・信頼 | 会社情報、運営方針 | 会社名 | 決める直前 | お問い合わせ |
キーワードの探し方は「キーワード選定のやり方」で説明しています。
1 つの問いに 1 つのページ
ページ構成を決めるときの大切な決まりは、同じ問いに答えるページを 2 つ作らないことです。同じ検索意図のページが複数あると、どちらを検索結果に出すか検索エンジンが迷い、互いの評価を分け合うことがあります(カニバリゼーション)。
Google も、検索のバリエーションごとにページを作り分けることに注意を促しています。生成 AI 機能向けのガイドには、「ユーザーが検索する可能性のあるすべてのバリエーション」に対応するページを個別に作ることについて、「主に Google 検索のランキングや生成 AI の回答を操作することを目的としてこれを行うことは、Google のスパムに関するポリシーにおける大量生成されたコンテンツの不正使用に違反します」と書かれています(Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する、2026年10月13日確認)。言い回しの違いは 1 つのページの中で答え、ページを分けるのは読者の問いそのものが違うときだけにします。
サイトマップ(ページ一覧の図)
キーワードマップが決まったら、ページを分類ごとに並べた図を作ります。設計の段階で作るこの図も「サイトマップ」と呼びますが、検索エンジンに送る XML サイトマップとは別のものです。図では、トップページから各分類、各ページへの階層と、分類をまたぐ主なリンクを書き込みます。
URL設計:Googleが勧める形
URL は公開後に変えると手間が大きいため、ページ構成が決まった段階でルールを決めます。Google の URL 構造のガイドは、次の点を勧めています(Google 検索における URL 構造のベスト プラクティス、2026年10月13日確認)。
- 「論理的かつ人間が理解できる方法で URL を構成できるよう、コンテンツを分類します。」
- 「可能であれば、長い ID 番号ではなく意味のある単語を URL に使用します。」
- 単語の区切りには、アンダースコア(_)ではなくハイフン(-)を使う
- 不要なパラメータを削除して URL を短くする
一方で Google の SEO スターター ガイドは、URL のパスの中のキーワードだけでは、順位への効果は「パンくずリストに表示される以上の効果はほとんどありません」と説明しています(SEO スターター ガイド、2026年10月13日確認)。URL は順位のためではなく、読者に分かりやすく、長く変えずに済むことを優先して決めます。
| 決めること | 判断の目安 |
|---|---|
| ディレクトリに分ける単位 | 長く変わらない種類(記事・商品・機能など)だけを分ける。キャンペーン名や年度など、すぐ変わる分類は入れない |
| スラッグ | 内容を表す短い英単語をハイフンでつなぐ。すべて小文字 |
| 末尾のスラッシュ・www の有無 | どちらかに決めて全ページでそろえる(URL正規化) |
| 言語版 | 言語ごとのディレクトリ(例:/en/)などに分け、hreflang で対応を示す |
ワイヤーフレームで画面の要素を決める
ワイヤーフレームとは、ページに置く要素とその並びを、線と箱だけで示した画面の設計図です。色や写真は入れず、「どこに何を置くか」だけを決めます。ページの種類ごと(トップ、一覧、記事、機能紹介、お問い合わせなど)に 1 枚ずつ作ります。
SEO と読者の両方のために、ワイヤーフレームで決めておく要素は次のとおりです。
| 要素 | 決めること | 理由 |
|---|---|---|
| ページの題名(h1) | どの文言を h1 にするか。1 ページに 1 つ | ページの主題を読者と検索エンジンに伝える |
| パンくずリスト | 置くかどうか、どの階層を出すか | 今いる場所と上の分類を示す |
| 本文の見出しと段落 | 記事のページで、見出しと段落で区切る構成にするか | 読みやすさと、内容のまとまりを伝えるため |
| 次へ進む案内 | 本文の中のリンク、関連ページ、ボタンの位置 | 読者が目的のページに進める道筋をつくる |
| お問い合わせなどのボタン | 置く位置と文言 | サイトの目的につながる行動の入口 |
| スマートフォンでの並び | 画面が狭いときに何を先に見せるか | Google は主にスマートフォン用の表示をもとにページをインデックスに登録する(モバイルファーストインデックス) |
Google は生成 AI 機能向けのガイドでも、「一般的に、ウェブページが段落やセクションで構成され、コンテンツを移動するための明確な構造を持つ見出しが付けられていると、ユーザーからの評価が高まります。」と書いています(同ガイド、2026年10月13日確認)。見出しで区切られた構成は、AI 検索のために特別に作るものではなく、読者のための基本の形です。
当サイト(seoagent.jp)の設計の実例
当サイトは、製品の紹介と、AIO・LLMO・SEO のガイド記事を 1 つのサイトに置いています。設計では、次のように決めました(リポジトリの設定とテーマから確認。2026年10月13日時点)。
| 決めたこと | 当サイトの形 | 理由 |
|---|---|---|
| ページの種類 | トップ、機能紹介(/features/ の下に 13 機能)、料金、よくある質問、ガイド記事(/blog/記事名/)、テーマごとの記事一覧(6 テーマ)、会社・規約 | 製品を比べている人と、情報を集めている人の両方の入口を用意する |
| 記事のつなぎ方 | テーマごとの記事一覧(トピックページ)に解説文を付け、パンくずと記事の下から一覧を経由させる | テーマの中心から各記事へ、各記事から中心へ行き来できるようにする |
| 記事の URL | カテゴリーを入れない /blog/記事名/ | テーマの分類を組み替えても URL を変えずに済む |
| 言語 | 日本語はルート /、英語は /en/ | 言語ごとにディレクトリを分ける |
| 記事がまだ無い一覧 | noindex にしてサイトマップから外す。範囲外のページ番号は 404 | 中身の無いページを検索結果に出さない |
日本語版の置き場所は一度変えています。当初は日本語版を /ja/ の下に置き、トップ / から /ja/ へ転送していましたが、検索エンジンに登録される前の 2026年10月11日に、日本語版をトップ / に置く構成へ変えました。/ja/ で始まる URL は対応するページへ 1 対 1 で 301 転送し、記事内のリンクも新しい URL に直しています。URL を変えるなら、検索に登録される前が最も影響が少ない時期です。
リニューアルのとき:URLの対応表とリダイレクト
既存のサイトを作り直すときのサイト設計では、新しい構成を決めるのと同時に、今の URL をどう引き継ぐかを決めます。Google は URL の変更を伴うサイト移転の手順として、最初に「現在の URL から対応する新しい形式への URL マッピングを準備します」と挙げています(サイトを移転する方法、2026年10月13日確認)。
- 今のサイトの URL をすべて書き出す(サイトマップ、Search Console、アクセス解析の一覧から集める)
- 各 URL に、新しいサイトでの移り先を 1 対 1 で書く。移り先が無いページは、統合先か削除かを決める
- 古い URL から新しい URL へ、サーバー側の恒久的なリダイレクト(301)を設定する
- Google は対応表を作った後に「新しいサイトの内部リンクを、元の URL から新しい URL に変更します」としている。本文やメニューのリンクも新しい URL に書き換える
- 新しい URL のサイトマップを用意し、公開後に Search Console で確かめる
リニューアルの全体の手順と、公開後の確かめ方は「サイトリニューアルのSEO」で詳しく説明しています。
公開前に確かめる技術項目
設計どおりに作れているかは、公開前に機械で点検します。当サイトでは、公開しているページを自動で巡回し、次の項目を点検するスクリプトを使っています。新しいサイトでも、公開前の確認の一覧としてそのまま使えます。
| 分類 | 点検する項目 | 見つかったときの対応 |
|---|---|---|
| 検索エンジンに届くか | ステータスコード、サイトマップに載っているのに noindex のページ、canonical が自分の URL と違うページ、robots.txt の内容 | 制作中の noindex や robots.txt のブロックが残っていないかを最初に確かめる |
| ページの中身 | h1 の数、見出しの階層の飛び、タイトルの長さ、メタ ディスクリプションの有無と長さ、タイトルと説明文の重複、代替テキストの無い画像、og:image、本文の文字数 | ページの種類ごとのテンプレートで直す |
| サイト全体 | 内部リンクのリンク切れ、内部リンクの転送、どこからもリンクされていないページ、言語版の対応(hreflang) | サイトマップ(ページ一覧の図)と比べて、つながりが足りないページを直す |
2026年10月13日の実行では、点検した 222 ページで、ステータスコードの異常・内部リンクのリンク切れ・h1 の数・タイトルの重複・代替テキストの無い画像・どこからもリンクされていないページは、いずれも 0 件でした。指摘があった項目(日英の対応が無い記事など)は、サイトの方針どおりかを 1 件ずつ判断しています。サイト設計と関わる記事・サイト改善の記事は「記事・サイト改善の記事一覧」にまとめています。
よくある質問
サイト設計とサイト構造の違いは何ですか?
サイト構造は、ページの分類とリンクのつながりという「結果」です。サイト設計は、目的と読者を決め、ページ構成・URL・画面の要素を決めていく「作業全体」で、サイト構造を決めることもその一部です。
サイト設計は誰が担当しますか?
決まった職種はありません。目的と読者は事業の担当者、ページ構成とキーワードはマーケティングや SEO の担当者、URL と技術の確認は開発の担当者、画面はデザインの担当者が受け持つことが多く、全体をまとめる人を 1 人決めておくと進めやすくなります。
リニューアルでURLを変えてもよいですか?
変えられますが、古い URL から新しい URL への 301 リダイレクトと、内部リンク・サイトマップの更新が必要です。Google が新しい URL を処理し直すまで時間がかかるため、変える理由がはっきりしている場合に限ります。
サイト設計書には何を書きますか?
目的と指標、読者と段階ごとの疑問、キーワードマップ、サイトマップ(ページ一覧の図)、URL のルールと一覧、ページの種類ごとのワイヤーフレーム、公開前の点検項目を書きます。決めた理由も残しておくと、後から変えるときの判断に使えます。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT では、サイト設計のうち、テーマの決め方と記事のまとまりの整理、記事どうしのつなぎ方を支援します。
- 戦略・キーワード調査:登録したサイトの方針とデータから、テーマの候補と、新しく書くか既存のページを育てるかの選択肢を示します
- トピッククラスター:中心になる記事と詳しい記事のまとまりを理由付きで示し、同じ用事に答える記事は「統合を検討する組」として示します
- 内部リンクの提案・挿入:記事ごとのリンクの出入りを確かめ、リンクを置く場所と理由を示します
できないこと:サイト全体のデザインやサーバーを自動で作ること、URL やリダイレクトの設定を変えることはできません。ワイヤーフレームの作成も対象外です。



