この記事の要点:
- 読みやすい文章とは、読み手が一度読んだだけで意味を取れる文章です。一文を短くする、主語と述語を近づける、語尾と表記をそろえる、三つ以上の項目は箇条書きにする、が基本の直し方です。
- 文化庁の「公用文作成の考え方」(令和 4 年、文化審議会の建議)は、一文の長さについて「50~60 字ほどになってきたら読みにくくなっていないか意識するとよい」としています。長さは決まりではなく、見直しの目安です。
- Google の SEO スターター ガイドは、文章が読みやすく整理されていることを、役に立つコンテンツの条件の一つに挙げています。読みやすさの点数そのものが順位を決めるという説明はありません。
- 当サイト(seoagent.jp)の全 145 記事の段落を機械で数えると、一文の平均は約 45 字、61 字以上の文は約 2 割でした。数え方と、機械では分からない点もあわせて示します。
読みやすい文章とは:一度で意味が取れる文章
読みやすい文章とは、読み手が読み返さずに、書き手の伝えたいことを一度で受け取れる文章です。文の構造が単純で、言葉の意味が読み手に通じ、どこに何が書いてあるかが見出しや段落で分かる状態を指します。
読みやすさは、書き手の文章の才能よりも、直し方の決まりで大きく変わります。文化庁が公開している「公用文作成の考え方」(令和 4 年 1 月 7 日、文化審議会の建議)は、政府の文書のための手引ですが、文の書き方・用語・構成の考え方は、企業の記事やお知らせにもそのまま使えます。この記事では、この建議と、Web の読みやすさに関わる国際的な指針である WCAG 2.2(ウェブアクセシビリティの指針)、Google の公式の説明をもとに、Web の記事で使える直し方をまとめます。
| 読みにくさの原因 | 起きること | 直し方の節 |
|---|---|---|
| 一文が長い | 主語と述語の関係が乱れ、読み返しが必要になる | 一文を短くする |
| 語順が不自然 | 何がどうしたのかが最後まで分からない | 主語と述語を近づける |
| 語尾・表記がばらばら | 同じものを指しているのか迷う | 語尾と表記をそろえる |
| 専門用語の説明が無い | 知らない読み手がそこで止まる | 漢字・かな・専門用語 |
| 情報が段落に詰め込まれている | 必要な部分を探せない | 箇条書き・表・見出し |
この記事は、文と段落の直し方に絞ります。
一文を短くする:50〜60字で見直す
一文を短くすると、主語と述語の関係が崩れにくくなり、読み手が一度で意味を取れるようになります。文化庁の「公用文作成の考え方」の解説は、一文が長くなると「前の語句と後の語句との係り受けや主語と述語の関係が乱れるなど、読みにくくなりがち」だと説明しています。
同じ解説は、文の長さについて「適当な長さは一概に決められないが、50~60 字ほどになってきたら読みにくくなっていないか意識するとよい」とし、SNS を使った広報などでは、より短くすべきだという指摘もあると書いています(2026 年 10 月 13 日確認)。何字以内でなければならない、という決まりではありません。
長い文は、次の方法で区切ります。
- 句点(。)で区切り、二つの文にします。
- 「〜ので」「〜が」でつないだ部分を、接続詞(そのため、ただし)で始まる別の文にします。
- 長い修飾語・修飾節を、別の文に移します。
- 一つの文で扱う論点を一つにします(建議の「一文の論点は、一つにする」)。
| 直す前(説明用の例文) | 直した後 | 使った方法 |
|---|---|---|
| 当社のサービスは、記事の作成から公開前の確認までを一つの画面で行えるため、担当者が少ない企業でも続けやすく、導入した企業からも好評をいただいています。 | 当社のサービスでは、記事の作成から公開前の確認までを一つの画面で行えます。担当者が少ない企業でも続けやすくなります。 | 文を区切る。根拠の示せない「好評」は消す |
| この設定は、ページの表示速度が遅くなる原因になることがあるので、使っていない場合は、管理画面から無効にしておくことをおすすめしますが、無効にする前にはバックアップを取ってください。 | この設定は、表示速度が遅くなる原因になることがあります。使っていない場合は、管理画面から無効にします。無効にする前に、バックアップを取ってください。 | 論点ごとに文を分ける |
上の表の例文は、直し方を説明するために作ったもので、実際の事例ではありません。
主語と述語を近づけ、語順を整える
主語と述語を近づけ、「いつ・どこで・誰が・何を・どうした」の順に並べると、文の意味が早く確定し、読みやすくなります。文化庁の「公用文作成の考え方」は、文の書き方の留意点として「基本的な語順(『いつ』『どこで』『誰が』『何を』『どうした』)を踏まえて書く」「主語と述語の関係が分かるようにする」を挙げています。
結論を先に書く順番は、文の中だけでなく記事全体にも当てはまります。読み手が何を知りたくて読んでいるかの考え方は「検索意図とは」で説明しています。同じ建議は、次の点も挙げています。いずれも、文の構造を単純にして、読み手が係り受けを迷わないようにするための決まりです。
- 係る語とそれを受ける語、指示語と指示される語は近くに置く
- 複数の修飾節が述部に掛かるときには、長いものから示すか、できれば文を分ける
- 言葉の係り方によって複数の意味に取れることがないようにする
- 読点の付け方によって意味が変わる場合があることに注意する
- 受身形をむやみに使わない。二重否定はどうしても必要なとき以外には使わない
| 直す前(説明用の例文) | 直した後 | 直した点 |
|---|---|---|
| 担当者が先月公開した記事のうち、検索からの訪問が少ないものを来週までに見直す予定です。 | 来週までに、先月公開した記事のうち検索からの訪問が少ないものを、担当者が見直します。 | 「いつ」を前に出し、主語「担当者が」を述語「見直します」の近くに置いた |
| 設定を変更しないわけではありません。 | 設定を変更することもあります。 | 二重否定をやめた |
| 記事は編集者によって確認されます。 | 編集者が記事を確認します。 | 受身形を能動の形にした |
例文は説明用に作ったものです。語順は絶対の決まりではなく、建議も「文を理解する上での条件となるような内容や強調したい要素を文の最初に置く方が効果的な場合もある」と書いています。
語尾と表記をそろえる
語尾と表記を一つの記事の中でそろえると、読み手は内容に集中でき、同じものを指しているのかどうかで迷わなくなります。文化庁の「公用文作成の考え方」は、「一つの文・文書内では、常体と敬体のどちらかで統一する」としています。Web の記事では、「です・ます」(敬体)に統一するのが一般的です。
そろえる対象は語尾だけではありません。次の表のような項目を、記事ごとではなくサイト全体の決まり(表記の基準)として書き出しておくと、書き手が複数いてもそろいます。
| そろえる項目 | 決め方の例 | そろわないと起きること |
|---|---|---|
| 文末 | 「です・ます」に統一。箇条書きは体言止めでもよい、など範囲を決める | 記事の途中で調子が変わる |
| 製品名・サービス名 | 公式の表記(大文字・小文字・空白)に合わせる | 同じものか別のものか迷う |
| 数字 | 算用数字を基本にする。桁の区切りの読点を使う | 数字の読み違い |
| 同じ意味の言葉 | 「ユーザー」「利用者」など、どちらか一つに決める | 別の人を指していると誤解される |
| 句読点 | 「、」「。」に統一する | 見た目の不統一 |
同じ語尾が何文も続く場合は、文の順番を入れ替えるか、表や箇条書きにまとめます。語尾を変えるために、意味の違う言い方(「〜と言えるでしょう」など)を足すと、かえって言い切れていない文が増えます。
漢字・かな・専門用語の使い分け
漢字とかなの使い分けを決め、専門用語は最初に出てきたところで説明すると、知識の少ない読み手でも読み進められます。文化庁の「公用文作成の考え方」は、分かりやすく書くための条件として「専門用語や外来語をむやみに用いないようにし、読み手に通じる言葉を選ぶ」を挙げています。
同じ建議の解説は、専門用語の扱いを、言い換える・説明を添えて使う・普及を図る、といった形で、語の性質と使う場面に応じて工夫するよう勧めています。また、言葉自体は知られていても意味が知られていない専門用語や、日常語と同じ形で意味の違う専門用語には、必ず専門用語としての意味を添えるよう書いています。
| 言葉の種類 | どうする | 例(説明用) |
|---|---|---|
| 日常語に言い換えられる専門用語 | 言い換える | 「流入」→「検索からの訪問」 |
| 言い換えると意味がずれる専門用語 | 使ったうえで、初出に一言の説明を添える | 「LCP(ページの最も大きな要素が表示されるまでの時間)」 |
| 略語 | 初出で正式な名前を示す | 「CTR(クリック率)」 |
| 読み手が知っている前提の言葉 | 説明を省いてよいが、想定する読み手を決めておく | 社内向けの資料で使う部署名 |
W3C のウェブアクセシビリティの指針 WCAG 2.2 も、ガイドライン 3.1「判読可能」で「テキストコンテンツの読み取り及び理解を可能にする」ことを求めています。その中の達成基準 3.1.3「一般的ではない用語」(レベル AAA)は、慣用句や業界用語を含め、一般的ではない語の明確な定義を特定できる仕組みを、3.1.4「略語」(レベル AAA)は、略語の元の語か意味を特定できる仕組みを求めています(ウェブアクセシビリティ基盤委員会の日本語訳で確認)。記事の中で用語を説明するか、用語集へのリンクを置くことが、その一つの方法になります。
当サイトでは、専門用語を使うときは節の中で一言説明し、詳しい説明は用語の記事へリンクする書き方にしています。リンクの文言の付け方は「アンカーテキストとは」で説明しています。
箇条書き・表・見出しで構造を見せる
三つ以上の項目は箇条書きに、比べる情報は表に、話題の切れ目には見出しを置くと、読み手は必要なところを探して読めるようになります。文化庁の「公用文作成の考え方」は、文の書き方の留意点として「三つ以上の情報を並べるときには、箇条書を利用する」を挙げ、文書の構成では「結論は早めに示し、続けて理由や詳細を説明する」としています。
見出しについても、同じ建議は「見出しを追えば全体の内容がつかめるようにする」「標題と見出しを呼応させる」を挙げています。Web の記事では、見出しだけを読んで必要な節に飛ぶ読み手が多いため、この決まりがそのまま当てはまります。
| 情報の形 | 向いている書き方 | 注意すること |
|---|---|---|
| 同じ種類の項目が三つ以上 | 箇条書き | 項目の文末の形をそろえる |
| 順番に行う作業 | 番号付きの箇条書き | 1 項目に 1 つの作業 |
| 複数の観点で比べる情報 | 表 | 列の見出しで何を比べているかを示す |
| 話題が変わるところ | 見出し | 見出しだけで内容が分かる言葉にする |
| 理由や経緯 | 短い段落の文章 | 1 段落に 1 つの話題 |
Google の「SEO スターター ガイド」も、コンテンツの条件の一つとして「文章が読みやすく、よく整理されている」を挙げ、「長い文章は段落や章などに分け、全体を見通せるように見出しを付けてください」と書いています(最終更新日 2025 年 12 月 18 日、2026 年 10 月 13 日確認)。
書いた後に確かめる方法と、当サイトの記事の計測結果
書いた後は、一文の長さや読点の数を機械で数えて長い文を見つけ、そのうえで人が声に出すつもりで読み直すと、読みにくい箇所を効率よく直せます。機械で数えられるのは目安で、意味が通じるかどうかは人が確かめます。
- 本文を句点(。)で区切り、一文の文字数を数えます。60 字前後を超える文に印を付けます。
- 一文の中の読点(、)の数を数えます。読点が多い文は、論点が二つ以上入っていることがあります。
- 印を付けた文を、文を区切る・修飾節を別の文に移す、の順で直します。
- 専門用語と略語を拾い出し、初出に説明があるかを確かめます。
- 見出しだけを順に読み、記事の流れが分かるかを確かめます。
- 最後に、想定する読み手に近い人に読んでもらい、止まったところを聞きます。
当サイトの全記事で数えた結果
当サイト(seoagent.jp)で 2026 年 10 月 13 日に公開している日本語の 145 記事について、本文の段落(p 要素)の文を句点で区切って数えた結果は次のとおりです。箇条書き・表・見出しの中の文は含めていません。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 数えた文の数 | 10,257 文 |
| 一文の文字数の平均・中央値 | 約 45 字・42 字 |
| 51 字以上の文 | 3,436 文(約 33%) |
| 61 字以上の文 | 2,014 文(約 20%) |
| 81 字以上の文 | 626 文(約 6%) |
| 一文の読点の数の平均 | 約 1.3 個 |
| 段落の文字数の平均・中央値 | 約 101 字・97 字(4,604 段落) |
平均は建議の目安(50〜60 字)より短い一方、61 字以上の文が約 2 割ありました。61 字以上の 2,014 文のうち 1,161 文(約 58%)は、括弧(「」や())で資料の名前・用語の説明・英語の原語などを添えた文か、確認日などの日付を含む文でした。出典の名前のように削れない語を含む文は長くなりやすいため、長さだけで機械的に直すのではなく、論点が二つ以上入っていないかを見て判断しています。
機械で数えることの限界
文字数・読点の数・漢字の割合は、読みにくい文を見つける手掛かりにはなりますが、読みやすさそのものではありません。短い文でも主語が抜けていれば意味が取れず、長い文でも構造が単純なら読めます。WCAG 2.2 の達成基準 3.1.5「読解レベル」(レベル AAA)は、前期中等教育レベルを超えた読解力を必要とするテキストには、補足のコンテンツか、より平易な版を用意することを求めていますが、日本語の文章の読解レベルを測る方法までは定めていません。
読みやすさとSEO・AI検索の関係
読みやすさは、Google が役に立つコンテンツの特徴として挙げている点の一つで、読み手が内容を理解できることを通じて検索での評価に関わります。この記事で確かめた Google の公式の資料には、読みやすさの点数や一文の文字数そのものが順位を決める、という説明はありません。
Google 検索セントラルの「有用で信頼性が高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」は、自己評価の質問として「コンテンツに誤字やスタイルに関する問題はありませんか」「雑に、または急いで制作されたような印象を与えるものではありませんか」を挙げています(最終更新日 2026 年 10 月 7 日、2026 年 10 月 13 日確認)。読みやすく整えることは、この問いに答える作業でもあります。
AI による概要や AI モードとの関係では、Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」が、AI 機能のための特別な最適化は必要なく、通常の SEO の基本が引き続き有効だと説明しています。同じページは、AI 機能が「クエリ ファンアウト」という手法で、質問を関連する複数のサブトピックに分けて検索する場合があるとも書いています。節の最初の文で見出しの問いに答え、その節だけで意味が通じるように書いておくと、読み手にとっても、節ごとに参照される場合にも内容が伝わりやすくなります。
| よくある誤解 | 実際(公式の説明) |
|---|---|
| 一文は 40 字以内にしないと順位が下がる | 文の長さで順位が決まるという Google の説明は無い。建議の 50〜60 字も見直しの目安 |
| 読みやすさのツールの点数を上げれば評価される | Google は読み手に役立つかを問うている。点数は直す箇所を見つける手掛かり |
| 文字数を増やすほど評価される | Google は特定の文字数を求めていない。同じことの言い直しは読みにくさにつながる |
よくある質問
一文は何文字までが目安ですか?
決まった上限はありません。文化庁の「公用文作成の考え方」は、適当な長さは一概に決められないとしたうえで、50〜60 字ほどになってきたら読みにくくなっていないか意識するとよいと書いています。長さよりも、一つの文に論点が一つかどうかで判断します。
読みやすさはSEOに影響しますか?
Google の SEO スターター ガイドは、文章が読みやすく、よく整理されていることを、役に立つコンテンツの条件の一つに挙げています。ただし、読みやすさの点数や文の長さが直接順位を決めるという説明はありません。読み手が理解できる記事にすることが目的です。
「わかりやすい文章」との違いは何ですか?
読みやすさは、文の長さ・語順・表記など、読む作業の負担の少なさを指すことが多い言葉です。わかりやすさは、伝える内容を絞る、結論を先に書く、専門用語を説明するなど、内容が理解できるかまで含みます。実際の直し方は重なっています。
読みやすさを測るツールはありますか?
一文の文字数や読点の数は、表計算ソフトや短いプログラムで数えられます。日本語の文章の読みやすさを判定するツールもありますが、機械の結果は目安です。意味が通じるかは、人が読み直して確かめます。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT は、自社サイトで記事を作る企業向けの記事制作の支援ツールです。自社らしい文体、避けたい表現、サンプルの文章を登録しておくと、記事を増やすときも言葉づかいをそろえられます。公開前の確認では、記事で答えるはずだった問いを本文のどこで扱っているか、根拠の無い言い切りや数字が無いかなど、確認が必要な点を示します。
読みやすさの最終的な判断は、SEOAGENT では行いません。確認の結果を参考に、自社の担当者が読み直して公開してください。検索順位を保証するものではありません。
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