この記事の要点:
- プレスリリースを配信しても、配信サイトに載るリンクで検索順位を上げることは期待しません。Google のスパムに関するポリシーは、他のサイトで配布されるプレスリリース内の作為的なアンカーテキストのリンクを、リンクスパムの例に挙げています。
- 配信サイトのリンクに rel=”nofollow” や rel=”sponsored” が付いているかは、ブラウザの開発者ツールで確かめられます。広告や有料のリンクにこれらの属性があれば、Google のポリシー違反にはなりません。
- SEO の面で期待できるのは、会社名や商品名での検索(指名検索)が増えること、記者や書き手が記事にして自然にリンクや言及が生まれること、発表の内容が検索で見つかることです。
- 発表の全文は自社サイトの発表ページにも置き、配信文はその要約にします。効果は Search Console のブランド クエリのフィルタと、GA4 の参照元で確かめます。
プレスリリースとSEO:被リンクとしての効果は期待しない
プレスリリースの配信は、被リンクを増やして検索順位を上げる手段にはなりません。配信サイトや転載先のリンクには、ランキングに使われない属性(nofollow・sponsored)が付いていることがあり、属性が無くても、順位を上げる目的のリンクは Google がリンクスパムとして扱う可能性があるためです。プレスリリースは、報道機関や読者に新しい事実を伝えるための発表です。SEO の面では、その発表をきっかけに生まれる検索や記事が成果になります。
上位の解説記事にも「SEO 効果は無い」と書くものがありますが、理由が書かれていないことが多くあります。この記事では、Google のスパムに関するポリシーとリンクの属性の説明を原文で確かめ(2026-10-13)、何が問題になり、何なら期待できるかを分けて説明します。
| よくある誤解 | 実際(Google の説明・当サイトの確認) |
|---|---|
| 配信すると、配信先の数だけ被リンクが増えて順位が上がる | 配信文の中の作為的なアンカーテキストのリンクは、リンクスパムの例としてポリシーに挙がっています。順位を上げる目的のリンクは避けます |
| リンクに nofollow が付いていると配信の意味が無い | 配信の目的は発表を届けることです。記事化・指名検索・問い合わせは属性と関係なく生まれます |
| 同じ文章を自社サイトに載せると重複でペナルティになる | 同じ内容が複数の URL にあると、Google はその中から検索に表示する URL を選びます(正規化)。スパムのポリシーが問題にする転載は、他のサイトのコンテンツを価値を加えずに載せる行為です。自社の発表ページを全文の正本にして、配信文と役割を分けます |
Googleのリンクスパムの記述と、プレスリリースの扱い
Google のスパムに関するポリシーは、リンクスパムを「検索ランキングを操作することを主な目的として、サイトへのリンクやサイトからのリンクを作成する行為」と定義しています。その例の一つとして、日本語版は次の項目を挙げています(2026-10-13 確認、最終更新日 2026-09-02)。
「ランキング クレジットを転送するリンク、または他のサイトで配布されている記事、ゲスト投稿、プレスリリース内の作為的なアンカー テキスト リンクを含む記事に対して支払いが行われる記事広告やネイティブ広告。」
ここで問題にされているのは、プレスリリースを出すことではなく、順位を上げる目的で、狙った検索語をアンカーテキスト(リンクの文字)にしたリンクを配信文に入れることです。たとえば「東京 税理士 おすすめ」のような語をリンクの文字にして自社サイトへ向けるリンクが、これにあたります(例:説明のための架空の語句です)。
同じポリシーは、広告目的のリンクの売買について「こうしたリンクは、rel=”nofollow” 属性や rel=”sponsored” 属性を <a> タグに設定している限り、Google ポリシーに対する違反にはなりません」とも書いています。配信は有料のサービスが多いため、配信文のリンクは、ランキングに使わせない属性が付く前提で考えるのが安全です。アンカーテキストの書き方の基本は「アンカーテキストとは」で説明しています。
| 配信文のリンクの状態 | どうするか | 理由 |
|---|---|---|
| 会社名や発表ページの題名がリンクの文字になっている | そのままでよい | 読者が行き先を判断できる自然なリンクです |
| 狙った検索語がリンクの文字になっている | 会社名・題名・URL に書き換える | 作為的なアンカーテキストの例にあたるおそれがあります |
| 1 本の配信文に自社へのリンクが多数ある | 発表ページと問い合わせ先など、読者に必要なものだけにする | 読者のためのリンクかどうかが分かりにくくなります |
| リンクに nofollow・sponsored が付いている | 何もしなくてよい | Google が広告や有料のリンクに推奨している形です |
ポリシーに違反するとどうなるかは、ブラックハットSEOとはで、Google の自動の検出と手動による対策に分けて説明しています。
配信サイトのリンクの属性の確かめ方
配信サイトに載ったリンクの属性は、公開されたページの HTML を見れば自分で確かめられます。rel 属性は、リンクとリンク先の関係を Google に伝えるための値で、Google は「広告や有料プレースメントのリンク(一般に「有料リンク」と呼ばれます)を sponsored でマークアップします」と説明しています。nofollow は以前に推奨されていた属性で今も使えますが、現在は sponsored が推奨されています(「Google にアウトバウンド リンクの関係性を伝える」、2026-10-13 確認)。
- 配信サイトに公開された自社のリリースのページを、パソコンのブラウザで開きます。
- 自社サイトへのリンクの上で右クリックし、「検証」(Chrome の場合)を選びます。
- 開いた画面で、選ばれている <a> タグの rel 属性を見ます。rel=”nofollow”、rel=”sponsored”、rel=”ugc” のいずれかがあるか、または rel が無いかを記録します。
- 転載先のニュースサイトがあれば、同じ手順で確かめます。サイトごとに付け方が違うことがあります。
- 確かめた日付と結果を、配信の記録(配信日・配信先・URL)と同じ表に残します。
属性は配信サイトの側で決まり、配信する側からは変えられないことがあります。変えられないこと自体は問題ではありません。属性ごとの意味と自社サイトでの使い分けは「外部リンクとは」で説明しています。
当サイト(seoagent.jp)の被リンクに見る配信・ニュース由来のリンク
当サイトの被リンクに、プレスリリースの配信サイトや国内のニュースサイトからのリンクは、2026-10-13 時点で見当たりませんでした。Ahrefs の参照ドメインのうち、ドメイン名に press・news・release・prtimes・wire・yahoo・impress・itmedia を含むものを、過去に失われたリンクも含めて抽出すると 10 件ありましたが、名前を目で確かめると、すべて自動生成と見られるサイトでした(例:「…express.shop」のような名前のドメイン)。
同じ日の Ahrefs の集計では、現在リンクのある参照ドメインは 409 件で、そのうち nofollow などの属性が付いていないリンクを 1 本以上持つドメインは 82 件でした。当サイトの被リンクの大半が自動生成のスパムで、否認はしないと判断した経緯は「SEOの外部対策とは」で説明しています。数字は Ahrefs の推定で、Google が使っているリンクの数とは一致しません。
もう一つの記録として、当サイトの記事の外部リンクを 2026-10-13 に点検したところ、326 URL のうち名前解決できない 1 件が、2010 年の Yahoo! JAPAN のプレスリリースでした。配信先や発表元のページは、年月がたつと公開が終わることがあります。発表の正本を自社サイトに置く理由の一つです。
SEOで期待できること:指名検索・記事化・サイテーション
プレスリリースで SEO の面から期待できるのは、リンクそのものより、発表を知った人の行動です。発表を見た人が会社名や商品名で検索すれば指名検索が増え、記者や書き手が独自に記事にすれば、その記事から自然なリンクや言及が生まれます。配信を含め、オンラインで取り上げられるための広報全体は「デジタルPRとは」で説明しています。
| 期待できること | 起きる流れ | 確かめる場所 |
|---|---|---|
| 指名検索の増加 | 発表を見た人が会社名・商品名で検索する | Search Console のブランド クエリのフィルタ |
| 記事化による自然なリンク | 記者や業界のサイトが独自の記事を書き、出典としてリンクする | Search Console のリンクレポート、被リンクのツール |
| サイテーション(言及) | リンクが無くても、会社名や商品名が文章で紹介される | 会社名での検索、AI の回答での説明のされ方 |
| 発表内容の検索での発見 | 発表に固有の語(新商品名・調査名)で検索される | Search Console の検索クエリ |
リンクの無い言及が検索や AI の回答でどう扱われるかは、Google が具体的な仕組みを公表しておらず、確認できません。AI の回答は複数のページの記述をもとに作られるため、発表の事実(日付・数字・名称)を正確に、同じ書き方でそろえておくことは、取り違えを防ぐ意味があります。言及の考え方は「サイテーションとは」で説明しています。
記事広告として媒体に費用を払って記事を書いてもらう場合は、別の注意が要ります。消費者庁は「広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことがいわゆる「ステルスマーケティング」です」と説明し、令和 5 年 10 月 1 日から景品表示法違反としています。規制の対象は広告主の事業者です。有料の記事は広告と分かる表示を付け、リンクには sponsored を付けてもらいます。
検索で見つかるリリースの書き方
検索で見つかるリリースにするには、発表に固有の名前と事実を、題名と冒頭の段落にそろえて書きます。読者は新商品名や調査の名前で検索することが多く、配信サイトや転載先の題名・最初の段落が検索結果やニュースの一覧に表示されやすいためです。
- 題名:会社名・発表の対象(商品名・調査名)・何が新しいかを入れる。誇張の言葉で飾らない
- 冒頭の段落:いつ・誰が・何を・なぜを 2〜3 文で書く。日付は年から書く
- 固有の名前:商品名・サービス名の表記(全角・半角、英字の大小)を自社サイトと同じにする
- 数字:調査の数字には、調査の時期・方法・対象を添える
- リンク:会社名や発表ページの題名をリンクの文字にし、自社の発表ページへ 1 本向ける
- 問い合わせ先:報道関係の窓口を明記し、記者が確認できるようにする
題名の付け方の考え方は、記事の題名と同じです。詳しくは「タイトルタグとは」で説明しています。
自社サイトの発表ページとの書き分け
発表の全文は自社サイトの発表ページ(ニュース・お知らせ)に置き、配信文はその要約と発表ページへの案内にします。配信サイトのページは配信サイトが管理するため、自社から canonical(正規の URL を示す指定)を付けたり、公開を続けてもらったりできるとは限りません。正本を自社サイトに置けば、内容の更新・訂正と、長く参照できる URL を自社で管理できます。
| 置くもの | 自社の発表ページ | 配信文 |
|---|---|---|
| 本文 | 全文(背景・詳細・図表・よくある質問) | 要点と事実(数段落) |
| 日付 | 発表日と、訂正したときは更新日と訂正内容 | 配信日 |
| リンク | 関連する商品ページ・過去の発表へ内部リンク | 自社の発表ページへ 1 本 |
| 画像・資料 | 画像の代替テキスト、資料のダウンロード | 配信サイトの仕様の範囲で |
| 構造化データ | 記事として BlogPosting や NewsArticle を使える | 配信サイトに任せる |
同じ文章が複数の URL にある場合、Google はその中から検索に表示する URL を選びます。スパムに関するポリシーが「スクレイピング」として問題にするのは、他のサイトのコンテンツを、元のソースを引用もせず、独自のコンテンツや価値を加えずに転載する行為で、自社が自社の発表を配信することとは違います。それでも、自社の発表ページが選ばれやすく、読む価値のあるページにするため、配信文をそのまま貼るのではなく、背景や詳細を足します。
効果の確かめ方:指名検索と参照元
プレスリリースの効果は、配信の前後で、指名検索・参照元・記事化の数を比べて確かめます。被リンクの本数だけで判断すると、配信サイトのリンクの数を数えるだけになり、発表が読者に届いたかが分かりません。
- 指名検索:Search Console の検索パフォーマンスで、ブランド クエリのフィルタを使い、配信の前後の表示回数とクリック数を比べます。Google はブランド クエリを「ブランド名(Google など)、ブランド名のバリエーションやスペルミス(Gogle など)、ブランド関連の商品やサービス(Gmail など)を含むクエリ」と説明しています。このフィルタはトップレベルのプロパティで、十分な量のクエリと表示回数があるサイトでだけ使えます。
- 参照元:GA4 のトラフィック獲得で、配信サイトや転載先のドメインからの訪問を見ます。リンクの属性が nofollow でも、人がクリックした訪問は記録されます。
- 記事化:配信から数週間、会社名・商品名で検索し、独自に書かれた記事と、その記事のリンクの有無を記録します。
- 問い合わせ:発表ページからの問い合わせや資料請求を、GA4 のキーイベントで数えます。
当サイトは、2025-06-16〜2026-10-06 の Search Console の表示回数が 10 回で、指名と非指名を分けて比べられるだけの量がまだありません。量が少ないうちは、比べた結果を判断に使わず、記録だけを続けます。
よくある質問
プレスリリースを配信すると被リンクになりますか?
配信サイトや転載先に自社へのリンクが載ることはありますが、nofollow などの属性が付いていることがあり、順位を上げる目的のリンクなら Google がリンクスパムとして扱う可能性があります。順位を上げる被リンクとしては期待せず、記事化による自然なリンクを成果と考えます。
リリースの文中のリンクに nofollow は必要ですか?
配信が有料のサービスで、リンクが広告にあたる場合は、Google は sponsored(または nofollow)を付けることを推奨しています。付けるかどうかは配信サイトによって違い、配信する側からは変えられないことがあります。自社では、狙った検索語をリンクの文字にしないことに注意します。
同じ文章を自社サイトに載せると重複になりますか?
同じ内容が複数の URL にあると、Google はその中から検索に表示する URL を選びます。自社の発表を自社サイトと配信サイトに載せることは、スパムのポリシーが問題にする無断の転載とは違います。自社の発表ページを全文の正本にし、背景や詳細、関連ページへのリンクを足して、配信文とは役割を分けます。
効果はどの数字で見ればよいですか?
配信の前後で、Search Console のブランド クエリの表示回数とクリック数、GA4 の配信サイトからの訪問、独自に書かれた記事の数、発表ページからの問い合わせを比べます。被リンクの本数だけで判断しません。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT では、被リンクのデータを Ahrefs から書き出した CSV で取り込み、リンク元のドメインやアンカーテキスト、nofollow・dofollow で絞り込んで確認できます。発表後に増えたリンクが記事化によるものか、自動生成のサイトからのものかを見分ける作業に使えます。公開後の Search Console と GA4 の数字は、記事ごとに確認できます。
プレスリリースの配信や、相手への連絡、リンクの獲得を自動で行う機能はありません。検索順位を保証するものでもありません。
被リンクや基礎知識に関するほかの記事は「AIO・LLMOの基礎の記事一覧」にまとめています。



