この記事の要点:
- コーポレートサイトのSEOは、まず会社名で検索した人に公式サイトを正しく見つけてもらうことから始めます。集客の記事は、その土台ができてから足します。
- 会社名で正しく出すための設定は、トップページの WebSite 構造化データ(サイト名)と、トップページか会社概要ページの Organization 構造化データ(名前・ロゴ・所在地・連絡先)です。Google は Organization に必須のプロパティは無く、関係するものをできるだけ多く入れるよう勧めています。
- 会社概要・事業紹介・採用・ニュースは、それぞれ狙う検索が違います。ページの種類ごとに、答える問いと置く情報を決めます。
- 技術面は、ステータス・canonical・h1・title の重複・孤立ページ・説明文の有無を自動の点検で確かめます。当サイトの点検(2026-10-13、242 ページ)の結果を例に、見つけ方と直す順を示します。
コーポレートサイトにSEOは必要か
コーポレートサイトにもSEOは必要です。理由は、取引先・応募者・記者・投資家の多くが、まず会社名で検索して公式サイトを確かめるためです。会社名で検索して公式サイトが見つからない、または古い情報や別の会社が出ると、その時点で信頼を失います。SEO の最初の目的は、順位を上げることより、自社に関する検索で正しい情報を出すことです。
そのうえで、製品やサービスを探す人を集めたい場合は、事業の課題に答える解説ページや記事を足します。コーポレートサイトのSEOは、次の 2 つに分けると進めやすくなります。
| 目的 | 主な検索 | 主なページ | 最初にすること |
|---|---|---|---|
| 会社を正しく知ってもらう | 会社名・会社名+採用・会社名+所在地 | トップ・会社概要・採用・ニュース | サイト名・構造化データ・会社概要の情報をそろえる |
| 見込み客を集める | 事業が解決する課題や製品の分類の語 | 事業紹介・解説記事・事例 | 検索語ごとに受けるページを決める |
会社名で正しく出すための設定(サイト名・Organization・ロゴ)
会社名で正しく出すには、Google が検索結果に表示するサイト名と、会社の情報を、サイトの中で一貫して示します。設定するものは、トップページの WebSite 構造化データ、Organization 構造化データ、ファビコン(サイトのアイコン)の 3 つです。
サイト名について、Google は「Google 検索の検索結果ページに表示されるサイト名は、サイトのホームページのコンテンツとウェブ上の参照元ページを考慮して、自動的に生成されます」と説明し、希望するサイト名はホームページの WebSite 構造化データで指定するとしています。自動で生成されたサイト名を手動で変えることはできませんが、代替名(alternateName)を指定できます。サイト名はドメインかサブドメインの単位で 1 つで、サブディレクトリの単位では指定できません(「Google 検索でのサイト名」、2026-10-13 確認)。
Organization 構造化データについて、Google は「ホームページに組織の構造化データを追加すると、Google は組織の管理情報の詳細を把握して、検索結果で組織を明確化できるようになります」と説明しています。必須のプロパティは無く、ホームページか、組織の説明を載せた単一のページ(例:企業情報ページ)に置くことを勧め、全ページに入れる必要は無いとしています(「組織(Organization)の構造化データ」、2026-10-13 確認、最終更新日 2026-09-12)。
| 設定 | 置く場所 | 入れる主な値 | 注意 |
|---|---|---|---|
| WebSite(サイト名) | トップページ | name、alternateName、url | title・見出し・og:site_name の名前とそろえる |
| Organization | トップページか会社概要ページ | name、url、logo、address、telephone、email、sameAs | ページに見えている内容と同じにする |
| ファビコン | サイト全体 | 正方形のアイコン | 検索結果に表示されることがある |
| 会社概要ページの本文 | 会社概要ページ | 正式名称・所在地・代表者・事業内容・連絡先 | 登記や名刺の表記と同じにする |
会社の情報が検索結果の横に出る枠(ナレッジパネル)は、構造化データだけでは表示されません。仕組みと修正の申請は「ナレッジパネルとは」で説明しています。
当サイトの構造化データの例(Organization・WebSite)
当サイト(seoagent.jp)は、WordPress と SEO プラグインの Rank Math を使い、テーマのコードで構造化データ(JSON-LD)を補っています。Organization には、サイトの運営組織として SEOAGENT の名前・URL・ロゴ(512×512 の画像)を入れ、運営会社を parentOrganization として、株式会社RILARC の名前・英語名・URL・所在地を入れています。編集方針のページは publishingPrinciples で示しています。
{
"@type": "Organization",
"@id": "https://seoagent.jp/#organization",
"name": "SEOAGENT",
"url": "https://seoagent.jp/",
"logo": { "@type": "ImageObject", "width": 512, "height": 512, "url": "…/icon-512.png" },
"parentOrganization": {
"@type": "Organization",
"name": "株式会社RILARC",
"alternateName": "RILARC Inc.",
"url": "https://rilarc.co.jp/",
"address": { "@type": "PostalAddress", "addressCountry": "JP", "addressRegion": "東京都", … }
},
"publishingPrinciples": "(編集方針のページの URL)"
}
WebSite には、サイト名の候補として alternateName に「SEO AGENT」と「seoagent.jp」を入れています。運営会社の名前の値は、Rank Math の設定(ナレッジグラフ)と同じものを使い、二重に違う値を出さないようにしています。記事の構造化データでは、著者を個人のユーザー名ではなく運営組織にしています。
2026-10-13 の自動の点検では、会社概要のページ(/about/)に AboutPage・BreadcrumbList・Organization・WebSite の 4 つの型が出ていることを確かめました。WordPress での設定の手順は「WordPressの構造化データの設定と確認」で説明しています。運営会社のサイトとサービスのサイトを分けている場合は、当サイトのように parentOrganization で関係を示し、運営会社のサイトからもサービスのサイトへリンクしておくと、両者の関係が人にも検索エンジンにも伝わります(当サイトには、運営会社のサイト rilarc.co.jp からのリンクがあります。Ahrefs、2026-10-13)。
ページの種類ごとに狙う検索と置く情報
コーポレートサイトのページは、種類ごとに答える問いが違います。1 つのページで全部に答えようとせず、ページの種類ごとに狙う検索と置く情報を決めます。
| ページ | 狙う検索(例) | 置く情報 | よくある不足 |
|---|---|---|---|
| トップ | 会社名 | 何の会社か 1 文、主な事業、各ページへの導線 | 写真とキャッチコピーだけで、何の会社か文字で書いていない |
| 会社概要 | 会社名+所在地・代表・設立 | 正式名称、所在地、代表者、設立、事業内容、連絡先 | 画像の中だけに書かれていて、文字として読めない |
| 事業・サービス紹介 | 製品の分類の語、課題の語 | 誰の何を解決するか、特徴、料金や導入の流れ、事例 | 社内の呼び名だけで、検索される一般の言葉が無い |
| 採用 | 会社名+採用・職種名+地域 | 募集職種、仕事内容、条件、選考の流れ | 募集が終わったページが残り続ける |
| ニュース・お知らせ | 会社名+発表の固有名 | 日付、発表の全文、関連ページへのリンク | PDF だけを置き、本文がページに無い |
| 解説記事 | 事業が答えられる課題の語 | 問いへの答え、手順、根拠、関連サービスへの導線 | 会社の宣伝が中心で、問いに答えていない |
採用ページに求人の構造化データ(JobPosting)を使っている場合は、募集を終えたら外します。Search Console の手動による対策の一覧には「有効期限切れの求人に JobPosting 構造化データがある」という項目があります。会社名・商品名の表記を全ページでそろえることは、検索エンジンや AI が自社を取り違えないための基本で、エンティティSEOとはで手順を説明しています。
集客のための記事・解説ページの置き方
集客のための記事は、コーポレートサイトの中のディレクトリ(例:/blog/ や /column/)に置くのが管理しやすい方法です。Google は、サブドメインかサブディレクトリかについて「ビジネスの観点からは、ビジネス上意味があればどちらでも構いません」と説明しており(SEO スターター ガイド)、どちらかが検索で有利とはしていません。決め手は、更新する体制と、計測や権限を分けたいかどうかです。
| 状況 | どうする | 理由 |
|---|---|---|
| 記事を書く人と会社サイトの管理者が同じ | コーポレートサイトの /blog/ などに置く | 同じ CMS・同じ計測で管理でき、会社名の検索から記事へもたどれる |
| 製品ごとに別のブランドで売っている | 製品ごとのサイトを分け、運営会社のサイトと相互にリンクする | 製品名の検索と会社名の検索で、読む人が違う |
| 記事が採用向けか集客向けか決まっていない | 先に目的を 1 つ決める | 目的で書く記事も測る数字も変わる |
| 更新の担当がいない | 記事を増やす前に、会社概要・事業紹介を直す | 古い記事が残ると、会社の情報の信頼を下げる |
技術面の点検項目と、当サイトの自動点検の結果
コーポレートサイトの技術面は、全ページを機械で巡回して、ステータス・canonical・h1・title と説明文・リンクのつながりを確かめると、手で見るより漏れが少なくなります。コーポレートサイトはページ数が少なくても、ニュースや採用のページが年々増え、古い一覧ページや中身の無いページが残りがちです。公開済みのページを一覧にして、残す・直す・まとめるを決める方法は「コンテンツ監査のやり方」で説明しています。
当サイトは、自動の SEO 点検(scripts/audit/seo_check.py)を 2026-10-13 に実行し、242 ページ(XML サイトマップに載っている URL は 226)を確かめました。結果は次のとおりです。
| 点検項目 | 当サイトの結果(2026-10-13) | 読み方 |
|---|---|---|
| 200 以外のステータス | 0 | リンク切れ・転送の残りが無い |
| h1 が 1 つでないページ | 0 | 見出しの構造は保たれている |
| title の重複 | 0 | ページごとに題名が違う |
| どこからもリンクされていないページ | 0 | サイトマップだけに頼るページが無い |
| canonical が出ていないページ | 16 | 英語版の分類一覧やニュースの分類一覧など。中身の少ない一覧が中心 |
| 説明文(meta description)が無いページ | 14 | 同じく分類一覧が中心 |
| 本文が 600 字未満のページ | 20 | 問い合わせ・サイトマップなど性質上短いページと、記事の少ない分類一覧 |
このように、記事や会社概要より、自動で作られる一覧ページに不備が集まるのが、CMS で作ったサイトによくある形です。直す順は、ステータス → canonical → 中身の無い一覧(noindex にするか、説明文を足すか)→ 説明文、の順にすると、影響の大きいものから片付きます。
AIの回答で自社がどう出るかを確かめる
AI の回答で自社がどう説明されるかは、実際に AI に会社名を尋ね、回答と出典を記録して確かめます。AI の検索機能は、ウェブ上のページを出典として回答を作るため、自社サイトの会社概要と、他のサイトでの紹介がそろっていないと、古い所在地や別の事業が回答に混ざることがあります。
- Google の AI モード、ChatGPT の検索、Perplexity などで「(会社名)とは」「(会社名) 事業内容」と尋ねます。
- 回答の内容(事業・所在地・設立・代表者)と、示された出典の URL を、日付とともに表に記録します。
- 誤りがあれば、出典のページを確かめます。自社サイトが古いなら自社を直し、他のサイトなら掲載元に訂正を依頼します。
- 会社名の表記ゆれ(英字・カタカナ・略称)でも尋ね、別の会社と混ざっていないかを見ます。
- 3 か月ほどの間隔で同じ質問を繰り返し、変化を記録します。
回答は尋ねるたびに変わることがあり、1 回の結果で判断しません。
進める手順と体制
コーポレートサイトのSEOは、会社の情報をそろえる作業から始め、集客の記事は最後に足します。順番を逆にすると、記事から会社のページへ来た人が、古い会社情報や中身の無いページに当たります。
- 会社名で検索する:会社名・略称・英語名で検索し、表示されるサイト名・ページ・ナレッジパネルを記録します。
- 会社の情報をそろえる:会社概要の本文、構造化データ、フッター、採用ページの所在地や名称の表記を一致させます。
- 技術面を点検する:Search Console を登録し、自動の点検でステータス・canonical・h1・重複を確かめて直します。
- ページの種類ごとに直す:事業紹介に、検索される一般の言葉と、誰の何を解決するかを文字で書きます。
- 集客の記事を足す:事業が答えられる問いを選び、1 つの問いに 1 本の記事で答えます。
- 数字を見る:Search Console の指名と指名以外の検索、GA4 の問い合わせを、月ごとに記録します。
体制は、会社の情報を決める部門(総務・広報)と、サイトを更新する担当を分けておくと、表記の変更が漏れにくくなります。外部に頼む場合の分け方は「SEOの外注」で説明しています。
よくある質問
コーポレートサイトにブログは必要ですか?
必須ではありません。会社名で調べる人に正しい情報を出すことが先で、ブログは見込み客を集めたい場合に足します。更新する担当と、答える問いが決まってから始めると、古い記事が放置されるのを防げます。
会社名で検索しても出てこないのはなぜですか?
公開から間もなくインデックスされていない、同じ名前の会社や商品が多い、トップページに会社名が文字で書かれていない、などが考えられます。Search Console の URL 検査でトップページの登録を確かめ、サイト名の構造化データと会社概要の表記をそろえます。
サービスサイトと分けるべきですか?
製品ごとに別のブランドで売っていて、読む人が違うなら分ける意味があります。同じ人が会社と製品を両方調べるなら、1 つのサイトの方が管理しやすくなります。分ける場合は、運営会社のサイトと相互にリンクし、構造化データで関係を示します。
採用ページもSEOの対象になりますか?
なります。応募者は会社名+採用や、職種名+地域で検索します。募集職種ごとに仕事内容と条件を文字で書き、募集が終わったページは閉じるか、終了したことを明記します。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT では、自社の商品・サービス、解決する顧客の課題、対応しない領域をサイトの方針として登録し、それに合うテーマの候補を、新しく書くか既存ページを直すかとあわせて確認できます。公開後は、Search Console と GA4 の数字を記事ごとに確認できます。AI 検索向けのクローラーの設定と、GA4 で識別できる AI 経由の訪問も確認できます。
構造化データやサイト名の設定、テーマや robots.txt の変更を自動で行う機能はありません。AI の回答での表示や検索順位を保証するものでもありません。
SEO の基礎や進め方に関するほかの記事は「AIO・LLMOの基礎の記事一覧」にまとめています。



