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カスタマージャーニーとは?SEO・コンテンツでの使い方とマップの作り方

カスタマージャーニーは、作っただけでは記事づくりに役立ちません。段階ごとの疑問を検索語に直し、答える記事と次への案内、確かめる数字まで書くと、作る記事と足すリンクが決まります。SEO向けのマップの作り方と、公開後の確かめ方を整理します。

カスタマージャーニーとは?SEO・コンテンツでの使い方とマップの作り方

この記事の要点:

  • カスタマージャーニーとは、顧客が課題に気づいてから、調べ、比べ、決め、使い続けるまでの道のりのことです。それを段階ごとの行動・疑問・接点として表にしたものをカスタマージャーニーマップと呼びます。
  • SEO・コンテンツで使うときは、段階ごとに「どんな言葉で検索するか」「どの記事で答えるか」「次にどこへ案内するか」「何の数字で確かめるか」まで書くと、記事の一覧と内部リンクの道筋がそのまま決まります。
  • マップは推測を含みます。Search Consoleの検索語、問い合わせや営業で受けた質問など事実の材料から作り、公開後はGA4の経路やファネルのデータ探索で実際の動きと比べて直します。
  • 顧客は段階を一直線に進むとは限りません。行き来や飛び越しがある前提で、どの段階から入っても次へ進める記事のつなぎ方にします。

カスタマージャーニーとは:知る・比べる・決めるまでの道のり

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを知り、調べ、比べ、購入や申し込みを決め、使い続けるまでにたどる道のりのことです。日本語では「顧客が旅をする道のり」にたとえて、この名前で呼ばれます。

この道のりを、段階ごとの行動・考えていること・接点(顧客と企業が出会う場所。検索結果、記事、広告、営業、店舗など)として表にまとめたものを、カスタマージャーニーマップと呼びます。マップを作る目的は、作り手が「顧客はいま何に困っていて、次に何を知りたいか」を同じ絵で共有し、足りない接点を見つけることです。

よく一緒に出てくる言葉との違いは次のとおりです。

言葉表すものカスタマージャーニーとの関係
ペルソナ届けたい相手を一人の人物として描いたもの「だれが」旅をするか。ジャーニーは「その人がどう進むか」
マーケティングファネル認知から購入へと人数が絞られていく様子段階ごとの人数や割合を見る。ジャーニーは段階ごとの行動と気持ちを見る
ユーザージャーニーサービスやサイトを使う人の行動の道のりほぼ同じ意味で使われる。サイトの中の操作に絞って使われることもある
検索意図1つの検索語で何を求めているかジャーニーの1つの点。段階ごとに検索意図が変わる

人物像の作り方は「ペルソナの作り方」で説明しています。カスタマージャーニーは、ペルソナを決めた後に、その人が時間の流れの中でどう動くかを描くものです。

SEO・コンテンツでジャーニーを使うと何が決まるか

一般的なカスタマージャーニーマップは、広告、店舗、営業、サポートなどすべての接点を対象にします。SEOとコンテンツに使うときは、検索と記事に関わる部分を具体的にすると、作業にそのまま使えます。マップから決まることは主に4つです。

  1. どの記事を作るか:段階ごとの疑問を検索語に直すと、記事の候補の一覧になります。疑問はあるのに答える記事が無い段階が、次に作る記事の候補です。
  2. 記事の中で何を答え、何を答えないか:同じ記事に段階の違う疑問を詰め込まず、段階ごとに記事を分けられます。
  3. 記事からどこへ案内するか:次の段階の疑問に答える記事や資料へ、本文の中から内部リンクを置けます。
  4. 何の数字で確かめるか:段階ごとに見る数字(検索での表示、記事からの移動、問い合わせ)が決まります。

Googleの有用で信頼性の高いコンテンツの作成では、自己評価の問いとして、読者が目的を達成するのに十分な情報を得られたと感じるか、といった観点を挙げています。ジャーニーで段階ごとの疑問を並べておくと、1つの記事で答えきる範囲と、次の記事に任せる範囲を決めやすくなり、この観点で記事を見直す手がかりにもなります。

コンテンツマーケティング全体の進め方(目的の決め方、体制、測り方)はコンテンツマーケティングの始め方で扱っています。この記事では、ジャーニーを「検索語」と「記事のつながり」に落とし込む部分に絞ります。

SEO向けのジャーニーマップに入れる項目

マップの列は、使い道から逆算して決めます。SEOとコンテンツに使うなら、次の列があると、記事の一覧と内部リンクの設計に直接つながります。

列書く内容何に使うか
段階気づく・調べる・比べる・決める・使い始めた後、など記事を段階ごとに分ける
行動その段階で顧客がしていること(検索する、資料を読む、社内で相談する)検索以外の接点を見落とさない
疑問・不安その段階で知りたいこと、迷っていること記事で答える主な問い
検索語の例疑問を、実際に検索されそうな言葉に直したもの記事の主キーワードの候補
答えるページ既存の記事・資料・サービスページ、または「無し」足りない記事を見つける
次への案内読み終えた人を次にどこへ案内するか内部リンクとページ内の案内の位置
確かめる数字段階が進んだかを何で見るか、どこで見るか公開後の見直し
材料(根拠)その行を書いた根拠(検索語のデータ、問い合わせの記録、推測)推測の行を後で確かめる

一般的なマップでよく見る「感情の起伏の曲線」は、チームで顧客の気持ちを共有する目的なら役に立ちます。ただ、記事の判断に使うのは主に「疑問・不安」の列です。感情を描く時間は、疑問の材料を集める時間に回したほうが、記事づくりには役立ちます。

最後の「材料(根拠)」の列は、一般的なマップには無いことが多い列です。マップは作り手の想像が入りやすいため、どの行が事実で、どの行が推測かを書き分けておくと、公開後に確かめる順番を決められます。

ジャーニーマップの作り方:6つの手順

SEO向けのジャーニーマップは、ゴールを決める、だれの道のりかを決める、段階を決める、段階ごとに疑問を集める、疑問を検索語に直して答えるページを書く、次への案内と確かめる数字を書く、の6つの手順で作ります。最初から細かく作り込まず、1枚の表を作ってから、データで直していきます。

  1. ゴールを1つ決める:例:「資料請求」「無料相談の申し込み」。ゴールが決まると、最後の段階で何を用意するかが決まります。
  2. だれの道のりかを決める:ペルソナを1人選びます。BtoBのように、調べる人と決める人が違う場合は、行を分けるか、別のマップにします。
  3. 段階を決める:最初は「気づく・調べる・比べる・決める・使い始めた後」の5つ程度で十分です。自社の商品で、段階の切れ目になる行動(例:資料を請求する、見積もりを取る)があれば、それを境目にします。
  4. 段階ごとに疑問を集める:問い合わせ、営業やサポートで受けた質問、Search Consoleの検索語、検索結果の「他の人はこちらも質問」などから集め、どの段階の疑問かで分けます。
  5. 疑問を検索語に直し、答えるページを書く:社内の言葉ではなく、検索で使われる言葉にします。答えるページが無い行には「無し」と書きます。
  6. 次への案内と、確かめる数字を書く:各行の「次への案内」が空のままの段階は、読者がそこで止まる場所です。

段階ごとに集めた疑問を検索語に直すときの考え方は、キーワード選定のやり方の「候補キーワードの集め方」と同じです。1つの検索語で何を求めているかの見分け方は検索意図の調べ方を参考にしてください。

ジャーニーマップの段階の数に正解はありません。段階を細かくしすぎると、1つの段階に入る疑問が少なくなり、記事の一覧が細切れになります。逆に少なすぎると、「調べる」と「比べる」のように、求める情報がはっきり違う疑問が混ざります。疑問を並べてみて、答える記事の種類が変わるところを境目にすると、段階の数が自然に決まります。

例:検索語でたどるジャーニーマップ

例として、中小企業向けの勤怠管理のサービスを扱う会社が、記事づくりのために作るマップを示します。説明用の例で、実際の調査や検索数ではありません。

段階疑問・不安検索語の例答えるページ → 次への案内確かめる数字
気づく毎月の勤怠の集計に時間がかかる。ほかの会社はどうしているのか勤怠 集計 時間がかかる無し(作る候補) → 集計を楽にする方法の記事検索での表示回数
調べるエクセルで続けるか、仕組みを変えるか。何を基準に考えればよいか勤怠管理 エクセル 限界既存の記事 → 選び方の記事記事から選び方の記事への移動
比べるサービスを選ぶとき、何を比べればよいか。法律の決まりに合うか勤怠管理システム 選び方既存の記事(法律の節が無い) → 比較の観点をまとめた資料資料請求(キーイベント)
決める導入にどれくらい手間がかかるか。社内でどう説明するか勤怠管理システム 導入 手順無し(作る候補) → 無料相談相談の申し込み(キーイベント)
使い始めた後設定や運用で迷う(サービス名) 設定サポートページ → 使い方の記事指名検索の推移

この表から、次の作業が読み取れます。

  • 「気づく」と「決める」の段階に、答えるページが無い:新しい記事の候補です。
  • 「比べる」の記事に、読者の不安(法律の決まり)に答える節が無い:既存の記事に節を足す候補です。
  • 「調べる」の記事から「比べる」の記事へのリンクが無ければ、本文の中に案内を足します。

このように、マップは「作る記事」「直す記事」「足すリンク」の一覧に変換して初めて作業になります。表を作って満足しないよう、マップの下に作業の一覧を書き出しておきます。

マップから記事の一覧と内部リンクの道筋を作る

マップができたら、記事の一覧と、記事どうしのつながりを決めます。考え方は次のとおりです。

  1. 1つの段階の1つの疑問に、1つの記事を割り当てる:同じ疑問に答える記事が2本にならないようにします。似た疑問はまとめます。
  2. 記事ごとに「主に答える段階」を1つ決める:「とは」を知りたい人と「導入手順」を知りたい人では、知識も急ぎ方も違います。1つの記事で両方に深く答えようとしないことが大切です。
  3. 次の段階の記事へ、本文の中から案内する:疑問が次へ移る場所(例:選び方の記事で「法律の決まり」に触れた段落)に、次の記事へのリンクを置きます。記事の最後にまとめて並べるより、読者が次の疑問を持った場所に置くほうが自然です。
  4. 前の段階へ戻る道も用意する:比べる段階の記事に来た人が、基本をまだ知らないこともあります。用語の説明が必要な箇所から、前の段階の記事へ案内します。
  5. ゴールへの案内は、段階に合わせる:気づく段階の記事にいきなり申し込みを置くより、次の段階の記事や資料へ案内するほうが、読者の段階に合います。

記事どうしのつなぎ方の基本は「内部リンクの貼り方」で説明しています。ジャーニーに沿ってリンクを置くと、「関連記事」を並べるだけでは見えない、読者が次に進む道筋がはっきりします。

公開後に確かめる:GA4とSearch Consoleで見る場所

マップに書いた道のりは仮説です。公開後は、実際の検索と行動のデータで、想定どおりに進んでいるかを確かめます。

確かめたいこと見る場所見方
段階ごとの記事が検索で見つかっているかSearch Consoleの検索パフォーマンス(ページごとの検索語)記事に表示された検索語が、マップに書いた段階の言葉と合っているか
記事から次の記事へ進んでいるかGA4の経路データ探索ある記事を始点にして、次にどのページを見たかをたどる
決めた順番どおりに進む人がどれくらいいるかGA4のファネルデータ探索「記事を見る → 資料のページを見る → 資料請求」などの手順を決め、各手順で進んだ人と離れた人を見る
ゴールに届いているかGA4のキーイベント資料請求や申し込みの完了を、キーイベントとして記録しておく

経路データ探索では、始点から先へ進む流れだけでなく、終点(例:申し込みの完了)を決めて、そこに至るまでの経路をさかのぼって見ることもできます。マップで想定した順番と違う経路が多ければ、マップのほうを直します。

ゴールの数え方は「キーイベントの設定」で説明しています。数字を見る前に、計測の設定が重なっていないかも確かめておきます。当サイト(seoagent.jp)では、GA4の設定が2つのプラグインにあったため、Site Kitの1つ(測定IDは1つ)にまとめ、Googleタグの送信先が1つであることを確認しました。設定が重なっていると、同じ行動が二重に数えられ、段階ごとの比較が崩れます。

「カスタマージャーニーは古い」と言われる理由と、使うときの注意

カスタマージャーニーは古い、意味が無い、と言われることがあります。理由として挙げられるのは、主に次のような点です。

  • 顧客は段階を一直線に進まない:比べている途中で基本に戻ったり、SNSで見かけてすぐ申し込んだりします。
  • 接点が多すぎて、すべてを描けない:検索、SNS、動画、AIへの質問など、顧客が情報に触れる場所は増えています。
  • 作り手の想像で作られ、実際の顧客とずれる:材料を集めずに作ったマップは、作り手の願望を表しがちです。
  • 作ったまま更新されない:商品や顧客が変わっても、マップが古いまま使われます。

これらは、ジャーニーという考え方そのものより、作り方と使い方の問題です。次の点に気をつけると、記事づくりの道具として使い続けられます。

  • 一直線を前提にしない:どの段階の記事から入っても、前後の段階へ移れるように内部リンクを置きます。
  • 扱う接点を絞る:SEOとコンテンツのマップなら、検索と記事、資料、問い合わせに絞ります。ほかの接点は、関係する部署のマップに任せます。
  • 材料の列で、事実と推測を分ける:推測の行から先にデータで確かめます。
  • 見直す時期を決める:商品や価格が変わったとき、記事の検索語が想定と大きくずれたときに直します。

BtoBでは、調べる担当者と、決める責任者が別の人であることが多く、同じ会社の中に複数の道のりがあります。担当者が社内で説明しやすい資料(比較の観点、導入の手順)を用意し、記事からそこへ案内すると、担当者から責任者への引き継ぎの段階を支えられます。

よくある質問

カスタマージャーニーとペルソナは、どちらを先に作りますか?

ペルソナが先です。だれの道のりかが決まらないと、段階ごとの疑問を決められません。ペルソナを決めた後、その人がどう進むかをジャーニーとして描きます。

小さな会社やサイトでも、ジャーニーマップは必要ですか?

大きな図を作る必要はありません。段階ごとに「疑問」「答える記事」「次への案内」の3列だけの表でも、足りない記事と足りないリンクが見つかります。

ジャーニーマップは何で作ればよいですか?

表計算ソフトで十分です。記事の一覧や内部リンクの設計に使うなら、図よりも、並べ替えや追記がしやすい表のほうが扱いやすくなります。

段階ごとの検索語は、どうやって見つけますか?

問い合わせや営業で受けた質問を、検索で使われそうな言葉に直すのが出発点です。そのうえで、検索窓の候補、検索結果の関連する質問、公開済みの記事ならSearch Consoleの検索語で確かめます。

ジャーニーマップはどれくらいの頻度で見直しますか?

決まった頻度はありません。商品や価格が変わったとき、記事に表示される検索語が想定と大きくずれたとき、GA4で想定と違う経路が目立つときに見直します。

カスタマージャーニーと関わる記事・サイト改善の記事は「記事・サイト改善の記事一覧」にまとめています。

SEOAGENTでできること

SEOAGENTでは、サイトの方針として、提供する商品・サービス、解決する顧客の課題、購入前によく聞かれる質問などを登録し、それをもとにキーワード・テーマの候補を集めます。候補ごとに「具体的な疑問」「ページの役割」「既存ページ」「推奨の行動」を見られるため、段階ごとに足りない記事を新しく書くか、既存の記事を育てるかを検討できます。

記事どうしのつながりは内部リンクの表で確かめられ、リンクを入れる場所・言葉・行き先・理由の提案を確認して原稿に挿入できます。公開後は、Search Consoleの検索語と、GA4の自然検索からの訪問・設定したキーイベントを記事ごとに確認できます。

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