日本語 English(Home)

弁護士のSEO:法律事務所サイトの検索語・ページ作りと業務広告規程

法律事務所が自所のサイトで検索から相談を集めるための進め方をまとめます。相談者が使う検索語とページの割り当て、業務広告に関する規程と指針で避ける表現、解決事例やお客様の声を載せる条件、SEO会社やポータルサイトを使うときの注意を、日弁連の原文で説明します。

弁護士のSEO:法律事務所サイトの検索語・ページ作りと業務広告規程

この記事の要点:

  • 弁護士のSEOとは、離婚・相続・交通事故などの分野や地域で検索する相談者に、事務所のサイトを見つけてもらい、相談につなげる取り組みです。進め方は他の業種と同じですが、日本弁護士連合会の「弁護士等の業務広告に関する規程」を守ることが前提です。
  • 事務所のウェブサイトも広告の媒体にあたります。規程は、事実に合致しない広告、誤導・誤認のおそれのある広告、誇大な広告、他の事務所と比較した広告などを禁止し、訴訟の勝訴率の表示を認めていません。
  • 解決事例・依頼者の名前は、依頼者の書面または電磁的方法による同意が無ければ載せられません。架空の事例や、実在の依頼者が関わっていない「お客様の声」は虚偽の表示です。
  • SEO 会社やポータルサイトを使うときは、第三者の違反表示への協力の禁止と、広告の記録の 3 年間の保存(広告業者との契約書などを含む)に気をつけます。

弁護士のSEOで先に確かめる広告の決まり

弁護士のSEOで最初に押さえることは、事務所のウェブサイトや記事も、弁護士の業務広告の決まりの対象になるという点です。日本弁護士連合会の「弁護士等の業務広告に関する規程」(会規第 44 号、最終改正 令和 7 年 12 月 5 日)と、その解釈と運用を示す「業務広告に関する指針」(最終改正 令和 8 年 2 月 19 日)を、2026 年 10 月 13 日に原文で確かめました。

規程は、広告を「顧客又は依頼者となるように誘引することを主たる目的とする」情報の伝達・表示と定義しています。指針は、広告の媒体として看板や新聞のほか「ウェブサイト、動画サイト、SNS等のあらゆる媒体」を挙げ、媒体の種類で一律に禁止されるものは無いが、方法や表示の形によっては規程に違反しうるとしています。法律問題を解説する動画を作成者名と連絡先を付けて公開すること自体は、必ずしも顧客誘引が主たる目的とは判断されない一方、最後に「○○の相談は当事務所へ」と表示する例などは顧客誘引の目的があると認められうる、とも書いています。

あわせて、弁護士職務基本規程(会規第 70 号)第 9 条は、広告や宣伝で「虚偽又は誤導にわたる情報を提供してはならない」こと、品位を損なう広告や宣伝をしてはならないことを定めています。規程第 9 条は、広告に弁護士の氏名と所属弁護士会を表示するよう求めています。事務所のサイトでは、運営者の表示とあわせて、各ページから責任者の氏名と所属弁護士会が分かるようにしておきます。

法律の話題は、Google が YMYL(人の経済的な安定などに大きく影響しうる話題)と呼ぶ分野にあたります。考え方は「YMYLとは」で説明しています。

相談者が使う検索語:分野・地域・状況

法律事務所に関わる検索語は、「分野+弁護士」「地域+分野」「状況(例:慰謝料、遺産分割)」「相談の方法(無料相談など)」に分けると、受けるページを決めやすくなります。当サイトが Ahrefs(日本、2026 年 10 月 13 日取得)で調べた月間検索数は次のとおりです。検索数は推定値で、月によって変わります。

種類検索語月間検索数(推定)難易度(KD)
相談の方法弁護士 無料相談15,0009
分野交通事故 弁護士7,10059
分野相続 弁護士6,10020
分野離婚 弁護士5,9002
企業向け顧問弁護士5,0002
分野刑事事件 弁護士4,4001
分野債務整理 弁護士2,4000
分野労働問題 弁護士1,60011

地域名を含む語(例:「〇〇市 離婚 弁護士」)は地域ごとに検索数が少なく分かれるため、自分の地域の語は、キーワード調査のツールと Search Console で確かめます。

同じ日に、事務所の側が集客の方法を調べる語も調べました。「弁護士 seo」は 1,100(KD 0)、「士業 seo」は 350、「法律事務所 seo」は 150 でした。「弁護士 seo」の上位 10 位は、SEO 会社や制作会社のサービス紹介のページと解説記事が中心でした。この記事は、事務所の担当者が自分で判断できるよう、日本弁護士連合会と Google の公式の資料に沿って書いています。

ページの割り当て:取扱分野ページ・コラム・弁護士紹介

検索語の種類ごとに、受けるページを 1 つずつ決めます。同じ語を複数のページで狙うと、どのページを検索結果に出すかが定まらず、評価が分かれるためです。重なりの確かめ方は「カニバリゼーションとは」で説明しています。

受けるページ対応する検索語置く内容広告の決まりで注意する点
取扱分野のページ(分野ごと)分野+弁護士、地域+分野扱う事件の範囲、相談の流れ、弁護士費用の種類と目安、問い合わせ先「専門」の表示は控え、「取扱い分野」と書く。費用は曖昧・不正確にしない
解説コラム状況の語(慰謝料、遺産分割など)制度・手続きの説明、条文、相談を考える目安結果を保証する表現や、不安をあおる書き方をしない
弁護士の紹介事務所名・弁護士名氏名、所属弁護士会、経歴、取扱い分野経歴で特に有利な解決を示唆しない
費用のページ分野+費用着手金・報酬金・実費などの種類と算定方法「着手金 0 円」などは別途の費用を明示する
事務所の案内・アクセス地域+弁護士所在地、相談の受付時間、交通相談体制に合わない「24 時間 365 日対応」を書かない

指針は、専門分野の表示について、何を基準に専門と認めるかの判定が難しく、客観性が担保されないまま表示を許すと誤導のおそれがあるため「表示を控えるのが望ましい」とし、スペシャリスト・プロ・エキスパートなどの用語も同様としています。「得意分野」は主観的評価と分かるため違反しないとし、「取扱い分野」「取扱い業務」は専門の評価を伴わない表示として認めています。

業務広告規程で避ける表現

事務所のサイトで避ける表現は、規程第 3 条が禁止する 7 種類の広告と、第 4 条が表示を禁止する事項です。指針が挙げる例をあわせて表にします(指針は、例は典型を示したもので網羅ではないとしています)。

規程の区分指針が挙げる例(要約・引用)
事実に合致していない広告(第 3 条第 1 号)経歴を偽る、実在しない人物の推薦文、架空の解決事例や脚色した事例、実在の依頼者が関与していない「お客様の声」
誤導・誤認のおそれのある広告(第 2 号)「交通事故で1億3,000万円を獲得しています。あなたも可能です。」、「業界最低水準の弁護士報酬」、別途の費用を明示しない「着手金0円」、体制が無いのに「24時間365日相談対応」
誇大・過度な期待を抱かせる広告(第 3 号)「当事務所ではどんな事件でも解決してみせます。」、「たちどころに解決します。」、どう入力しても減額になると表示する「借金減額診断」のページ
困惑させ、過度な不安をあおる広告(第 4 号)「今すぐ請求しないとあなたの過払金は失われます。」
特定の事務所と比較した広告(第 5 号)「○○事務所より豊富なスタッフ」。名前が無くても特定の事務所を指すと認められる表現を含む
法令・会則・会規に違反する広告(第 6 号)景品表示法違反、名誉毀損、著作権・商標権の侵害、事務所の名称とは別の「○○遺言相続センター」などの名称の使用
品位・信用を損なうおそれのある広告(第 7 号)「法の抜け道、抜け穴教えます。」、「全てお任せいただければ、まるっと解決いたします。」
表示できない事項(第 4 条)訴訟の勝訴率。顧問先・依頼者、受任中の事件、過去に扱った事件は、依頼者の書面または電磁的方法による同意などの例外を除き表示できない

表の出典:日本弁護士連合会:業務広告に関する指針(PDF)

指針は、「最も」「一番」などの最大級の用語、「完璧」などの完全を意味する用語、「顧客満足度」などの実証できない優位性を示す用語、「常勝」「不敗」などの結果を保証させる用語は、文脈によって違反にあたりうるため十分注意しなければならないとしています。キャッチフレーズも、「市民の味方です。」「懇切丁寧にやります。」のような表示は事実に反しない限り許されるとしつつ、誤解や過度な期待を与えないよう注意を求めています。

解決事例・お客様の声を載せるとき

解決事例やお客様の声は、相談者が事務所を選ぶ材料になりますが、守秘義務と広告の決まりの両方に関わります。弁護士職務基本規程第 23 条は、正当な理由なく依頼者について職務上知り得た秘密を漏らし、または利用してはならないと定めています。

載せたいもの確かめること根拠
依頼者・顧問先の名前書面または電磁的方法による同意を、同意の範囲と期限を明示して得る規程第 4 条第 2 号、指針 第 4 の 3
過去に扱った事件依頼者の同意、または依頼者が特定されず利益を損なうおそれが無いか。名前を伏せただけで特定されないかも個別に見る規程第 4 条第 4 号、指針 第 4 の 5
解決事例の内容架空の事例や、表示どおりに解決できなかった事例の脚色が無いか指針 第 3 の 2
お客様の声実在の依頼者が関与した文章か。その声を含めて規程に違反しないか指針 第 2 の 1、第 3 の 2
獲得した金額同じ結果をもたらすと思わせる書き方になっていないか指針 第 3 の 3

同意を得た書面や電磁的記録は、広告の記録として保存の対象にもなります(規程第 11 条)。医療機関のサイトにも医療法の広告規制があり、クリニックのSEO対策で厚生労働省のガイドラインに沿って整理しています。

法律の記事の書き方:条文・確認日・執筆と監修の示し方

法律の解説記事では、根拠の条文と、いつの時点の法令で書いたかを示し、誰が書き、誰が内容を確かめたかを明示します。Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」(最終更新日 2026-10-07、2026 年 10 月 13 日確認)は、人の健康や安全、経済的安定などに大きく影響する可能性のあるトピックを YMYL と呼び、そうしたトピックでは E-E-A-T が優れたコンテンツを特に重視すると説明しています。同じページは、明確な情報源や、著者・サイトの背景情報を示しているかを自己評価の質問に挙げています。

  1. 記事の中で、根拠の法令名と条番号を示します。条文は e-Gov 法令検索などの公的なデータベースで確かめます。
  2. 記事に「〇年〇月〇日時点の法令に基づく」と確認日を書き、法改正や新しい判例があったら見直します。
  3. 執筆した弁護士、または内容を確かめた弁護士の氏名・所属弁護士会・経歴のページを示します。
  4. 構造化データでは、記事の author に執筆者を、内容を確かめた弁護士を WebPage の reviewedBy に指定する方法があります。Google の記事の構造化データの説明(最終更新日 2026-09-12)は、author.url に著者の略歴ページなどを指定できるとしています。

当サイト(seoagent.jp)では、記事の構造化データ(BlogPosting)の著者を運営組織にし、投稿者の個人のユーザー名は出していません。監修者は、本人の了承を得た情報があるときだけ表示する方針です。

SEO会社・ポータルサイトを使うときの注意

SEO 会社やポータルサイト(弁護士の情報をまとめて載せるサイト)を使うときは、第三者が行う表示への協力と、広告の記録の保存に気をつけます。

  • 第三者の違反表示への協力の禁止:規程第 8 条は、第三者が行う規程に抵触する表示に、金銭などの利益を与えたり協力したりすることを禁止しています。指針は、「勝訴率100パーセント」のような記載をしたインターネットの情報や、弁護士の優劣を論じるランク付けの記事を例に挙げ、原稿の提供やアンケートへの回答も「協力」にあたるとしています。
  • 広告の記録の保存:規程第 11 条は、広告物またはその複製、広告の方法の記録、同意の書面などを、広告が終わってから 3 年間保存するよう求めています。令和 7 年 12 月 5 日の改正で、広告業者との契約書などと、その契約に係る入出金の記録が加わり、令和 8 年 7 月 1 日から施行されています。
  • ウェブサイトの保存の仕方:指針は、ウェブサイトの広告はリンク先の URL を含めてデータか印刷物で保存し、画面の一新や掲載内容の大幅な変更をしたときは変更の前後のデータを保存するとしています。SEO 対策のために第三者が管理するウェブサイトを使う場合は、その広告配信の方針や報酬が発生する条件を書いた資料を保存するとしています。
  • 紹介の仕組み:日本弁護士連合会は「弁護士情報提供ウェブサイトへの掲載に関する指針」で、掲載が弁護士職務基本規程に違反することとなる場合を示しています。依頼者の紹介に対価が絡む仕組みのサイトに載せる前に確かめます。

外注先の選び方の一般的な考え方は「SEOの外注」で説明しています。

相談数の測り方:電話・フォームをキーイベントにする

弁護士のSEOの成果は、検索からの訪問の数ではなく、相談の申込みにつながったかで見ます。GA4 では、問い合わせフォームの送信完了や、電話番号のリンクのクリックをキーイベントとして設定し、どの検索語・どのページから相談につながったかを確かめます。

測るもの設定の例見る場所
フォームの送信送信完了ページの表示、または送信のイベントをキーイベントにするGA4 のキーイベント、ランディング ページ別
電話のクリックtel: のリンクのクリックをイベントとして送り、キーイベントにする同上(実際に通話したかは分からない)
検索での表示とクリックSearch Console と GA4 をリンクするSearch Console の検索パフォーマンス

電話のクリックは通話の成立を意味しないため、事務所で受けた相談の件数と並べて見ます。設定の方法は「キーイベントとは」で説明しています。

よくある質問

法律事務所のサイトで「解決実績」は載せられますか?

依頼者の書面または電磁的方法による同意がある場合や、依頼者が特定されず利益を損なうおそれが無い場合などに限られます。架空の事例や脚色した事例は虚偽の表示です。他の事件と同じ結果になると思わせる書き方も、誤導のおそれがある広告の例として指針に挙げられています。

勝訴率や「〇〇専門」は書けますか?

訴訟の勝訴率は、規程第 4 条で表示できない事項とされています。「専門」の表示は、指針が客観性の担保が無い現状では控えるのが望ましいとしており、「取扱い分野」や、主観的評価と分かる「得意分野」と書く方法があります。

士業のSEOで共通して気をつけることは?

それぞれの士業の団体が定める広告の決まりを、記事を増やす前に確かめることです。そのうえで、検索語ごとに受けるページを決め、根拠の条文と確認日、書いた人と確かめた人を示します。歯科の例は「歯科のSEO対策」で説明しています。

コラムは弁護士本人が書く必要がありますか?

規程に本人が書く決まりはありませんが、広告の責任は広告をした弁護士にあります。事務局や外部の書き手が下書きした場合も、弁護士が内容を確かめ、確かめた人と日付を記事に示すと、読者が信頼を判断しやすくなります。

SEOAGENTでできること

SEOAGENT は、自社サイトで記事を作る企業向けの記事制作の支援ツールです。キーワードの調査から、分野や状況ごとの記事の構成と本文の作成、公開前の確認まで進められます。避けたい表現や事務所の文体を登録しておくと、記事を増やすときも言葉づかいをそろえられます。公開前の確認では、記事の内容と資料・出典を照らし合わせ、数字や実績、言い切りなど、確認が必要な点を示します。

弁護士等の業務広告に関する規程や弁護士職務基本規程に適合しているかの判断は、SEOAGENT では行いません。最終的な確認は、弁護士本人と、必要に応じて所属弁護士会で行ってください。検索順位を保証するものではありません。

弁護士のSEOと関わる記事・サイト改善の記事は「記事・サイト改善の記事一覧」にまとめています。

参考情報

関連する記事

「記事・サイト改善」の記事をすべて見る →

執筆レギュレーションの作り方:表記ルール・文体・出典の決まりを社内で統一する
記事・サイト改善

執筆レギュレーションの作り方:表記ルール・文体・出典の決まりを社内で統一する

書き手が増えると、表記や文体、出典の示し方が記事ごとにばらつきます。執筆レギュレーションに入れる項目のひな形、公的な表記の基準の使い方、出典と法令に関わる表現の決まり、当サイト(seoagent.jp)の書き方の決まりと確かめ方を説明します。

コンテンツ監査(記事の棚卸し)のやり方:一覧の作り方と、残す・直す・統合・削除の判定
記事・サイト改善

コンテンツ監査(記事の棚卸し)のやり方:一覧の作り方と、残す・直す・統合・削除の判定

記事が増えると、古くなった記事や同じ問いに答える記事が生まれます。公開済みの記事を一覧にし、記事ごとに残す・直す・統合する・noindex にする・削除するを決める手順を、Google の説明と当サイト(seoagent.jp)の棚卸しの記録をもとに説明します。

AIでSEO対策を、もっと続けやすく。

機能と使い方、料金・契約条件は、サービス資料でご案内します。