この記事の要点:
- コピペチェックは、原稿の文章がウェブ上の既存のページや手元の文書と一致していないかを、公開前に確かめる作業です。一致した箇所を見つける道具であり、著作権侵害かどうかや、検索での評価を判定するものではありません。
- Google は、他サイトの内容を価値を加えずにそのまま、または少し言い換えて載せることを、スパムに関するポリシーの「無断複製されたコンテンツ」として扱っています。一方で、出典を示した引用が一部にあるだけの記事は、通常これに当たりません。
- 一致率に、Google や法律が決めた「何%までなら大丈夫」という基準はありません。数字ではなく、一致した箇所の種類(定型句・固有名詞・引用・言い換え不足・丸写し)ごとに直し方を決めます。
- 主なツールには、無料プランのあるCopyContentDetector、評価版のあるコピペルナーなどがあります。重要な文だけなら、Google 検索の完全一致検索でも無料で確かめられます。
- 自分の記事が他のサイトに盗用されたときは、証拠を残し、相手に連絡したうえで、著作権者として Google の著作権侵害による削除の申し立て(DMCA に基づく手続き)を使えます。
コピペチェックとは:確かめられること、確かめられないこと
コピペチェックとは、書いた文章の中に、他のページの文章と同じか、ほとんど同じ部分がないかを確かめることです。専用のツール(コピペチェッカー、類似チェックなどと呼ばれます)を使うほか、Google 検索で文を検索して手で確かめる方法もあります。
大切なのは、ツールが示すのは「一致した箇所」と「一致の程度」だけだという点です。その一致が問題かどうかは、人が箇所ごとに判断します。
| コピペチェックで分かること | コピペチェックでは分からないこと |
|---|---|
| 原稿のどの文が、どのページの文と一致・類似しているか | その一致が著作権の侵害にあたるか(法的な判断) |
| 原稿全体のうち、一致した部分がどのくらいあるか(ツールが出す目安) | Google がその記事をどう評価するか、検索順位がどうなるか |
| 一致の相手先の URL(ツールが照合できた範囲) | ツールが照合していないページ・書籍・社内資料との一致 |
| 同じサイト内の記事どうしで、文が重なっていないか(対応するツールの場合) | 内容が正しいか、独自の情報があるか |
よく似た言葉に「重複コンテンツ」があります。重複コンテンツは主に、同じ内容のページが複数の URL で見られる状態を指し、canonical や 301 リダイレクトで正規の URL を示して整理します。URL の重複の直し方は「重複コンテンツとは」で説明しています。この記事では、文章そのものが他から写されていないか(または写されたか)を確かめる方法に絞ります。
なぜ公開前に確かめるのか:Google の考え方と著作権
Google 検索での扱い
Google 検索セントラルのスパムに関するポリシーでは、「無断複製されたコンテンツ(スクレイピング)」として、次のような行為を挙げています。
- 他のサイトのコンテンツを、独自の価値を加えたり出典を示したりせずに再公開する
- 他のサイトのコンテンツを少しだけ変えて(類義語への置き換えなど)再公開する
- 他サイトのフィードの内容を、利用者に固有の価値を加えずに再掲載する
ポリシーに違反したサイトは、順位が下がったり、検索結果に表示されなくなったりすることがあると説明されています。また、Google は 2008 年の公式ブログで、同じ内容が複数あること自体には罰則(ペナルティ)は無く、問題になるのは検索結果を操作する目的で意図的に複製した場合だ、と説明しています。つまり「似た文が少しある」ことと「他の記事を写して作った」ことは別の問題です。
もう一つの理由は、検索する人の役に立つかどうかです。他の記事と同じ説明しかない記事は、検索結果に並べる理由がありません。
著作権の考え方
他人の文章をそのまま使える代表的な場面が「引用」です。文化庁の著作権制度の解説資料では、著作権法第 32 条の引用として認められるための条件を、おおむね次のように整理しています。
- 公表された著作物であること
- 公正な慣行に合致すること(引用する必然性があり、引用部分がかぎ括弧などではっきり区別されていること)
- 引用の目的上、正当な範囲内であること(自分の文章が主で引用が従という関係があり、分量が必要な範囲であること)
- 出所を明示すること
コピペチェックで一致が見つかった箇所が、この条件を満たす引用になっているかを確かめることも、公開前の確認の目的です。個別の事案が侵害にあたるかの判断には法律の知識が必要です。迷うときは社内の法務や専門家に相談してください。
コピペチェックの仕組みと、結果の読み方
仕組みはツールによって異なりますが、多くは原稿を短い単位に分け、ウェブ上で見つかるページや、登録した文書と照らし合わせます。結果は、一致した文の色分け、一致した相手先の URL、全体の一致の割合などで示されます。
結果を読むときは、次の 3 点を押さえておきます。
- 照合する範囲はツールごとに違う:ウェブ検索で見つかるページだけを相手にするもの、登録した文書どうしを比べるものなどがあります。「一致なし」は「照合した範囲で見つからなかった」という意味です。
- 割合の計算方法もツールごとに違う:同じ原稿でも、ツールが変われば数字は変わります。違うツールの数字を並べて比べることはできません。
- 公式な基準は無い:「一致率が何%以下なら問題ない」という基準を、Google や文化庁は示していません。ツールが出す「要注意」などの判定は、そのツール独自の目安です。
そのため、割合を下げること自体を目標にしないでください。語尾や言い回しだけを変えて割合を下げても、他の記事の構成と内容をなぞっていれば、スパムに関するポリシーで挙げられた「少しだけ変えて再公開する」状態に近くなります。
一致が見つかったときの判断表
一致した箇所は、種類ごとに対応が変わります。次の表で、1 か所ずつ判断します。
| 一致の種類 | 例 | 判断 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 定型句・決まった言い回し | 「お問い合わせはこちら」「以下の手順で設定します」 | 多くの場合、問題にならない | そのままでよい。数が多いときは、原稿が一般論だけになっていないかを見直す |
| 固有名詞・正式名称・仕様 | 製品名、法律名、画面の項目名、エラーメッセージ | 正確さのために一致するのが当然 | 変えない。言い換えると、かえって誤りになる |
| 出典を示した引用 | 公式ヘルプの定義をかぎ括弧で示し、出典をリンク | 引用の条件を満たしていれば使える | 区別(かぎ括弧など)・出典・分量・主従関係を確かめる |
| 出典の無い引用 | 他の記事の説明文が、区別も出典も無く入っている | 直す必要がある | 引用として形を整えるか、自分の言葉で書き直して出典を示す |
| 言い換え不足 | 文の並びと内容が他の記事と同じで、語尾だけ違う | 独自性が無く、直す必要がある | 元の記事を閉じ、自分の経験・資料・手順をもとに書き直す |
| 丸写し | 段落や節がそのまま同じ | 公開しない | その節を削除して書き直す。外注の原稿なら、発注先に経緯を確かめる |
| 自社の別の記事と一致 | サービス説明を複数の記事に同じ文で載せている | 他者の権利の問題ではないが、記事どうしの重なりに注意 | 役割を分ける。同じ問いに答える記事どうしは統合を検討する |
最後の行のように、自社の記事どうしが同じ問いに答えている状態は、検索で記事どうしが競合する原因にもなります。考え方は「カニバリゼーションとは」で説明しています。
公開前のコピペチェックの手順
例として、外部のライターから届いた原稿を公開するまでの流れを示します。社内で書いた原稿でも同じです。
- 最終稿で確かめる:編集で文が変わるため、チェックは公開する直前の原稿で行います。見出しや表の中の文も対象に含めます。
- ツールで全体を照合する:一致した箇所の一覧と、相手先の URL を書き出します。
- 箇所ごとに判断する:上の判断表で、「そのまま」「引用に整える」「書き直す」「削除する」に分けます。
- 書き直したら、もう一度照合する:書き直した箇所が、別のページと一致していないかを確かめます。
- 重要な文は手でも確かめる:定義や結論など、記事の中心になる文は、下の方法で Google 検索でも確かめます。
- 記録を残す:確認した日、使った方法、直した箇所を残します。後から「いつ・何を確かめたか」を説明できるようにするためです。
Google 検索で手で確かめる方法
ツールが無くても、特徴的な一文を検索すれば、同じ文があるページを探せます。Google 検索ヘルプの「Google 検索の結果を絞り込む」では、語句を引用符(”)で囲むと、その語句と完全に一致するページを探せると説明しています。
"コピペチェックは、原稿の文章がウェブ上の既存のページと一致していないかを確かめる作業です"
長すぎる文は結果が出にくいため、文の中から言い回しに特徴がある部分を選ぶと探しやすくなります。手で確かめられるのは数か所が限度なので、全体の照合はツールで行い、手の確認は重要な文に絞ります。
外注やAIで書いた原稿を確かめるときのポイント
外部に依頼した原稿
外部に依頼するときは、納品後にチェックするだけでなく、依頼の段階で決めておくと手戻りが減ります。
- 他の記事の文章を使わないこと、引用するときは出典を示すことを、依頼書に書いておく
- 参考にしたページの URL を、納品時に一覧で出してもらう
- コピペチェックの結果を、どちらが・どのツールで確かめるかを決めておく
- 一致が見つかったときの直し方(誰が書き直すか)を決めておく
生成AIで書いた原稿
生成AIの文章も、既存の記事と似た文になることがあります。文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」では、AIで作った文章でも、既存の著作物との類似性と依拠性があれば、AIを使わない場合と同じく著作権侵害になりうると整理しています。AIの出力だからチェックが不要、ということはありません。
また、Google は生成AIの使い方についての説明で、付加価値の無いページを大量に作ることはスパムに関するポリシーの「大量に生成されたコンテンツの不正使用(scaled content abuse)」に違反しうるとしています。コピペチェックで一致が無くても、他のページと同じことしか書かれていない原稿は、検索する人にとって価値がありません。AIで書くときの確認の進め方は「AIライティングとは」で説明しています。
| 確かめること | コピペチェックで分かるか | ほかの確かめ方 |
|---|---|---|
| 既存の文と一致していないか | 分かる(照合した範囲で) | 重要な文を Google 検索で確かめる |
| 数字や事実が正しいか | 分からない | 公式の資料・自社の資料と照らし合わせる |
| 他の記事に無い情報があるか | 分からない | 自社の手順・事例・判断の基準が入っているかを読んで確かめる |
| していない体験を書いていないか | 分からない | 体験・実績の記述を、記録と照らし合わせる |
主なコピペチェックツールと、選ぶときに確かめる点
コピペチェックの道具は、無料のものから有料のもの、文章作成のソフトに組み込まれたものまであります。主なツールを、公式サイトの説明の範囲で並べます。
| ツール名 | できること(公式サイトの説明の範囲) | 無料で使える範囲 | 公式サイト |
|---|---|---|---|
| CopyContentDetector | 文章をウェブ上のページと照合するコピペチェックのツール。有料プランでは1回に確かめられる文字数が増え、Wordファイルも扱える | 無料プランあり(無料版は1回の文字数に上限) | ccd.cloud |
| Google 検索(完全一致検索) | 語句を引用符(”)で囲んで検索し、その語句と完全に一致するページを探す | 無料 | support.google.com |
| SEOAGENT(盗作チェック) | 品質チェックの中で、Google 検索で見つかるページとの一致の目安を示す。すべての文書と照合するものではない | 有料のみ | 機能ページ |
| コピペルナー | Windows用のソフトで、文書のコピペを判定する作業を支援する。教育機関向けと教育機関以外向けのライセンスがある | 無料トライアルあり(評価版は最初の起動から20日間) | ank.co.jp |
表の「できること」と「無料で使える範囲」は、各ツールの公式サイトの説明を2026年10月に確かめたものです。料金の金額は変わりやすいため載せていません。無料の範囲や条件も変わることがあるため、使う前に公式サイトで確かめてください。並びはアルファベット順・五十音順で、評価や順位を表すものではありません。
ツールを選ぶときに確かめる点
使い始める前に、次の点を確かめます。
| 確かめる点 | 理由 |
|---|---|
| 照合する相手(ウェブ全体か、検索で見つかるページか、登録した文書か) | 「一致なし」の意味が変わる |
| 一度に確かめられる文字数・回数 | 長い記事を分けて確かめる手間が変わる |
| 一致した相手先の URL が表示されるか | 引用か丸写しかを判断するには、相手のページを見る必要がある |
| 結果を保存・書き出しできるか | 確認の記録を残し、外注先と共有できる |
| 入力した原稿の扱い(保存されるか、他の照合に使われるか) | 公開前の原稿や社内の情報を入れてよいかが決まる。利用規約で確かめる |
| 料金の数え方(文字数・回数・人数など) | 使い方によって費用が変わる。提供元の料金ページで確かめる |
公開前の原稿には、まだ公開していない情報が含まれることがあります。入力した文章が保存されたり、照合用のデータとして使われたりするかどうかは、ツールによって異なります。社内の決まりで外部に送れない情報が含まれる場合は、その部分を除いてから確かめます。誤字や表記を直す校正と、事実や出典を確かめる校閲を含めた公開前の確認の進め方は「校正と校閲の違い」で説明しています。
自分の記事が盗用されたときの対処
自社の記事が他のサイトに無断で載せられている場合の対処を、順に示します。ここで説明する Google への申し立ては、Google の検索結果などから該当ページを外してもらう手続きで、相手のサイトからページそのものを消す手続きではありません。
1. 証拠を残し、自社のページの状態を確かめる
- 相手のページの URL、見つけた日、画面の保存(スクリーンショットなど)を残します。
- 自社の記事が先に公開されていたことを示せる記録(公開日、CMS の更新履歴など)を確かめます。
- Search Console の URL 検査で、自社の記事がインデックスされているかを確かめます。登録されていなければ、まず登録の問題を解決します。
2. 相手のサイトの運営者に連絡する
サイトの問い合わせ窓口などから、該当ページの URL と自社の記事の URL を示し、削除や出典の明記を求めます。引用の範囲だと相手が考えている場合もあるため、何が問題かを具体的に書きます。
3. Google に著作権侵害による削除を申し立てる
Google は米国のデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に沿った手続きを用意しています。Google の Legal ヘルプでは、「法的な理由でコンテンツを報告する」から、対象のサービス(ウェブ検索など)と理由(著作権)を選んで申し立てる流れが案内されています。申し立てに必要なものは、主に次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申し立てる人 | 著作権者、またはその正式な代理人に限られる |
| 連絡先 | 氏名、メールアドレスなど、フォームで求められる情報 |
| 著作物の説明 | 侵害されたと考える自社の記事の説明と、その URL |
| 侵害しているページの URL | 該当するページごとの正確な URL。サイト全体の指定では特定できない |
| 宣言と署名 | 申し立ての内容が正しいことなどへの同意と署名(電子署名) |
4. 申し立ての後に起こること
- Google が内容を確認し、要件を満たしていれば、該当のページを検索結果などから外します。
- Google の透明性レポートのヘルプによると、法的に認められる場合、外されたページの代わりに、申し立ての通知が Lumen(削除申請を集めて公開するデータベース)に載っていることを知らせる表示が検索結果に出ます。申し立ての内容が公開されうることを前提に記入します。
- 削除されたページの運営者は、DMCA に基づく異議申し立て(カウンター通知)を出すことができます。
- 著作権を侵害していないことが明らかなページについては、Google は削除に応じないことがあります。
なお、スパムに関するポリシーによると、Google はあるサイトについて有効な著作権侵害の削除リクエストを多数受け取った場合、そのサイトの他のコンテンツの順位を下げるシグナルとして使うことがあります。申し立ては事実に基づいて、該当するページだけを対象に行います。
著作権の申し立てとは別に、他サイトの内容を無断で複製しているサイトを、Google のスパム報告(検索品質に関するユーザー報告)で知らせる方法もあります。Google はスパム報告を主にスパム検出の改善に使うと説明しており、報告したページに必ず対応が取られるわけではありません。
コピペチェックと関わる記事・サイト改善の記事は「記事・サイト改善の記事一覧」にまとめています。
よくある質問
一致率が何%以下なら公開してよいですか?
Google や文化庁が示した基準はありません。割合はツールごとの計算方法で変わります。一致した箇所を 1 つずつ見て、定型句や正式名称なのか、出典の無い引用や言い換え不足なのかで判断します。
コピーしていないのに一致率が高く出るのはなぜですか?
製品名や手順の名前、法律の条文、よく使われる言い回しが多い記事では、写していなくても一致が増えます。判断表で「固有名詞・仕様」「定型句」に当たる一致なら、言い換える必要はありません。
他の記事を参考にして書くのは問題ですか?
情報を調べるために読むことと、文章や構成をなぞって書くことは別です。参考にした事実は自分の言葉で書き、重要な情報は元の出典(公式の資料など)を確かめて示します。
公式ヘルプの説明を引用するときは、何に気をつけますか?
引用部分をかぎ括弧などで区別し、出典のページを示します。引用は説明に必要な範囲にとどめ、自分の説明が主になるようにします。公式の説明は変わることがあるため、確認した日も記録します。引用が認められる条件と出典の書き方の型は「引用のルール」で説明しています。
盗用されたページが検索結果で自社より上に出ています。どうすればよいですか?
まず自社のページがインデックスされているかを URL 検査で確かめます。そのうえで相手に連絡し、解決しない場合は著作権者として Google に削除を申し立てます。申し立ての判断に迷うときは専門家に相談してください。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT の品質チェックでは、公開前に確かめる項目を一覧で示し、必要に応じて「盗作チェック」を実行できます。盗作チェックは Google 検索で見つかるページとの一致の目安で、すべての文書と照合するものではありません。最終的な確認は担当者が行います。
また、記事改善の画面では、似た記事が複数ある場合に「記事どうしを整理」を候補として示します。記事の重なりは候補であり、必ず統合すべきとは限りません。
参考情報
- Google 検索セントラル:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー
- Google 検索セントラル ブログ:重複コンテンツによるペナルティの誤解を解く
- Google 検索セントラル:生成 AI コンテンツに関する Google 検索のガイダンス
- Legal ヘルプ:法的な理由でコンテンツを報告する
- 透明性レポート ヘルプセンター:著作権侵害による Google 検索結果の削除に関するよくある質問
- Google 検索 ヘルプ:Google 検索の結果を絞り込む
- Google 検索セントラル:スパム、フィッシング、マルウェアを報告する
- 文化庁:著作権制度の概要について(令和6年度 著作権事務担当者講習会)



