この記事の要点:
- CV(コンバージョン)とは、サイトを訪れた人に達成してほしい行動のことです。問い合わせの送信、資料請求、購入、会員登録などがあたります。履歴書の「CV」とは別の言葉です。
- CV は、事業の成果そのものにあたる「最終 CV」と、その手前の行動を表す「マイクロ CV」に分けて決めます。BtoB のサイトなら、問い合わせ完了を最終 CV、料金ページの閲覧や資料のダウンロードをマイクロ CV にする、といった分け方です。
- GA4 では、成果として印を付けたイベントを「キーイベント」と呼びます。「コンバージョン」は、Google 広告で入札や広告の評価に使う行動を指す言葉になりました。
- CV の数は、数え方(イベントごと/セッションごと)や、どの時点で数えるか(ボタンのクリックか、送信の完了か)で変わります。報告では定義を書き添えます。
コンバージョン(CV)とは:サイトで達成してほしい行動
コンバージョン(Conversion、略して CV)とは、Web マーケティングで、サイトを訪れた人に達成してほしい行動のことです。英語の conversion は「転換」という意味で、閲覧していただけの人が、問い合わせをする人や買う人に変わることを指します。
何を CV にするかは、サイトの目的によって決まります。
| サイトの種類 | CV の例 |
|---|---|
| BtoB の企業サイト・サービスサイト | 問い合わせの送信、資料請求、無料トライアルの申し込み、セミナーの申し込み |
| EC サイト | 購入、カートへの追加、会員登録 |
| メディア・オウンドメディア | メールマガジンの登録、会員登録、関連サービスのページへの移動 |
| 店舗・地域のサービス | 予約、電話のタップ、来店の経路の表示 |
表は説明用の例です。CV は、自社の売上や商談に近い行動から順に決めます。
なお、「CV」は Web マーケティング以外でも使われる略語です。英文の履歴書(Curriculum Vitae)や、アニメなどの声の出演(キャラクターボイス)も CV と書かれます。この記事で扱うのは、Web サイトの成果としての CV です。
CVの種類:最終CVとマイクロCV
CV は、事業の成果そのものにあたる「最終 CV」と、その手前の行動を表す「マイクロ CV」に分けて設計します。最終 CV だけを数えると、件数が少ないうちは改善の手掛かりが見えにくいため、手前の行動も記録しておくと、どこで人が止まっているかを調べられます。
| 種類 | 意味 | 例(BtoB サイト) | 見る目的 |
|---|---|---|---|
| 最終 CV(マクロ CV) | 事業の成果に直結する行動 | 問い合わせの送信完了、資料請求の完了 | サイトの成果を評価する |
| マイクロ CV | 最終 CV の手前の、関心の高さを表す行動 | 料金ページの閲覧、事例ページの閲覧、フォームの入力開始、CTA ボタンのクリック | どこまで進んで止まったかを調べる |
マイクロ CV を決めるときは、「その行動をした人は、しなかった人より最終 CV に近いか」を基準にします。どのページを見ても数える、のように広く取りすぎると、成果と関係の薄い数字が増えるだけになります。
上位の解説記事では、ほかにも「総 CV とユニーク CV」「直接 CV と間接 CV」「クリックスルー CV とビュースルー CV」といった分け方が紹介されています。これらは主に広告の成果を評価するときの数え方の違いで、自社サイトの CV を決める段階では、まず最終 CV とマイクロ CV を分ければ十分です。
何をCVにするか:BtoBサイトでの決め方
CV は、「売上や商談につながる行動か」「サイト上で確実に数えられるか」の 2 つで決めます。BtoB のサイトでは、購入がサイト上で完結しないことが多いため、問い合わせや資料請求の完了を最終 CV にするのが一般的な考え方です。
| 候補 | 最終 CV/マイクロ CV | GA4 のイベント名の例 | 数えるタイミング |
|---|---|---|---|
| 問い合わせ・資料請求の完了 | 最終 CV | generate_lead | 送信が正常に受け付けられたとき(ボタンを押したときではない) |
| 無料トライアルの申し込み完了 | 最終 CV | sign_up | 登録が完了したとき |
| フォームの入力開始 | マイクロ CV | form_start | 最初の項目に入力したとき(1 回だけ) |
| CTA ボタンのクリック | マイクロ CV | 独自のイベント名(例:cta_click) | ボタンを押したとき |
| 料金ページの閲覧 | マイクロ CV | page_view(ページの条件で絞り込む) | ページが表示されたとき |
generate_lead は、アナリティクス ヘルプの説明の例にも出てくるイベント名です。そのほかの名前は説明用の例で、決まった名前ではありません。当サイトでは、cta_click と form_start という名前を使っています。イベントの 4 つの種類と名前の決まりは「GA4のイベントの種類」で説明しています。
決める手順
- 営業や経営の担当者と、サイトから生まれてほしい成果(問い合わせ、資料請求など)を 1〜3 個に絞ります。
- それぞれの成果が「サイト上のどの画面で完了したと分かるか」を決めます。完了画面か、送信成功の処理か、を確かめます。
- 完了の手前で、関心の高さを表す行動をマイクロ CV として選びます。
- それぞれをイベントとして計測し、最終 CV にあたるイベントを GA4 でキーイベントとしてマークします。
- 定義(イベント名・数えるタイミング・数え方)を表にして、社内で共有します。
イベントをキーイベントにする画面の操作は「GA4のキーイベントの設定方法」で説明しています。タグを入れる方法はGoogleタグマネージャーの使い方で扱っています。
GA4のキーイベントとGoogle広告のコンバージョンの違い
GA4 では、成果として印を付けたイベントを「キーイベント」と呼び、「コンバージョン」は Google 広告で使う行動を指す言葉として分けられています。アナリティクス ヘルプ「Google アナリティクスのコンバージョンとキーイベント」は、次のように説明しています(2026 年 10 月 13 日確認)。
- 「今後、ビジネスの成果にとって重要なアクションを測定するイベントは『キーイベント』と呼ばれるようになります」
- 「『コンバージョン』は、広告キャンペーンのパフォーマンスを測定し、入札戦略を最適化するために使う重要なアクションを指すようになりました」
名前を変えた理由について、ヘルプは、以前は GA4 でコンバージョンとしてマークしたイベントと、Google 広告のコンバージョンの数え方が違い、両者の数が一致しなかったためと説明しています。
| 用語 | 使う場所 | 中身 |
|---|---|---|
| イベント | GA4 | ページの表示、クリック、フォームの送信など、計測した行動のすべて |
| キーイベント | GA4 | イベントのうち、事業の成果にとって重要な行動として印を付けたもの |
| コンバージョン | Google 広告(GA4 の「広告」セクションにも表示) | キーイベントなどをもとに作り、広告の成果の測定と入札に使う行動 |
ヘルプでは、流れを「イベント → キーイベント → コンバージョン」と示しています。広告を使わず、SEO などの成果を GA4 で見るだけなら、キーイベントを設定すれば足ります。Google 広告 ヘルプ「コンバージョン測定について」によると、GA4 から Google 広告へ取り込めるのは、キーイベントとしてマークされたイベントだけです。また、アナリティクス ヘルプは、Google 広告のコンバージョンは GA4 の標準レポートには表示されないとしています。
「GA4でコンバージョンが見当たらない」ときの読み替え
以前の解説記事や社内の資料で「GA4 のコンバージョン」と書かれているものは、今の画面では「キーイベント」と読み替えます。ヘルプによると、以前コンバージョンとして設定していたものは、対応しなくてもキーイベントとして作成・レポートされ、過去のデータもキーイベントのデータとして使えます。
CVの数え方:イベントごと・セッションごとで数が変わる
CV の数は、同じ行動でも「何回目まで数えるか」によって変わります。GA4 のキーイベントには 2 つのカウント方法があり、アナリティクス ヘルプ「キーイベントのカウント方法を変更する」では次のように説明しています(2026 年 10 月 13 日確認)。
| カウント方法 | 数え方 | 1 回のセッションで 5 回起きた場合 |
|---|---|---|
| イベントごとに 1 回(推奨) | 起きるたびに数える | 5 件 |
| セッションごとに 1 回(従来版) | 1 回のセッションの中では 1 回だけ数える | 1 件 |
ヘルプによると、ユニバーサル アナリティクスの目標から移行して作られたキーイベントなど、一部は「セッションごとに 1 回」が初期設定になっています。カウント方法を変えても、変更後に起きたキーイベントにだけ適用され、過去のデータは変わりません。
報告で数字がずれる原因は、カウント方法のほかにもあります。
- 数えるタイミング:ボタンのクリックで数えると、送信に失敗した分や二重クリックも数えてしまう
- 完了ページの再表示:完了ページの表示で数えると、再読み込みやブックマークからの再表示で重複する
- GA4 と Google 広告の違い:広告のコンバージョンは計測期間や数え方の設定が別にある
- テストの送信:社内の確認で送ったフォームが混ざる
このため、CV の数を共有するときは「イベント名・カウント方法・期間・流入経路」を添えます。
CVとCVR・CPA・ROASの関係
CV は「成果の数」で、CVR・CPA・ROAS は CV をもとに計算する指標です。CV の定義が変わると、これらの指標もすべて変わるため、先に CV を決めてから率や費用の指標を見ます。
| 用語 | 意味 | 計算 | 主に使う場面 |
|---|---|---|---|
| CV(コンバージョン) | 達成してほしい行動、またはその数 | — | サイトの成果を数える |
| CVR(コンバージョン率) | 訪問などのうち CV に至った割合 | CV ÷ 母数(セッションなど)× 100 | ページや流入経路の比較 |
| CPA(獲得単価) | CV 1 件あたりにかかった費用 | 費用 ÷ CV | 主に広告の評価 |
| ROAS(広告費用対効果) | 広告費に対して得られた売上の割合 | 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100 | 売上が計測できる広告の評価 |
CVR の母数(セッションか、ユーザーか、広告のクリックか)の選び方と、GA4 の「セッションのキーイベント率」の見方は「CVR(コンバージョン率)とは」で説明しています。ページの改善で CVR を上げる進め方はLPOとはで扱っています。
よくある誤解と実際
| よくある誤解 | 実際 |
|---|---|
| GA4 からコンバージョンが無くなった | GA4 での名前が「キーイベント」に変わった。コンバージョンは Google 広告で使う行動を指す(アナリティクス ヘルプ) |
| ボタンのクリック数が CV の数 | クリックは途中の行動。成果は送信が正常に受け付けられた時点で数える |
| CV は 1 つに絞らなければならない | 最終 CV は少数に絞り、手前の行動はマイクロ CV として別に記録する |
| CV の件数が増えれば必ず良い | テスト送信や重複が混ざっていないか、定義が途中で変わっていないかを先に確かめる |
当サイトで決めているCV
当サイト(seoagent.jp)では、「ボタンを押しただけでは成果にしない」という方針で、成果に近い順に 3 つのイベントを分けて送っています。テーマとプラグインのコードに実装している内容は次のとおりです。
| イベント名 | 送るタイミング | 位置づけ |
|---|---|---|
| cta_click | 資料請求・相談などのボタン(計測用の印を付けたリンク)が押されたとき。どのボタンかをパラメータで送る | マイクロ CV。コードのコメントに「クリックの記録のみ」と明記し、成果としては扱わない |
| form_start | 問い合わせフォームの最初の入力があったとき(1 回だけ) | マイクロ CV |
| generate_lead | 問い合わせ・資料請求が正常に受け付けられ、受付の完了画面を最初に表示したとき(1 回だけ)。フォームの種類・問い合わせの種類・表示言語をパラメータで送る | 最終 CV の候補 |
generate_lead は、URL に完了の印が付いているだけでは送りません。サーバー側で有効な受付の記録があり、まだ送っていない場合にだけ送るため、完了画面の再読み込みや URL の直接入力では重複しません。
一方、確認できていないこともあります。
- GA4 の管理画面で generate_lead をキーイベントとしてマークしているかは、コードからは確かめられません。キーイベントのマークは GA4 の管理画面の設定のためです。
- サービス本体(別のドメイン)での無料登録の完了をどこで数えるかは、まだ決めていません。サイト側で数えられるのは、登録画面へ移るボタンのクリック(cta_click)までです。
当サイトの GA4 で記録できている数はまだ少なく(2025 年 6 月 16 日〜2026 年 10 月 6 日の全体のセッションが 46、自然検索からのセッションは 0、Site Kit 経由で取得)、CV の件数を評価できる段階ではありません。件数が少ないうちは、定義を決めて計測を正しく動かしておくことを優先しています。
AI検索とCV:AIの回答から来た人の成果の見方
AI による回答の中のリンクから来た人が問い合わせをすれば、その CV も GA4 では通常どおりキーイベントとして記録されます。どこから来た人の CV かは、デフォルト チャネル グループで分けて見られます。
アナリティクス ヘルプ「デフォルト チャネル グループ」によると、ChatGPT、Gemini、Copilot などからの訪問は「AI アシスタント」というチャネルに分類され、Google の AI による概要と AI モードからの訪問は「オーガニック検索」に含まれます(2026 年 10 月 13 日確認)。このため、AI アシスタント経由の CV はチャネル別に確かめられますが、Google の AI による概要を経由した CV だけを、通常の検索結果からの CV と分けて数えることは、この定義ではできません。
Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」は、Search Console に加えて、Google アナリティクスなどでサイトのコンバージョンを計測できるとしています。AI からの訪問の見方は「GA4の参照元(リファラー)の見方」で説明しています。
よくある質問
CVとCVRの違いは何ですか?
CV は達成してほしい行動、またはその数です。CVR は、訪問などのうち CV に至った割合で、「CV ÷ 母数 × 100」で計算します。CV の定義が決まってから CVR を計算します。
コンバージョンは何を設定すればよいですか?
売上や商談に最も近く、サイト上で確実に完了が分かる行動を最終 CV にします。BtoB のサイトなら、問い合わせや資料請求の送信完了が候補です。その手前の行動はマイクロ CV として別に記録します。
GA4でコンバージョンが見当たらないのはなぜですか?
GA4 では、成果として印を付けたイベントの名前が「キーイベント」に変わったためです。以前のコンバージョンの設定は、キーイベントとして引き続き使えます。
CVは1つに絞るべきですか?
成果として評価する最終 CV は 1〜3 個程度に絞ると、判断がぶれにくくなります。ただし、手前の行動もマイクロ CV として記録しておくと、どこで止まっているかを調べられます。
サンクスページの表示回数をCVにしてもよいですか?
使えますが、再読み込みや直接のアクセスで重複して数えるおそれがあります。送信が正常に受け付けられた時点で 1 回だけイベントを送る方法のほうが、重複を防げます。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT では、Search Console と GA4 を連携し、「流入と成果」で、GA4 の自然検索からの訪問と、成果として設定したキーイベントを確認できます。記事ごとの数字から、改善の手掛かりへ進めます。
キーイベントそのものの設定や、サイトへの計測タグの設置は、お客様の GA4 や Google タグ マネージャーで行います。SEOAGENT がサイトにタグを入れることはありません。取得できないデータを「0件」とは扱いません。
コンバージョン(CV)と関わる分析・効果測定の記事は「分析・効果測定の記事一覧」にまとめています。



