この記事の要点:
- 学習塾のSEOは、保護者や生徒が使う検索語を「地域名+塾」「学年・受験・科目」「料金・時間」「悩み」などに分け、それぞれを教室ページ・コースページ・コラムのどれで受けるかを決めるところから始めます。
- 「地域名+塾」のような検索では、検索結果に地図の枠(ローカル検索結果)が出ることが多く、Google ビジネス プロフィールと Web サイトの両方を整える必要があります。
- 教室ごとのページを、地名だけ変えた同じ文章で量産すると、Google のスパムに関するポリシーの「誘導ページ」に近づきます。教室ごとに固有の情報を書きます。
- 合格実績や成績の伸びは、景品表示法の優良誤認表示や、特定商取引法の誇大広告の禁止に関係します。数字には条件と根拠を添えます。
学習塾のSEOで最初に決めること
学習塾のSEOで最初に決めるのは、「どの検索語を、どのページで受けるか」です。学習塾を探す人は、近くの塾を探す人、受験や学年に合うコースを探す人、料金を比べる人、勉強の悩みを調べる人に分かれ、知りたいことが違います。1 つのトップページですべてに答えようとせず、検索語の種類ごとに受け皿のページを決めます。
次に決めるのは、どの地域で見つけてもらうかです。通える範囲が限られる業種なので、全国向けの大きな語より、教室のある地域の語のほうが問い合わせにつながりやすいと考えられます。決めることを並べると、次のとおりです。
- 対象の地域(教室のある市区町村、駅、通学圏)
- 対象の学年・目的(小学生の補習、高校受験、大学受験など)
- 検索語の種類ごとの受け皿のページ(教室・コース・コラム)
- 成果として数える行動(体験授業の申込み、資料請求、電話)
- Google ビジネス プロフィールと Web サイトの役割
保護者・生徒が使う検索語の種類
学習塾を探す検索語は、「地域」「学年・目的」「条件(料金・時間・形式)」「悩み」の 4 つの軸の組み合わせでできています。当サイトで Ahrefs(日本の検索データ)を使い、2026 年 10 月 13 日に代表的な語を調べた結果は次のとおりです。検索数は Ahrefs の推計(直近 12 か月の月平均)で、実際の検索回数そのものではありません。
| 検索語 | 月間検索数(推計) | 検索結果に出る主な枠 | 検索する人の目的 |
|---|---|---|---|
| 個別指導塾 | 50,000 | 地図の枠(ローカルパック)、他の人はこちらも質問 | 近くの個別指導塾を探す、形式を知る |
| 高校受験 塾 | 4,300 | 地図の枠、AI による概要、他の人はこちらも質問 | 受験に向く塾を探す・比べる |
| 塾 東京 | 300 | 地図の枠、他の人はこちらも質問 | 地域で塾を探す |
| 塾 口コミ | 300 | AI による概要、他の人はこちらも質問 | 評判を確かめる |
| 学習塾 料金 | 150 | 他の人はこちらも質問 | 費用の目安を知る |
調べた語の多くで地図の枠が出ていました。地域を含む語や、近くの施設を探す語では、Web サイトの通常の検索結果だけでなく、Google ビジネス プロフィールの情報も表示の対象になります。「塾 口コミ」は Ahrefs の難易度(KD)が 64 と高く、口コミをまとめた大きなサイトが上位を占める語だと読めます。自塾のサイトで狙うより、自塾の名前と組み合わせた検索で正しい情報が見つかるようにするほうが現実的です。
実際に自塾のサイトに来ている検索語は、Search Console の「検索パフォーマンス」で確かめます。調べた検索数は市場の目安で、自塾のサイトでの表示回数とは別の数字です。検索語の調べ方は「検索クエリとは」で説明しています。
ページの割り当て:教室・コース・コラム
ページの割り当ては、「その検索をした人が、最初に見たい情報が何か」で決めます。近くの塾を探す人には教室の場所と通いやすさ、受験のコースを探す人には対象と内容、悩みを調べる人には答えそのものが必要です。
| 検索語の種類 | 例 | 受けるページ | そのページに書くこと |
|---|---|---|---|
| 地域+塾 | 例:〇〇駅 塾、〇〇市 個別指導 | 教室ページ | 所在地、最寄り駅からの道順、開いている時間、対象学年、その教室の講師・設備・自習室 |
| 学年・受験・科目 | 例:中学生 数学 塾、高校受験 対策 | コースページ | 対象、授業の形式、時間割の例、教材、受講までの流れ |
| 料金・時間 | 例:個別指導 料金、塾 何時まで | 料金ページ、コースページ | 料金の内訳(入塾金・授業料・教材費など)、支払い方法、解約の条件 |
| 悩み | 例:中学 数学 苦手 克服 | コラム | 悩みへの答え、家庭でできること、関係するコースへの案内 |
| 塾名 | 例:自塾の名前、自塾の名前+教室名 | トップページ、教室ページ | 正式名称、教室の一覧、問い合わせ先 |
例の検索語は説明用です。料金ページでは、入塾金・授業料・教材費などを分けて書き、合計がいくらになるかを読み手が計算できるようにします。料金の書き方は、後で説明する特定商取引法の決まりにも関係します。
コラムは、悩みの検索で見つけてもらい、コースや体験授業の案内につなぐ役割です。同じ悩みを扱うコラムを何本も作ると、互いに検索で競い合うことがあります。1 つの悩みに 1 本を目安にし、足すときは既存の記事に書き足します。細かい語の拾い方は「ロングテールキーワードとは」で説明しています。
複数教室のページで重複を避ける
複数の教室がある塾では、教室ページを、地名だけを変えた同じ文章で作らないことが大切です。Google 検索セントラル「スパムに関するポリシー」は、「誘導ページの不正使用」の例として、「特定の地域や都市を対象としたドメイン名やページを複数持ち、それらのドメインから 1 つのページにユーザーを誘導する」ことや、「内容が類似する複数のページを作成する」ことを挙げています(2026 年 10 月 13 日確認)。
実際に教室がある地域のページを作ることは問題ではありません。問題になるのは、読み手にとって中身の違いがなく、検索の入口を増やすためだけに作られたページです。教室ページには、その教室にしかない情報を書きます。工事の種類と地域でページを分ける業種の例は「リフォーム会社のSEO」で説明しています。
| 教室ページに書ける固有の情報 | 確かめ方 |
|---|---|
| 所在地・最寄り駅・道順・駐輪場 | 教室の担当者が実際の道順で確認 |
| 開いている曜日と時間、自習室の使い方 | 教室の運用表と照らす |
| 対象の学年・コース(教室によって違う場合) | コースの一覧と照らす |
| 近隣の学校の定期テストの時期に合わせた対策 | 教室で実際に行っている内容だけ |
| 教室の写真(外観・教室・自習室) | 撮影した日と場所を記録 |
教室がない地域の名前を並べたページは作りません。通塾の範囲を示したい場合は、教室ページの中で「〇〇駅・〇〇駅からも通われています」のように、事実の範囲で書きます。
合格実績・成績向上の書き方と表示の決まり
合格実績や成績の伸びは、学習塾のサイトで最も見られる情報の一つですが、事実と違う表示や、誤解させる表示は法律で禁じられています。書くときは、数字の条件(年度・対象・数え方)と、その裏付けの記録をそろえます。
景品表示法の優良誤認表示
消費者庁の「優良誤認とは」のページは、景品表示法第 5 条第 1 号が、商品・サービスの品質や内容について「実際のものよりも著しく優良であると示す」表示などを禁止していると説明しています。また、故意でなく誤って表示した場合でも規制の対象になること、消費者庁長官が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、提出されない場合は不当表示とみなされること(不実証広告規制)も説明しています(2026 年 10 月 13 日確認)。
特定商取引法の誇大広告の禁止
消費者庁の特定商取引法ガイドによると、学習塾は「特定継続的役務提供」の対象の一つで、提供期間が 2 か月を超え、契約金の総額(入学金・受講料・教材費などを含む)が 5 万円を超えるものが対象になります。対象の取引では、役務の内容などについて「著しく事実に相違する表示」や「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」が禁止されています(法第 43 条、2026 年 10 月 13 日確認)。対象になるかどうかの細かい条件は、同ガイドで確かめてください。
実績を書くときの確認表
| 書きたいこと | 確かめること | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 合格者数 | どの年度か。在籍の条件(通年の塾生か、講習だけの参加者を含むか)。数え方(延べか実人数か) | 例:「2026 年度入試、通年在籍の塾生の合格者数(延べ)」と条件を添える |
| 成績の伸び | 誰の、どの試験の、いつからいつまでの変化か。一部の生徒だけの結果ではないか | 例:対象と期間を明記し、全員がそうなるとは書かない |
| 「地域で一番」などの比較 | 比べた範囲と根拠の資料があるか | 根拠がなければ書かない |
| 生徒・保護者の声 | 本人の了承があるか。実際の声か | 作った声は載せない |
例の書き方は説明用です。法的な判断が必要な場合は、消費者庁の資料を確かめたうえで、専門家に相談してください。広告の決まりがある業種の書き方の例として、不動産のSEOでも表示の決まりを扱っています。
Googleビジネスプロフィールとの役割分担
Google ビジネス プロフィールは地図や地域の検索で教室を見つけてもらう入口で、Web サイトは教室やコースの詳しい説明で申込みを決めてもらう場所です。Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」は、ローカル検索結果は主に「関連性」「距離」「知名度」に基づいて表示されると説明しています(2026 年 10 月 13 日確認)。
| 項目 | Google ビジネス プロフィール | Web サイト |
|---|---|---|
| 役割 | 地図・地域の検索で見つけてもらう、営業時間や道順を伝える | コース・料金・講師・方針を詳しく伝え、申込みにつなぐ |
| 名前 | 看板などで実際に使っている名称。宣伝文句や地名を足さない | 正式名称と教室名をそろえる |
| 教室が複数ある場合 | 拠点ごとに 1 つ。同じ拠点に複数作らない | 教室ごとのページを作り、プロフィールから各教室のページへつなぐ |
| 情報の更新 | 営業時間(特別営業時間を含む)を最新に | 季節講習・時間割を最新に。両方の情報をそろえる |
「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」は、ビジネス名にマーケティングのタグラインやサービスの情報を含めないこと、同じビジネス拠点に複数のページを作成しないこと、ウェブサイトはビジネス拠点ごとに 1 つ指定することなどを定めています(2026 年 10 月 13 日確認)。教室ごとのプロフィールに、その教室のページの URL を指定すると、地図から来た人が必要な情報にすぐたどり着けます。
MEO(地図の検索での対策)と SEO はどちらか一方ではなく、入口と説明の役割を分けて両方を整えます。Web での集客の方法の全体像は「Web集客とは」で説明しています。
効果の測り方:問い合わせ・体験申込みを計測
学習塾のSEOの効果は、検索での表示やアクセスの数ではなく、体験授業の申込みや資料請求など、入塾につながる行動の数で測ります。表示やアクセスは途中の指標として見ます。
- GA4 で、体験授業の申込み完了・資料請求の送信・電話番号のクリックなどを「キーイベント」として設定します。
- Search Console の「検索パフォーマンス」を開き、「クエリ」のフィルタで地域名や教室のある駅名を含む検索語に絞り込みます。
- 同じ画面の「ページ」タブで、その検索語で表示されている教室ページを確かめます。目的と違うページ(例:トップページやコラム)が表示されていれば、教室ページの内容と内部リンクを見直します。
- GA4 で、教室ページから始まったセッションのキーイベントの数を、月ごとに記録します。
- 季節講習の募集時期など、塾特有の波があるため、前の月とだけでなく前の年の同じ月とも比べます。
Search Console の数字は Google 検索の結果での表示とクリック、GA4 の数字はサイトに来た後の行動で、別のデータです。2 つを同じ数として比べないようにします。
AIによる概要・AIモードで塾の情報がどう使われるか
AI による概要や AI モードで塾の情報が使われるために、特別な対策は求められていません。Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」は、AI 機能に表示されるための追加の要件はなく、SEO のベスト プラクティスが引き続き有効だと説明し、表示されるために新しいファイルや特別な構造化データを作る必要もないとしています(2026 年 10 月 13 日確認)。
調べた検索語のうち「高校受験 塾」「塾 口コミ」では、検索結果に AI による概要が出ていました。AI の回答は、塾を選ぶときの考え方や比べる観点をまとめることが多く、その後に読み手が個別の塾を調べるときの材料は、各塾のサイトとビジネス プロフィールです。料金の内訳、対象学年、時間割、合格実績の条件など、読み手が比べたい情報を、確かめられる形でページに書いておくことが基本になります。
AI の回答に表示されたかどうかを、自塾のサイトの数字だけで正確に分けることはできません。Search Console では、AI 機能に表示されたサイトのデータは検索タイプ「ウェブ」のパフォーマンス レポートに含まれます。
よくある質問
学習塾のホームページにブログは必要ですか?
必須ではありません。先に教室ページ・コースページ・料金ページを整えるほうが、申込みに近い検索に答えられます。ブログ(コラム)は、保護者や生徒の悩みの検索で見つけてもらい、コースにつなぐ役割として、答えられる悩みから 1 本ずつ足していきます。
教室ごとにページを分けるべきですか?
教室ごとに所在地・時間・対象・設備などが違うなら、分けたほうが地域の検索に答えやすくなります。ただし、地名だけを変えた同じ文章のページは作りません。教室ごとに固有の情報が書けない場合は、1 ページに教室の一覧をまとめるほうが読み手にも分かりやすくなります。
合格実績はどう書けば問題ありませんか?
年度、対象(通年の塾生か、講習だけの参加者を含むか)、数え方(延べか実人数か)を数字に添え、裏付けの記録を残します。「地域で一番」のような比較は、根拠の資料がなければ書きません。判断に迷う場合は、消費者庁の資料を確かめたうえで専門家に相談してください。
MEOとSEOはどちらを先にやるべきですか?
どちらか一方ではなく、まず Google ビジネス プロフィールの基本情報(名前・住所・営業時間・Web サイトの URL)を正しくし、その URL の先にある教室ページを整える、という順が進めやすい方法です。地図から来た人が、教室ページで申込みを決められる状態を目指します。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT の戦略・キーワード調査では、登録したサイトの方針(提供するサービス、解決する顧客の課題、購入前によく聞かれる質問など)をもとにテーマの候補を集め、候補ごとに「具体的な疑問」「ページの役割」「既存ページ」「推奨の行動」を一覧で確かめられます。推奨の行動は「新規」「既存の更新」「統合検討」などに分かれ、似た記事を増やす前に既存のページを育てる選択肢も検討できます。
品質チェックでは、記事の主張を登録した資料や出典と照らし、確認できたものと確認できないものを分けて示します。「数字・体験・実績」も確認項目に含まれます。チェックは正確性や表示の適法性を保証するものではないため、合格実績などは自塾の記録と担当者の確認で確かめてください。
学習塾のSEOと関わる記事・サイト改善の記事は「記事・サイト改善の記事一覧」にまとめています。



