この記事の要点:
- ロングテールキーワードとは、1つ1つの検索数は少ないものの、検索する人の知りたいことがはっきりしている具体的な検索語です。何語から、何回からという公式の基準はありません。
- 知りたいことが具体的なので答える内容を決めやすく、自社の経験や資料を生かしやすい一方、1語あたりの流入は少なく、語ごとに記事を作ると似た記事が増えます。
- 探すときは、検索候補(サジェスト)、検索結果の関連する質問、Search Console、社内でよく受ける質問、キーワードプランナーを組み合わせます。
- 集めた語は「知りたいことが同じか」でまとめ、同じ答えで満たせる語は1つの記事にします。1語1記事にすると、記事どうしが競い合う原因になります。
- 検索数が「不明」や「0」でも、需要が無いとは限りません。自社との関係と、検索結果に並ぶページの内容を見て判断します。
ロングテールキーワードとは:ビッグ・ミドルとの違い
ロングテールキーワードとは、1つ1つの検索数は少ないものの、検索する人の知りたいことがはっきりしている、具体的な検索語です。「〇〇 やり方 初心者」「〇〇 費用 相場 小規模」のように、複数の語を組み合わせた形や、文章に近い形が多くなります。
検索語を検索数の多い順に並べてグラフにすると、検索数の少ない語が長い尾(テール)のように続くことから、この名前が付きました。1語ずつの数は小さくても、種類がとても多いため、合わせると無視できない量になる、という考え方です。
| 種類 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| ビッグキーワード | 例:「コーヒー」 | 検索数が多い。知りたいことが人によってばらばらで、1つのページで答えきるのが難しい |
| ミドルキーワード | 例:「コーヒーメーカー 選び方」 | テーマがある程度絞られている |
| ロングテールキーワード | 例:「コーヒーメーカー 一人暮らし 手入れ 簡単」 | 検索数は少ないが、知りたいことと状況が具体的 |
この3つの分け方は、SEOの現場で使われる目安で、Googleが定めた分類ではありません。「月間〇回以下ならロングテール」「3語以上ならロングテール」といった線引きも、分野やサイトの規模によって変わります。語の数より、「知りたいことと状況がどれだけ具体的か」で考えると判断しやすくなります。
Googleは、毎日の検索のうち約15%はそれまでに見たことのない検索だと、検索の仕組みを説明するページ「How Search Works」で公表しています(2026年10月10日に確認)。検索語の種類がそれだけ多く、具体的な言い回しで検索されることが多いという背景の一つと言えます。
ロングテールキーワードのメリットとデメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 知りたいことがはっきりしているため、答える内容を決めやすい | 1つの語だけでは、流入が少ない |
| 大きなサイトが個別には狙っていないことがあり、新しいサイトでも検討しやすい | キーワードツールで検索数が「不明」や「0」と表示されることがある |
| 購入や問い合わせの直前の疑問が含まれることがあり、自社のサービスとつながりやすい | 1語ごとに記事を作ると、似た記事が増えて管理が難しくなる |
| 自社の経験や事例、資料など、独自の情報を生かしやすい | サイト全体の流入として目に見える量になるまで、記事の数と時間が必要になる |
メリットは「起きやすい」ことで、必ずそうなるわけではありません。例:検索数の少ない語でも、その語で上位に大手の比較サイトや公式サイトが並んでいれば、新しいサイトが入り込むのは簡単ではありません。ツールのキーワード難易度が低い語でも同じことが起きる理由は「キーワード難易度(KD)とは」にまとめています。語を選ぶときは、実際に検索して結果を見ることが欠かせません。
デメリットの多くは、関連する語をまとめて1つの記事で答えることで小さくできます。まとめ方は後の章で説明します。
検索数が少ない・「不明」の語をどう扱うか
ロングテールキーワードは、ツールで検索数が「不明」や「0」と表示されることがよくあります。これは「だれも検索していない」という意味とは限りません。
- Google 広告のキーワードプランナーの検索数は、その語と完全に一致する検索の、月ごとの平均です。言い回しが少し違う検索は、別の語として数えられます。
- Search Consoleでは、ごく少ない人しか検索していない語は、プライバシーを守るため、語として表に表示されません(匿名化されたクエリ)。その語での表示やクリックは、グラフの合計には含まれますが、表には出てきません。
- 新しい言葉や、季節・出来事で急に増えた語は、ツールの数字に反映されるまでに時間がかかることがあります。
そのため、検索数の数字だけで捨てず、次の順で判断します。
- 自社の商品・サービスや、読者の課題と関係があるか
- 実際に検索すると、その疑問に答えるページが並んでいるか(並んでいれば、検索する人がいる手がかりになります)
- 社内でよく受ける質問や、問い合わせの中に同じ疑問があるか
- その語に答えると、関連するほかの語にも答えられるか
当サイト(seoagent.jp)では、改修前の2025-06-16〜2026-10-06のSearch Consoleで、表示回数が10、表示されたのはトップページだけでした。このように表示の少ない段階のサイトでは、Search Consoleから具体的な語を拾うことはまだできません。社内の質問や検索結果など、Search Console以外の情報源が中心になります。
ロングテールキーワードの探し方:5つの情報源
| 情報源 | 分かること | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 検索候補(サジェスト) | 語を入れたときに続けて検索されやすい言葉 | 候補を広く集める |
| 検索結果の関連する質問 | 「他の人はこちらも質問」などに出る具体的な疑問 | 記事で答える問いを集める |
| Search Console | 自社サイトがすでに表示されている語 | 表示が増えてきたサイトで、既存記事の改善に使う |
| 社内でよく受ける質問 | 営業やサポートで実際に聞かれる言葉 | 自社ならではの答えを書く |
| キーワードプランナー | 関連する語と、検索数の目安 | 候補の量の目安を比べる |
検索結果の関連する質問から問いを集める
- 軸になる語(例:「コーヒーメーカー 手入れ」)で検索します。
- 検索結果に出る「他の人はこちらも質問」や、ページ下部の関連する検索を書き出します。
- 質問を1つ開くと、続けて別の質問が表示されることがあります。気になる質問を開いて、関連する問いを広げます。
- 書き出した質問を、「手入れの方法」「手入れの頻度」「汚れの落とし方」のように、知りたいことごとに分けます。
表示される質問や関連する検索は、検索する時期や場所、端末によって変わります。一度の検索で決めず、何回か見て、繰り返し出てくる質問を重く見ます。
Search Consoleで具体的な語を絞り込む
Search Consoleの「検索パフォーマンス」では、検索キーワードのフィルタで「カスタム(正規表現)」を選ぶと、条件に合う語だけを表示できます。例:疑問や目的を表す言葉を含む語を見たいときは、次のように入れます。
(とは|やり方|方法|違い|比較|おすすめ|できない|費用)
例:語と語の間に空白が2つ以上ある(3語以上の)検索を見たいときは、次の形も使えます。
^S+(sS+){2,}$
正規表現の書き方を誤ると、結果が何も表示されないことがあります。何も出ないときは、まず式を見直します。表に表示されるのは最大1,000行なので、語の多いサイトではページで絞り込んでから見ると、見落としを減らせます。
社内の質問を語に直す
営業やサポートで受ける質問は、読者の言葉に近い候補です。例:「途中で解約できますか」という質問は、「〇〇 解約 途中」のような検索語として表れることがあります。質問をそのまま書き出し、検索窓に入れて候補や検索結果を確かめます。
候補を選ぶ手順:自社との関係と検索意図で絞り込む
集めた候補は、そのまま全部を記事にするのではなく、次の手順で絞り込みます。
- 自社と関係の薄い語を外す:読まれても自社の商品・サービスや専門分野につながらない語は、優先度を下げます。
- 検索意図を確かめる:実際に検索し、上位にどんな種類のページ(解説・手順・比較・商品ページなど)が並ぶかを見ます。並ぶページの種類が、求められている答えの形の手がかりです。
- 上位のページで足りない点を探す:上位のページが共通して扱っている要素は、読者に欠かせない答えの手がかりです。反対に、どのページも触れていない状況(例:一人暮らし、狭い台所、手入れに使える時間が短い)があれば、その語で答える余地があります。上位のページを写すのではなく、構成の参考にとどめます。
- 自社で答えられるかを確かめる:自社の経験・資料・データで、他のページより具体的に答えられるかを考えます。加工方法や材料などの専門語を例にした進め方は製造業のSEOで紹介しています。
- 既存の記事と重ならないかを確かめる:同じ疑問に答える記事がすでにあれば、新しく書かずにその記事を育てます。
- 優先順位を付ける:自社との関係の強さ、答えやすさ、関連する語の多さで並べます。
| 候補の例 | 自社との関係 | 判断 |
|---|---|---|
| 例:「コーヒーメーカー 一人暮らし 手入れ 簡単」(器具を扱う会社) | 強い | 優先して記事で答える |
| 例:「コーヒー 歴史 起源」(器具を扱う会社) | 弱い | 優先度を下げる |
| 例:「コーヒーメーカー 掃除 頻度」 | 強い。ただし手入れの記事と答えが重なる | 手入れの記事の中で答える |
記事へのまとめ方:1つの記事にまとめるか、分けるか
ロングテールキーワードは、1語に1記事ではなく、同じ答えで満たせる語をまとめて1つの記事にします。判断の軸は、検索した人が知りたいことが同じかどうかです。
- 集めた語を、知りたいことが同じかどうかでグループに分けます。
- 例:「コーヒーメーカー 手入れ 簡単」と「コーヒーメーカー 掃除 頻度」は、どちらも手入れの方法を知りたい語なので、1つの記事にまとめます。
- グループの中で代表になる語を決め、題名や冒頭の説明に使います。
- ほかの語は、見出しや本文の中で答える問いとして取り上げます。
- 知りたいことが違う語は、別の記事にするか、関連する記事へリンクで案内します。
| 確かめること | 1つの記事にまとめる | 別の記事にする |
|---|---|---|
| 検索結果の上位に並ぶページ | 2つの語で、ほぼ同じページが並ぶ | 並ぶページの顔ぶれや種類が違う |
| 求められている答えの形 | 同じ(どちらも手順など) | 違う(片方は手順、片方は比較など) |
| 1つの記事で答えたときの長さ | 読み通せる長さに収まる | 1つでは長すぎ、話題が散らばる |
| 読者の段階 | 同じ(どちらも購入後など) | 違う(購入前と購入後など) |
同じ答えになる語で記事を分けると、記事どうしが競い合うカニバリゼーションの原因になります。反対に、知りたいことが違う語を1つの記事に詰め込むと、どの読者にとっても答えが探しにくい記事になります。
例:集めた語をグループに分けると、次のようになります(説明用の例です)。
| グループ(知りたいこと) | 含まれる語の例 | 記事での扱い |
|---|---|---|
| 手入れの方法 | コーヒーメーカー 手入れ 簡単/コーヒーメーカー 掃除 やり方/コーヒーメーカー 洗い方 | 1つの記事の題名と主な見出しにする |
| 手入れの頻度 | コーヒーメーカー 掃除 頻度/コーヒーメーカー 洗う 毎日 | 同じ記事の中の1つの節で答える |
| 汚れの落とし方 | コーヒーメーカー 水垢 落とし方/コーヒーメーカー クエン酸 | 答えが長くなるなら別の記事にし、リンクでつなぐ |
| 選び方 | コーヒーメーカー 一人暮らし おすすめ | 知りたいことが違うので、別の記事にする |
新しく書くか、既存の記事に足すか
ロングテールキーワードは、新しい記事を作らなくても、既存の記事に節を足すことで答えられる場合が多くあります。次の表で判断します。
| 状況 | 選ぶこと |
|---|---|
| 既存の記事が同じ疑問に答えているが、説明が足りない | 既存の記事に節や表を足す |
| 既存の記事の一部で触れていて、その語で表示され始めている | その節を詳しくし、見出しを具体的にする |
| 既存の記事と知りたいことが違い、1つの記事で答えきれる量がある | 新しく記事を書き、既存の記事とリンクでつなぐ |
| 既存の記事に足すと、記事の主題がぼやける | 新しく記事を書く |
足したことで記事の題名や冒頭の説明と中身がずれていないかも、あわせて確かめます。
公開後の確かめ方
ロングテールキーワードの記事は、1語ごとの数字が小さいため、語ごとより記事ごとに見る方が変化をつかみやすくなります。検索数の大きい側の語をいつ狙うかは「ビッグキーワードとは」で説明しています。
- Search Consoleの検索パフォーマンスで、記事のURLで絞り込みます。
- 「検索キーワード」タブで、どんな語で表示されているかを見ます。狙った語以外の具体的な語が見つかれば、次に答える問いの候補になります。
- 表示されているのにクリックが少ない語があれば、題名や冒頭の説明がその疑問に合っているかを見直します。
- 同じ語で別の記事も表示されていれば、記事の役割が重なっていないかを確かめます。
検索結果に表示されるまでの時間や、表示されるかどうかは、ページやサイトによって異なり、決まった日数は公表されていません。公開から短い期間で判断せず、比べられるだけのデータがたまってから見直します。
よくある質問
ロングテールキーワードは何語からですか?
決まった語数はありません。2語でも知りたいことが具体的ならロングテールと考えられますし、語数が多くても意味のあいまいな語もあります。語数より、知りたいことと状況の具体さで判断します。
似たロングテールキーワードは別々の記事にすべきですか?
検索結果に同じようなページが並び、同じ答えで満たせるなら、1つの記事にまとめます。並ぶページの種類が違うなど、知りたいことが違う場合は別の記事にします。
ロングテールキーワードの記事は何本くらい必要ですか?
決まった本数はありません。自社の商品・サービスに関わる読者の疑問をグループにまとめ、そのグループの数が目安になります。本数より、似た記事が増えていないかに気をつけます。
AIによる検索が増えても、ロングテールキーワードは意味がありますか?
AIによる検索でも、具体的な疑問に具体的に答えるページが読まれる手がかりになる点は変わらないと考えられます。ただし、表示のされ方は変わり続けているため、AI検索の仕組みもあわせて確かめます。
ロングテールキーワードだけを狙っていれば、ビッグキーワードは不要ですか?
どちらか一方と決める必要はありません。具体的な疑問に答える記事を積み重ね、それらをまとめる記事から全体を説明する、という組み合わせがよく使われます。どの語をどの記事に割り当てるかは、自社との関係と、検索結果に並ぶページの内容から判断します。
SEOAGENTでできること
SEOAGENTのテーマ選定では、自社の商品やサービスに合うテーマを、検索される言葉、読者の具体的な疑問、すでにある記事と合わせて整理できます。候補ごとに「新規」「既存の更新」「統合検討」などの推奨の行動が示され、検索数が取れていない語は「不明」と表示されます。記事のまとまりを整理したり、決めたテーマから記事の作成へ進めたりすることもできます。
記事づくりと改善のほかの記事は「記事・サイト改善の記事一覧」にまとめています。



