この記事の要点:
- インタビュー記事とは、人に話を聞き、その内容を読み物にした記事です。社員・顧客・専門家の経験や考えを伝えられるため、自社にしか書けない一次情報になります。
- 書き方の流れは「目的と読者を決める → 依頼と同意の確認 → 質問を作る → 取材 → 文字起こし → 構成と執筆 → 相手の原稿確認 → 公開」です。形式は一問一答・対談・地の文(モノローグやルポ)から、目的に合わせて選びます。
- 名前・肩書・顔写真・録音は個人情報にあたることがあります。取材の前に、何に使い、どこに載せるかを伝え、載せてよい項目を相手と確かめます。
- 話し言葉を読みやすく整えるのはよくても、言っていない内容を足したり、意味を変えたりはしません。相手の原稿確認で直してよい範囲を、取材の前に決めておきます。
インタビュー記事とは
インタビュー記事とは、特定の人に質問して聞いた話を、読み物の形にまとめた記事です。企業のサイトでは、社員紹介、顧客の導入事例、専門家の解説、経営者の考えなどを伝えるときに使います。
インタビュー記事の強みは、その人が実際に経験したこと、判断した理由、現場で気づいたことを伝えられる点です。これは公開されている資料をまとめるだけでは書けない、一次情報(自社が直接見聞きした情報)です。Google の「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」も、自己評価の質問として、実体験や深い知識を明確に示しているかを挙げています(最終更新 2026年10月7日、2026年10月13日確認)。一次情報の集め方全般は「一次情報とは」で説明しています。
| 目的 | 話を聞く相手 | 読者が知りたいこと |
|---|---|---|
| 採用・社員紹介 | 社員 | 仕事の中身、働き方、入社の理由 |
| 導入事例 | 顧客の担当者 | 導入前の課題、選んだ理由、変わったこと |
| 専門的な解説 | 社内外の専門家 | 判断の基準、よくある誤り、現場の実情 |
| 会社や事業の考え方 | 経営者・責任者 | なぜその事業をするのか、これからの方針 |
導入事例に特有の許可の範囲や効果の数字の載せ方は「導入事例の書き方」で説明しています。
形式の種類と選び方
インタビュー記事の形式は、大きく分けて一問一答・対談・地の文の3つです。どれを選ぶかは、記事の目的と、話し手の人柄をどれだけ伝えたいかで決めます。
| 形式 | 書き方 | 向いている目的 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 一問一答(Q&A) | 質問と答えを交互に並べる | 専門家の解説、よくある疑問に答える記事 | 質問の順番がそのまま構成になる。質問を読者の疑問の順に並べる |
| 対談・座談会 | 2人以上の発言を、話し手の名前つきで並べる | 立場の違う人の考えを比べる、雰囲気を伝える | 誰の発言か分かるように名前をそろえる。長くなりやすい |
| 地の文(モノローグ) | 話し手の一人称の文章にまとめる | 経営者の考え、社員の経験談 | 書き手の言葉が混ざりやすい。相手の確認を丁寧に行う |
| 地の文(ルポ) | 書き手が三人称で、発言を「」で引きながら書く | 導入事例、現場の取り組みの紹介 | 発言と書き手の説明を区別して書く |
迷った場合は、一問一答から始めると、質問と答えの対応がはっきりするため、事実と違う書き方になりにくくなります。検索から読まれる記事にしたい場合は、見出しに読者の疑問を入れ、各見出しの最初の段落で答えを書きます。構成の作り方は「記事の構成案の作り方」で説明しています。
依頼と同意の確認
インタビューを依頼するときは、取材の前に、記事の目的、載せる場所、載せる項目、確認の手順を伝え、相手の同意を得ます。後から「名前を出すとは思わなかった」「写真はだめだった」とならないよう、項目ごとに確かめます。
| 確かめる項目 | 具体的に聞くこと | 同意が得られないときの書き方 |
|---|---|---|
| 氏名・所属・肩書 | 実名で載せてよいか、表記(漢字・役職名) | 役職や立場だけにする(例:営業部の担当者) |
| 顔写真・撮影 | 撮影してよいか、どの写真を使うか | 写真を載せない、後ろ姿や手元だけにする |
| 録音・録画 | 録音してよいか、録音を何に使い、いつ消すか | 手書きのメモで取材し、発言は確認の段階で照らす |
| 載せる場所 | 自社サイトのほか、SNS・資料・広告にも使うか | 自社サイトの記事だけに使う |
| 原稿の確認 | 公開前に原稿を確認してもらうこと、確認の期限 | —(必ず確認してもらう) |
| 掲載の期間・取り下げ | いつまで載せるか、取り下げたいときの連絡先 | 期間を決め、更新のときに確かめる |
表の例は説明用です。氏名や顔の写真、名前の入った録音は、個人情報にあたります。個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」は、本人を判別できる映像情報や、氏名が含まれるなどして特定の個人を識別できる音声録音情報を、個人情報の例に挙げています(2026年10月13日確認)。
同じガイドラインは、個人情報を扱う事業者は利用目的をできる限り具体的に特定しなければならず(法第17条第1項)、本人から直接、書面(入力画面などの電磁的記録を含む)で個人情報を取得する場合は、あらかじめ本人に利用目的を明示しなければならない(法第21条第2項)と説明しています。取材の依頼書や同意書に「インタビュー記事として自社サイトに掲載するため」などの利用目的を書いておくと、何に使うかを相手と共有できます。個別の判断に迷う場合は、社内の法務や専門家に確認してください。
質問の作り方
質問は、記事で読者に伝えたいことから逆算して作ります。先に記事の見出しの案を作り、見出しごとに「その見出しで答えを出すための質問」を2〜3個用意すると、取材で話が抜けません。
| 見出しの案(例:社員インタビュー) | 聞く質問 |
|---|---|
| 今の仕事の内容 | 1日の仕事の流れは。一番時間を使っている作業は |
| 仕事で大事にしていること | 判断に迷ったときに基準にしていることは。そう考えるようになったきっかけは |
| うまくいかなかった経験 | つまずいたことは。そのときどう乗り越えたか |
| これからの目標 | 次に取り組みたいことは。そのために今していることは |
見出しと質問の例は説明用です。質問を作るときは、次の点に気をつけます。
- 「はい・いいえ」で終わらない聞き方にする:「大変でしたか」ではなく「一番大変だったのはどんな場面ですか」と聞きます。
- 具体的な場面を聞く:考えだけでなく、そう考えた出来事や数字を聞くと、記事に具体性が出ます。
- 答えを決めつけない:書き手の期待する答えに誘導する質問は避けます。
- 事前に送る:質問の一覧を取材の数日前に送ると、相手が資料や数字を準備できます。
取材当日の進め方
取材当日は、最初に目的と記事の流れ、録音の可否、原稿確認の手順を改めて伝えてから始めます。事前に同意をもらっていても、当日にもう一度確かめると、相手が安心して話せます。
- 始める前:録音の機器を試し、予備の手段(スマートフォンの録音など)も用意します。
- 最初の数分:目的・使い道・確認の流れを伝え、録音の了承をもらってから録音を始めます。
- 本題:質問の一覧に沿いつつ、興味深い話が出たら掘り下げます。「たとえば」「そのとき何が起きましたか」と具体例を聞きます。
- 数字と固有名詞の確認:日付・数字・人名・製品名は、その場で聞き直してメモします。
- 終わる前:聞き漏らした質問がないか確かめ、写真を撮る場合はこのときに撮ります。原稿を送る時期を伝えます。
オンラインで取材する場合は、録画・録音の機能を使う前に、相手に了承を取ります。画面の共有で社内の資料が映るときは、記事に使ってよいものかをその場で確かめます。取材の時間は、質問の数と形式によって決めます。1つの見出しにつき数分の話を見込んで、質問の数から時間を逆算すると計画しやすくなります。
文字起こしから記事にする手順
録音から記事にするときは、まず全体を文字にし、そこから読者に必要な話を選び、読みやすく整えます。このとき、話し言葉を整えることと、内容を変えることの境目を守ります。
- 文字起こしをする:録音をすべて文字にします。自動の文字起こしを使う場合は、固有名詞や数字を録音と照らして直します。
- 使う話を選ぶ:見出しの案に沿って、読者に必要な発言に印を付けます。
- 構成を決める:話した順ではなく、読者が知りたい順に並べ替えます。
- 読みやすく整える:「えー」「あの」などを削り、長い話を短くまとめます。
- 事実を確かめる:数字・日付・制度の説明は、資料や公式の情報と照らします。
| 直してよいこと(整える) | 直してはいけないこと(変える) |
|---|---|
| 言いよどみ、繰り返し、口ぐせを削る | 言っていない内容を足す |
| 語順を入れ替えて読みやすくする | 発言の意味やニュアンスを変える(「検討中」を「決定」にするなど) |
| 長い話を要約する(意味は変えない) | 別の場面の発言をつなげて、1つの発言のように見せる |
| 専門用語に説明を補う(補ったことが分かる形で) | 書き手の意見を、話し手の発言として書く |
取材相手の話や写真には、著作権が関わることがあります。著作権法は、著作物の例として「小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物」と「写真の著作物」を挙げ(第10条第1項)、著作者は、その意に反して著作物の変更・切除その他の改変を受けない権利(同一性保持権、第20条)を持つと定めています。記事の権利を誰が持ち、どこまで使ってよいかは、話の内容や記事の作り方によって判断が分かれるため、撮影者や取材相手と、使う範囲を事前に書面で取り決めておきます。
相手の原稿確認と公開
インタビュー記事は、公開の前に必ず話し手に原稿を確認してもらいます。発言の受け取り違い、社外に出せない情報、名前や肩書の誤りは、書き手だけでは気づきにくいためです。確認で直してよい範囲を、取材の前に合意しておくと、確認が長引きません。
依頼のときに伝える文面の例です(説明用)。
- 「事実の誤り、社外に出せない情報、名前・肩書の表記は、ご指摘のとおりに直します。」
- 「話し言葉を読みやすく整えた部分は、意味が違っていればお知らせください。」
- 「話していない内容を大きく加える修正は、改めてご相談させてください。」
- 「〇月〇日までにお戻しいただけない場合のご連絡先を教えてください。」
- 原稿と使う写真を話し手に送り、確認の期限を伝えます。
- 戻ってきた修正を反映し、修正後の最終版をもう一度送って了承をもらいます。
- 了承の記録(メールなど)を残し、公開します。
- 公開したら URL を知らせます。掲載期間の終わりや、話し手の異動のときに、掲載を続けてよいかを確かめます。
表記の確認と誤字の点検は校正と校閲の手順で行います。
話し手の経験と専門性の示し方
記事の中で、話し手が誰で、どんな経験を持つ人かを示すと、読者は内容の確かさを判断しやすくなります。名前・所属・役職・担当してきた分野・経験年数など、話し手が載せてよいと了承した情報を、記事の冒頭か末尾に書きます。Google は同じ自己評価のページで、虚偽の著者情報(AIで作った顔写真、架空の名前、虚偽の資格情報など)を使わないよう求めています。話し手と、記事を書いた人・運営する会社の示し方は運営者情報・著者情報の書き方で、評価の考え方は「E-E-A-Tとは」で説明しています。
AI検索での扱い
AIによる概要やAIモードのために、インタビュー記事に特別な書き方をする必要はありません。Google は、AI 機能に表示されるための追加の要件や特別な最適化は無く、重要な内容をテキストで示すことなど、通常の SEO の基本が当てはまると説明しています(Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」、2026年10月13日確認)。対談の動画や音声を載せる場合も、要点を本文のテキストで書いておきます。
上位の記事の見出しを調べてわかったこと
「インタビュー記事 書き方」で上位に表示される記事の多くは、構成・質問・文字起こしは扱っていますが、同意や権利の確認は見出しにしていません。当サイト(seoagent.jp)が 2026年10月13日に、Ahrefs で調べたこの語の自然検索の上位10位の記事 9 本の見出し(h1〜h3)を取得して数えた結果が次の表です。
| 見出しに含まれていた話題 | 9本のうち該当した数 |
|---|---|
| 文字起こし・書き起こし | 6 |
| 校正・相手の原稿確認 | 6 |
| 録音 | 4 |
| 著作権 | 1 |
| 同意・許可・許諾 | 0 |
| 個人情報 | 0 |
数えたのは見出しだけで、本文の中で触れている記事はあり得ます。それでも、取材を受ける人の名前・写真・録音をどう扱うかは、記事を作る側が最初に決めておくべきことです。この記事で、依頼と同意の確認、整える・変えるの境目、原稿確認の範囲を独立した節にしたのはこのためです。
なお、当サイトには公開済みのインタビュー記事はまだありません。導入事例のページは、取材で聞けなかった項目は見出しごと表示しない、お客様の声と計測した変化を分けて表示する、という決まりでテンプレートを作っています。
よくある質問
インタビュー記事の構成はどう決めますか?
読者が知りたい順に見出しを並べ、その見出しで答えるための質問を取材の前に決めます。話した順ではなく、読者の疑問の順に並べ替えて書きます。形式は、迷ったら一問一答から始めると、質問と答えの対応がはっきりします。
取材時間はどのくらい必要ですか?
決まった時間はありません。質問の数と形式によって変わるため、見出しごとに必要な話の量を見込み、質問の数から逆算して決めます。予定より話が広がることもあるため、余裕を持って依頼します。
発言をどこまで直してよいですか?
言いよどみを削る、語順を入れ替える、意味を変えずに要約する、といった「整える」直しは一般的です。言っていない内容を足す、意味を変える、別の場面の発言をつなげることはしません。直した原稿は、公開前に話し手に確認してもらいます。
オンライン取材で気をつけることは?
録画・録音の前に了承を取ること、画面共有で映る資料を記事に使ってよいか確かめること、通信が切れたときの連絡手段を決めておくことです。録音は予備の手段も用意します。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT では、取材メモや確認済みの資料を URL・ファイル(PDF)・テキストで登録し、記事づくりの材料にできます。資料には使える範囲(対象の商品や期間)を指定でき、記事の構成を確認してから本文を作れます。公開前の確認では、数字・体験・実績の書き方など確かめが必要な点を示します。
一方、SEOAGENT が取材をしたり、話し手の同意を取ったりすることはありません。AI に体験や発言を作らせるのではなく、実際に聞いた話だけを使い、公開前に話し手に原稿を確認してもらってください。
インタビュー記事の書き方と関わる記事・サイト改善の記事は「記事・サイト改善の記事一覧」にまとめています。



