この記事の要点:
- 「他の人はこちらも質問」は、検索した語に関連する質問を並べた検索結果の枠です。英語では People Also Ask(PAA)と呼ばれ、質問を開くと強調スニペットの形で答えとページへのリンクが表示されます。
- 「他の人はこちらも検索」と「関連する検索」は、質問ではなく別の検索語を並べる枠です。前者は同じ読者が比べている話題や言い換えを、後者は記事の範囲の外側にある話題を知る手がかりになります。
- どの質問を出すか、どのページの答えを出すかはGoogleのシステムが決め、サイト側で指定する方法はありません。選ばれ方の細かい条件は公表されていません。
- SEOでは、表示を狙うより、集めた質問を「記事の節にする・よくある質問にする・別の記事にする・扱わない」に振り分け、見出しの直後で答えを言い切る使い方が確実です。
「他の人はこちらも質問」とは:検索した語に関連する質問の枠
「他の人はこちらも質問」とは、Googleの検索結果の途中に表示される、検索した語に関連する質問の一覧です。英語の画面では「People also ask」と表示され、SEOでは頭文字をとってPAAと呼ばれることもあります。
Google 検索セントラルのGoogle 検索のビジュアル要素ギャラリーでは、この枠を「関連する質問」のグループとして説明しています。最初に検索した内容に関連する質問のまとまりで、質問を開くと強調スニペットが表示される、という説明です。強調スニペットとは、質問への答えになるページの一部を抜き出し、ページへのリンクとともに表示する形のことです。
つまり、この枠の中には2つの情報があります。1つは「その語で検索した人が、ほかにどんな疑問を持ちやすいか」を表す質問の文です。もう1つは、その質問にGoogleが答えとして選んだページの抜粋です。SEOで役に立つのは主に前者で、記事の構成やよくある質問を考える材料になります。
ビジュアル要素ギャラリーでは、こうした要素は検索した人が最初の検索を広げたり絞り込んだりするのを助けるもので、表示は端末・地域・言語によって変わることがあると説明されています。同じ語でも、パソコンとスマートフォン、検索した日によって、質問の内容や並び順が違うことがあります。
「他の人はこちらも検索」「関連する検索」との違い
名前が似た枠が3つあり、混同されやすいので整理します。違いは、並ぶものが「質問の文」か「検索語」か、という点です。
| 枠の名前 | 並ぶもの | Googleの説明 | SEOでの使い道 |
|---|---|---|---|
| 他の人はこちらも質問 | 質問の文と、開くと出る答えの抜粋 | 最初に検索した内容に関連する質問のまとまり。開くと強調スニペットが表示される(ビジュアル要素ギャラリー) | 記事で答える問い、よくある質問の候補を集める |
| 他の人はこちらも検索 | 関連する検索語 | 探していたものが見つからなかったときに関連する話題へ移ったり、話題の別の面を調べたりするための枠(Googleの公式ブログ) | 同じ読者が比べている別の話題や、言い換えの語を知る |
| 関連する検索 | 関連する検索語(多くは検索結果の下のほう) | ほかの人が行った関連する検索のまとまり。最初の検索語と、ほかの人の検索をもとに自動で作られる(ビジュアル要素ギャラリー) | 記事の範囲の外側にある話題、別の記事に分ける候補を見つける |
Googleは検索を関連性が高く役立つものに保つ取り組みを説明した公式ブログで、「他の人はこちらも検索」を、オートコンプリート(検索窓の予測入力)や関連する検索と同じ「予測の機能」として説明しています。こうした予測は、検索した人が求めたものではないため、ポリシーに反する予測は表示しないようにしていることも書かれています。
「他の人はこちらも検索」は、検索結果のページを開いて戻ったときなど、特定の場面で表示されると説明されることがあります。ただ、どんな操作のときに出るかの条件は、確認した範囲の公式の資料には書かれていません。調べるときは、出た場面と出なかった場面の両方をメモしておくと、思い込みを避けられます。
検索窓の予測入力(サジェスト)の扱い方は「サジェストキーワードの調べ方」で説明しています。サジェストは語の組み合わせ、「他の人はこちらも質問」は文になった問い、と役割が分かれます。
Googleが説明していること、公表されていないこと
「他の人はこちらも質問」については、表示の仕組みを断定する説明を見かけます。ここでは、Googleの公式の説明で確かめられることと、公表されていないことを分けます。
| よく話題になる点 | 確かめられること・公表されていないこと |
|---|---|
| この枠は何か | 検索した内容に関連する質問のまとまり。開くと強調スニペットが出る(ビジュアル要素ギャラリー) |
| サイト側で表示を指定できるか | できない。Googleは、ここに何が出るかは管理できないが、関連する検索に注目すると記事のテーマを考えるのに役立つと説明している(同上) |
| 答えのページはどう選ばれるか | 開いたときの答えは強調スニペットとして表示される。強調スニペットは、ページが検索した人の求めに合う良い答えになるとシステムが判断した場合に表示され、専用のマークアップも申請の方法も無い(強調スニペットとウェブサイト) |
| どの質問が選ばれるか、何個並ぶか、並び順 | 公表されていない |
| FAQの構造化データを付けると出やすいか | そうした説明は公表されていない。強調スニペット用のマークアップは無いと説明されている |
| 質問の文と同じ見出しを付けると選ばれるか | 公表されていない |
| 表示を止められるか | 答えの抜粋は強調スニペットとして表示されるため、強調スニペットを止める指定(nosnippet など)が関係すると考えられる。質問の一覧そのものを消す方法は示されていない |
答えの部分は強調スニペットなので、ポリシーに反する内容が表示されない点や、表示を止める指定も強調スニペットと同じです。抜き出され方や止め方は強調スニペットの仕組みと書き方で詳しく扱っています。この記事では、質問の一覧をどう集め、記事にどう使うかに絞ります。
Search Consoleでは表示とクリックをどう数えるか
自社のページが「他の人はこちらも質問」の答えに出たとき、Search Consoleの数え方は通常の検索結果と少し違います。表示回数、掲載順位、クリック数とは(Search Console ヘルプ)では、開いて中身を見る形の結果について、次のように説明しています。
- 表示回数:質問が一覧に並んだだけでは数えず、検索した人が質問を開いて、自社のページへのリンクが見えたときに数える
- クリック数:質問を開く操作は数えず、開いた中の自社のページへのリンクが押されたときに数える
- 掲載順位:通常の検索結果と同じ決まりで記録される
そのため、ある質問の答えに選ばれていても、その質問を開く人が少なければ、表示回数はほとんど増えません。また、確認した範囲のSearch Consoleのヘルプでは、「他の人はこちらも質問」に出た分だけを分けて見る方法は示されていません。答えに選ばれたかどうかは、実際に検索して確かめることになります。
表示回数の数え方の全体は「表示回数(インプレッション)の見方」でまとめています。
質問の集め方:記録しながら何回か見る手順
「他の人はこちらも質問」は、端末や時期で中身が変わります。1回見ただけで判断せず、条件を記録しながら集めます。
- 記事で扱う主な語を決める:例:「社内マニュアル 作り方」。語ごとに別の行で記録します。
- 検索して、表示された質問をそのまま書き写す:言い回しを自分で直さず、検索した日と端末(パソコンかスマートフォンか)を添えます。
- いくつかの質問を開き、答えに出たページの種類を書く:例:「解説記事」「公的機関のページ」「動画」。どんな種類のページが答えに選ばれやすいかの手がかりになります。
- 関連する語でも検索する:「とは」「やり方」「比較」など、読者の段階が違う語でも同じように記録します。
- 日を変えて、もう一度見る:何回か見ても繰り返し出る質問は、その語で検索する人に共通する疑問である可能性が高いと考えます。
- ほかの材料と照らし合わせる:自社のSearch Consoleの検索語、問い合わせや営業で受けた質問と比べ、重なる質問に印を付けます。
記録は、次のような表にしておくと、振り分けと見直しが楽になります。例:説明用の表で、実際の検索結果を調べたものではありません。
| 質問の文 | 検索した語 | 見た日・端末 | 答えのページの種類 | 社内の質問との重なり |
|---|---|---|---|---|
| マニュアルは何から書き始めればよいか | 社内マニュアル 作り方 | (日付)・スマートフォン | 解説記事 | あり(新任者から多い) |
| マニュアルと手順書の違いは何か | 社内マニュアル 作り方 | (日付)・パソコン | 用語の解説 | なし |
| マニュアルを更新し続けるにはどうするか | 社内マニュアル 運用 | (日付)・パソコン | 解説記事 | あり(担当者の異動時) |
質問の文は、検索した人の言い回しに近い形で並ぶため、社内の言葉と読者の言葉のずれに気づく材料にもなります。検索結果から読者の目的を読み取る方法全体は「検索意図の調べ方」で説明しています。
集めた質問の振り分け:節・よくある質問・別の記事・扱わない
集めた質問を、すべて記事の見出しにする必要はありません。むしろ、そのまま並べると、目的の違う問いが混ざった長い記事になります。質問ごとに、どこで答えるかを決めます。
| 質問の性質 | 答える場所 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 記事の主な語を検索した人の多くが、最初に知りたい問い | 記事の最初の節 | 定義・結論・判断の基準にあたる。何回見ても上のほうに出る |
| 主な問いを解決するために、途中で必ず出てくる問い | 記事の中の1つの節(h2) | 答えに手順・条件・比較が必要で、数行では終わらない |
| 主な問いを読んだ人が、次に抱きやすい小さな問い | 記事の終盤の「よくある質問」 | 2〜3文で答えられる。答えが条件によって大きく変わらない |
| 読者の段階や目的が違う問い | 別の記事(無ければ新しく作る候補) | 「とは」の記事に「料金」「比較」の問いが出るなど、答えると記事の焦点がぼやける |
| 自社が根拠を持って答えられない問い | 扱わない、または公式の説明へ案内する | 法律・医療・お金の判断など、確かな根拠を示せない |
「よくある質問」として答える場合の質問の選び方と答えの書き方は「FAQページの作り方」で詳しく説明しています。「別の記事」に振り分けた問いは、検索数が小さくても具体的な悩みを表していることが多く、記事の候補として残しておく価値があります。小さな語の扱い方はロングテールキーワードの探し方が参考になります。
すでに自社に同じ問いへ答える記事があるなら、新しく書く前に、その記事に節を足すか、内部リンクで案内できないかを確かめます。同じ問いに答える記事が2本あると、どちらを読めばよいか読者も迷います。
記事への活かし方:質問を見出しにし、直後の文で答える
振り分けた質問を記事に入れるときは、次の順で考えます。
- 質問を、その節で何が分かるかを示す見出しに直す:質問の文をそのまま見出しにしてもかまいませんが、ほかの見出しと形をそろえ、語を詰め込まないようにします。
- 見出しの直後の1〜2文で答えを言い切る:「〇〇とは、△△です」「□□の場合は〜します」のように、その文だけで答えが分かる形にします。
- 理由・条件・手順を続ける:手順は番号付きリスト、比較は表にします。答えが条件によって変わるなら、その条件を先に示します。
- 根拠を示す:仕様や定義は公式の説明に、数字は出典と測った条件に結び付けます。確かめられない点は「確認できない」と書きます。
例:「マニュアルは何から書き始めればよいか」という質問を節にする場合の、直す前と後です。説明用の例です。
| 直す前 | 直した後 |
|---|---|
| 見出し:マニュアル作成のポイント | 見出し:マニュアルは何から書き始めるか |
| 最初の文:マニュアルを作るうえでは、さまざまな点に気をつける必要があります。 | 最初の文:まず、だれが・どの作業で使うかを1つに決め、その作業の手順を順番に書き出すところから始めます。 |
直した後は、見出しが問いを示し、最初の文が答えになっています。この形は、強調スニペットに限らず、読者が答えを探す手間を減らします。ただし、この書き方で「他の人はこちらも質問」の答えに選ばれることは保証されません。
避けたいのは次のような使い方です。
- 表示された質問をすべて見出しにする:目的の違う問いが混ざり、どの読者にも答えきれない記事になります。
- 答えに出ているページの文を言い換えて写す:新しい情報が無く、読者にとっての価値が増えません。
- 同じ質問を言い換えた見出しを並べる:1つの問いには1つの節で答えます。
- 根拠の無い短い断定で答える:短く言い切ることと、確かめていないことを言い切ることは別です。
公開後の確かめ方と見直しの時期
公開した後は、記事が質問に答えられているかを、次の順で確かめます。
- 集めたときと同じ語・同じ端末で検索し、質問の顔ぶれが変わっていないかを見る
- 自社のページが答えに出ているかを、質問を開いて確かめる(出ていなくても、記事の価値が無いという意味ではありません)
- Search Consoleで、記事に表示された検索語を見る:質問の形の検索語や、想定していなかった語で表示されていれば、節やよくある質問を足す候補になります
- 新しく出てきた質問を表に追記し、振り分けをやり直す
見直しの時期に決まりはありませんが、記事の順位やクリックが大きく変わったとき、扱っている制度や製品の仕様が変わったときは、検索結果の顔ぶれも変わっている可能性があります。そうしたときに、あわせて質問を集め直すと、記事が古くなっていないかも確かめられます。
AIによる概要が表示される語では、検索結果の中の要素の並びが変わることもあります。見直しのときは、「他の人はこちらも質問」だけでなく、検索結果全体の形を見ておきます。
よくある質問
「他の人はこちらも質問」に自分のサイトを出す方法はありますか?
サイト側から表示を申請したり指定したりする方法はありません。Googleは、ここに何が出るかは管理できないと説明しています。できるのは、質問に正確に答える節を用意し、見出しの直後で答えを言い切ることです。
FAQの構造化データを付けると表示されやすくなりますか?
そうした説明は公表されていません。答えの部分は強調スニペットとして表示され、強調スニペットには専用のマークアップが無いとGoogleは説明しています。
質問をクリックすると、なぜ答えにほかのサイトが出るのですか?
開いたときの答えは、その質問に合う良い答えになるとGoogleのシステムが判断したページから表示されます。どのページが選ばれるかの細かい条件は公表されていません。
パソコンとスマートフォンで質問が違うのはなぜですか?
Googleは、こうした要素の表示は端末・地域・言語によって変わることがあると説明しています。集めるときは、端末と日付を記録し、何回か見て繰り返し出る質問を重く見ます。
表示された質問は、検索数の多い順に並んでいますか?
並び順の決め方は公表されていません。質問ごとの検索数も表示されないため、検索の大きさを知りたいときは、質問を検索語の形に直してキーワードプランナーなどで確かめます。
AI検索や検索結果の表示に関するほかの記事は「AIO対策の記事一覧」にまとめています。
SEOAGENTでできること
SEOAGENTのキーワード調査・テーマ選定では、キーワードをもとに上位ページを調べ、検索の目的や関連する言葉を整理します。テーマの候補ごとに「具体的な疑問」「ページの役割」「既存ページ」「推奨の行動」を一覧で見られるため、集めた質問を新しい記事にするか、既存の記事を更新するかを検討できます。
記事作成では、本文を作る前に見出しを確認でき、AIの下書きを自社の担当者が確かめてから仕上げます。公開後は、Search Consoleの検索語と推移を記事ごとに確認できます。表示や順位を保証するものではありません。



