この記事の要点:
- 不動産会社の SEO とは、物件・地域・売却・住まいの知識を探す人に、検索結果から自社サイトを見つけてもらい、問い合わせにつなげる取り組みです。ポータルサイトに載せるだけでは届かない「地域の情報」や「売却の相談」の検索で、自社の強みを示せます。
- 検索語の種類ごとに受けるページ(物件一覧・地域ページ・コラム)を決めます。成約した物件のページは、掲載を続けると広告の決まりに触れるおそれがあるため、速やかに取り下げるか内容を直します。
- Web サイトの物件情報やコラムも、不動産の広告にあたる場合があります。宅地建物取引業法の誇大広告等の禁止(第 32 条)と、不動産の表示に関する公正競争規約(おとり広告、特定用語、徒歩の所要時間の基準など)に沿って書きます。
- ポータルと同じ説明文だけのページは、読者にとってそのページを選ぶ理由がありません。Google は、他人のコンテンツをコピーせず、独自の内容を作ることを勧めています。
不動産会社のSEOとは:自社サイトに検索から問い合わせを集める取り組み
不動産会社の SEO とは、物件、地域、売却、住まいの知識などを検索する人に、検索結果から自社サイトを見つけてもらい、問い合わせや来店予約につなげる取り組みです。物件の掲載はポータルサイトでも行えますが、自社サイトでは、ポータルでは伝えにくい地域の詳しい情報や、売却・相続などの相談の窓口を示せます。
取り組む前に、次の 3 点を確かめておくと、作るページと測る数字がぶれません。
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 自社が強い取引(売買・賃貸・売却の仲介・管理)と地域 | 狙う検索語とページの種類が、取引と地域で決まるため |
| 物件情報の更新の担当と頻度 | 成約後の掲載が残ると、広告の決まりに触れるおそれがあるため |
| サイトで数える成果(問い合わせ、来店予約、査定の依頼) | 何を増やしたいかが決まらないと、効果を判断できないため |
SEO の基本的な考え方は「SEO対策とは」で説明しています。この記事では、不動産の業種に特有の点に絞ります。同じく住まいに関わる業種の例は「リフォーム会社のSEO」で説明しています。
狙う検索語の種類:物件・地域・売却・ノウハウ
不動産の検索語は、「物件を探す」「地域を調べる」「売却を考える」「知識を得る」の 4 種類に分けると、作るページを決めやすくなります。種類ごとに、検索する人の段階と、受けるページが違います。同じ考え方を、教室ごとのページを持つ業種に当てはめた例は「学習塾のSEO」で説明しています。
| 種類 | 検索語の例 | 検索する人の状態 |
|---|---|---|
| 物件を探す | 「〇〇駅 賃貸 2LDK」「〇〇市 中古戸建て」 | 条件が決まっていて、候補を見たい |
| 地域を調べる | 「〇〇市 住みやすさ」「〇〇駅 周辺 スーパー」 | 住む場所を比べている |
| 売却を考える | 「〇〇市 不動産 売却」「家 売る 流れ」 | 売るかどうか、どこに頼むかを考えている |
| 知識を得る | 「住宅ローン 審査 流れ」「仲介手数料 とは」 | 手続きや費用を理解したい |
表の検索語は説明用の例で、検索数は示していません。実際の語は、キーワード調査のツールと Search Console で確かめます。
当サイトで調べた関連語の検索数
当サイトで、不動産会社の担当者が自社の集客を調べるときの語の検索数を Ahrefs(日本、2026 年 10 月 13 日取得)で調べた結果は次のとおりです。検索数は推定値で、月によって変わります。
| 検索語 | 月間検索数(推定) | 難易度(KD) |
|---|---|---|
| 不動産 ホームページ 集客 | 1,400 | 0 |
| 不動産 seo | 900 | 0 |
| 不動産 集客 | 900 | 0 |
| 不動産 web集客 | 400 | 0 |
| 不動産 seo対策 | 200 | 0 |
「SEO」という言葉よりも「ホームページ 集客」「集客」で探す人が多いことが分かります。同じ日に「不動産 seo」の上位 10 件を確かめると、取得できた 8 件は、SEO や Web 制作の支援会社などの解説記事・サービスのページでした。この記事は、不動産会社の担当者が自社で判断できるよう、公式の資料に沿って書いています。
ページの割り当て:物件一覧・地域ページ・コラム
検索語の種類ごとに、受けるページを 1 つずつ決めます。同じ語を複数のページで狙うと、どのページを検索結果に出すかが定まらず、評価が分かれるためです。
| 受けるページ | 対応する検索語の種類 | ページに置く内容 |
|---|---|---|
| 物件一覧(地域・沿線・条件ごと) | 物件を探す | 条件に合う物件、地域の短い説明、絞り込みの入口 |
| 物件の詳細ページ | 物件名・所在地での検索 | 表示規約で必要な事項、写真、周辺環境、問い合わせの入口 |
| 地域ページ | 地域を調べる | 自社が確かめた生活の情報(交通、買い物、公共施設など)、その地域の物件一覧へのリンク |
| 売却・査定のページ | 売却を考える | 売却の流れ、必要な書類、査定の依頼の入口 |
| コラム(記事) | 知識を得る | 手続き・費用・用語の説明と、関連するページへのリンク |
地域ページは、自社が現地で確かめた情報を書けるため、ポータルとの違いを出しやすいページです。ただし、駅からの所要時間や施設までの距離などは、不動産の表示に関する公正競争規約の基準に沿って書きます。
物件ページの作り方:重複と掲載終了の扱い
物件ページで SEO 上問題になりやすいのは、ほかのサイトと同じ説明文と、成約した物件のページが残ることの 2 つです。どちらも、検索だけでなく、読者や広告の決まりとの関係でも問題になります。
ポータルと同じ説明文だけのページ
Google 検索セントラルの「SEO スターター ガイド」は、「新規のコンテンツを作成する際は、たとえ一部であっても他人のコンテンツをコピーしないでください」と説明しています(2026 年 10 月 13 日確認)。同じガイドは、同じサイトの中で同じ内容が複数の URL から見られる重複については、スパムポリシー違反にはならず、Google が正規の URL を選ぶとしています。一方、「他人のコンテンツをコピーすることは、また別の話です」とも書いています。
ポータルと同じ説明文だけのページは、読者にとって自社サイトで見る理由がありません。自社で確かめた周辺の様子、内見でよく聞かれる点、地域ページへのリンクなど、自社にしか書けない情報を足します。同じサイトの中で、並び替えや絞り込みで同じ一覧が複数の URL になる場合の扱いは「重複コンテンツとは」で説明しています。
成約・掲載終了した物件のページ
成約した物件のページは、表示を取りやめるか、取引できないことが分かるように内容を直します。不動産の表示に関する公正競争規約の第 24 条は、継続して広告をする場合に内容に変更があったときは、速やかに修正するか、表示を取りやめなければならないと定めています。取引できない物件の表示を続けると、第 21 条のおとり広告(実際には取引の対象となり得ない物件の表示など)にあたるおそれがあります。
検索の面では、Google のクロール インフラストラクチャの説明「HTTP ステータス コードが Google のクローラーに及ぼす影響」によると、Google は 404 や 410 などの 4xx(429 を除く)を同じように扱い、以前インデックスに登録されていた URL はインデックスから削除されます(2026 年 10 月 13 日確認)。
| 状況 | どうする | 理由 |
|---|---|---|
| 成約し、同じ物件を再び扱う予定が無い | ページを削除して 404 か 410 を返す。一覧からのリンクも外す | 取引できない物件の表示を残さない。Google は 4xx の URL をインデックスから削除する |
| 成約したが、同じ建物の別の部屋を扱っている | その部屋の情報を取り下げ、建物のページは扱っている部屋の情報に直す | 取引できる情報だけを示す |
| 成約事例として紹介したい | 物件の広告とは分け、取引できないことが明確な事例のページとして作る(表現は所属する協議会の規約の運用に沿って確かめる) | 取引できる物件と誤認させない |
| 一時的に募集を止めている | 募集していないことを明記するか、表示を取りやめる | 表示の内容に変更があれば速やかに直す(規約第 24 条) |
削除したページから、内容の違う一覧へ一律に転送(リダイレクト)すると、読者は探していた物件がなぜ無いのかが分かりません。転送は、内容を引き継ぐページがある場合に限ると、読者にも検索エンジンにも意図が伝わります。404 の扱いは「404エラーとは」で説明しています。
記事・物件ページで守る広告の決まり:表示規約と宅建業法
不動産会社の Web サイトに載せる物件情報や、物件の取引に関する記事は、不動産の広告として扱われる場合があります。守る決まりは主に、宅地建物取引業法と、不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)です。
宅地建物取引業法の誇大広告等の禁止
宅地建物取引業法の第 32 条は、宅地建物取引業者が業務に関して広告をするとき、所在、規模、形質、利用の制限、環境、交通その他の利便、代金・借賃などについて、「著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない」と定めています(e-Gov 法令検索、2026 年 10 月 13 日確認)。
不動産の表示に関する公正競争規約
表示規約は、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に基づいて、不動産の取引の表示について定めた業界のルールです。全国 9 つの不動産公正取引協議会でつくる不動産公正取引協議会連合会が、規約の解釈・運用の統一などを行っています。規約の「表示」には、インターネットによる広告表示も含まれます。規約が直接適用されるのは、協議会の構成団体に所属するなどの事業者です。
| 規約の条文 | 定めている内容(要約) | Web サイトで気をつける例 |
|---|---|---|
| 第 14 条(記事広告) | 編集記事の形式の広告には、広告である旨を見やすく分かりやすく表示する | 他社のメディアに記事の形で出す広告 |
| 第 18 条第 1 項(特定用語) | 「新築」は建築工事の完了後 1 年未満で、居住の用に供されたことがないものをいう、など用語の意義が決まっている | 完成から 1 年以上たった物件を「新築」と書かない |
| 第 18 条第 2 項(特定用語) | 「最高」「格安」「完全」「日本一」「厳選」「完売」などは、裏付ける合理的な根拠の資料を持っている場合を除き使わない(一部は根拠の事実を併せて表示する場合に限る) | コラムや物件の紹介文で最上級の言葉を使わない |
| 第 21 条(おとり広告) | 存在しない物件、取引の対象となり得ない物件、取引する意思のない物件の表示をしない | 成約した物件のページを残さない |
| 第 23 条(その他の不当表示) | 交通の利便、徒歩による所要時間、施設までの距離などを、実際より優良・短いと誤認されるように表示しない | 地域ページ・コラムの「駅から徒歩〇分」 |
| 第 24 条(表示の修正・取りやめ) | 継続して広告する場合、内容に変更があれば速やかに修正するか取りやめる | 価格の変更や成約をすぐ反映する |
規約の本文は、首都圏不動産公正取引協議会が公開している「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」(令和 6 年 10 月 1 日施行の変更まで反映、2026 年 10 月 13 日確認)で確かめました。運用の詳細や個別の表現の判断は、所属する地区の不動産公正取引協議会に確かめてください。
徒歩の所要時間の基準
表示規約施行規則の第 9 条は、徒歩による所要時間は「道路距離 80 メートルにつき 1 分間を要するもの」として算出し、1 分未満の端数は 1 分として算出すると定めています。道路距離や所要時間を表示するときは、起点と着点を明示することも定められています。コラムで「駅から徒歩〇分の物件」と書く場合も、この基準で計算した値を使います。
公開前の表現チェック表
物件ページやコラムを公開する前に、次の表で表現を確かめます。表示規約と宅地建物取引業法の内容から、Web の記事で起きやすい点を選んでいます。
| 確かめる点 | 確かめ方 | 根拠 |
|---|---|---|
| 「最高」「格安」「日本一」「厳選」などの言葉を使っていないか | 使う場合は、裏付ける資料と、表示が必要な根拠の事実を確かめる | 表示規約 第 18 条第 2 項 |
| 「新築」の使い方が定義に合っているか | 建築工事の完了から 1 年未満で、未入居かを確かめる | 表示規約 第 18 条第 1 項 |
| 徒歩の所要時間の計算 | 道路距離 80m=1 分、端数は切り上げ。起点と着点を明示 | 表示規約施行規則 第 9 条 |
| 成約・募集終了の物件が残っていないか | 物件一覧・地域ページ・コラムからのリンクも含めて確かめる | 表示規約 第 21 条・第 24 条 |
| 交通・環境・価格を実際より良く見せていないか | 写真や説明が現況と合っているか確かめる | 宅地建物取引業法 第 32 条、表示規約 第 23 条 |
| 他社のサイトの文章をコピーしていないか | 説明文を自社で確かめた内容で書く | Google SEO スターター ガイド |
このチェック表は、法律や規約の判断を代わりに行うものではありません。判断に迷う表現は、所属する協議会や専門家に確かめます。
ポータルサイトとの役割分担
ポータルサイトと自社サイトは、どちらか一方を選ぶものではなく、役割を分けて使います。物件を条件で探す人の多くはポータルで比べるため、自社サイトでは、ポータルでは伝えにくい情報で選ばれる理由を作ります。
| 役割 | ポータルサイト | 自社サイト |
|---|---|---|
| 物件を条件で探す人に見つけてもらう | 主な役割 | 補助(物件一覧・地域ページ) |
| 地域の詳しい情報を伝える | 載せられる情報に限りがある | 主な役割(地域ページ・コラム) |
| 売却・相続などの相談を受ける | 扱いはポータルによる | 主な役割(売却・査定のページ) |
| 会社の考え方・担当者を伝える | 載せられる情報に限りがある | 主な役割(会社案内・スタッフ紹介) |
自社サイトで成果が出るまでには時間がかかります。Google の SEO スターター ガイドは、変更が検索結果に反映されるまでには「数時間かかる変更もあれば、数か月かかる変更もあります」と説明しています。ポータルの掲載を止める判断は、自社サイトの問い合わせが計測で確かめられてから行います。
効果の測り方とAI検索での扱い
不動産会社の SEO の効果は、検索での表示から問い合わせまでを段階に分けて測ります。Search Console で検索結果での表示回数とクリック、GA4 で訪問と問い合わせの完了を見ます。
- Search Console の検索パフォーマンスで、地域ページ・コラム・物件一覧ごとの表示回数とクリック数を見ます。
- GA4 で、問い合わせ・査定依頼・来店予約の送信完了をキーイベントとしてマークします。設定はGA4のキーイベントの設定方法で説明しています。
- キーイベントを、ランディングページ(最初に開いたページ)ごとに見て、どの種類のページから問い合わせが生まれているかを確かめます。
- 電話の問い合わせが多い場合は、電話番号のタップなど、サイト上で数えられる行動を別のイベントとして記録します。
AI による回答との関係では、Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」が、AI による概要や AI モードのために特別な最適化は必要なく、基本の SEO が引き続き有効だと説明しています。同じページでは、Merchant Center とビジネス プロフィールの情報を最新にしておくことも、ベスト プラクティスの一つに挙げています(2026 年 10 月 13 日確認)。AI の回答に地域の情報や会社の情報が使われるときも、元になるのはインデックスに登録されたページと、正確に更新された情報です。
よくある質問
不動産会社のホームページ集客はSEOだけで足りますか?
SEO は成果が出るまでに時間がかかるため、ポータルサイトや広告と組み合わせるのが一般的です。自社サイトでは、地域の情報や売却の相談など、ポータルでは伝えにくい内容で選ばれる理由を作ります。
成約済み物件のページは削除してよいですか?
取引できない物件の表示は、表示規約で速やかに取りやめるか修正することが求められています。再び扱う予定が無ければ、ページを削除して 404 か 410 を返し、一覧からのリンクも外します。
記事で「最寄り駅から徒歩○分」と書くときの決まりは?
表示規約施行規則では、道路距離 80 メートルを 1 分として計算し、1 分未満の端数は 1 分として表示すると定めています。起点と着点も明示します。
ポータルと同じ物件説明を使ってもよいですか?
Google は、他人のコンテンツをコピーせず、独自の内容を作ることを勧めています。自社で確かめた周辺の情報や、よく聞かれる質問への答えを足して、自社のページにしかない内容にします。
不動産会社のコラムは何を書けばよいですか?
自社が扱う取引と地域について、検索されている疑問に答える内容が候補です。売却の流れ、地域の暮らしの情報、手続きの用語の説明など、自社の経験で確かめられるテーマから始めます。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT は、自社サイトで記事を作る企業向けの記事制作の支援ツールです。キーワードの調査から、地域や手続きに関するコラムの構成と本文の作成、公開前の確認まで進められます。公開前の確認では、記事の内容と資料・出典を照らし合わせ、確認が必要な点(数字や言い切りなど)を示します。
表示規約や宅地建物取引業法に適合しているかの判断は、SEOAGENT では行いません。最終的な確認は、自社の担当者や所属する協議会で行ってください。検索順位を保証するものではありません。
不動産のSEOと関わる記事・サイト改善の記事は「記事・サイト改善の記事一覧」にまとめています。



