この記事の要点:
- 競合調査ツールは、他社のサイトの検索での順位・流入キーワード・推定の流入数・被リンク・ページの構成などを調べる道具です。他社のサイトの数字は、どのツールでも推定値です。
- ツールは「調べたい項目」と「データの出どころ」で選びます。順位と検索数から計算する推定と、利用者の行動のデータ(クリックストリーム)から計算する推定は、同じサイトでも数字が違います。
- Google の無料のツールでも、検索結果の確認、キーワード プランナーの検索数、Google トレンドの関心の推移、PageSpeed Insights の他社の URL の測定までは調べられます。
- 自社のサイトの実際の数字は Search Console と GA4 で見ます。ツールの推定値で自社の成果を判断しないようにします。
競合調査ツールとは:分かることと、分からないこと
競合調査ツールとは、検索で競う他社のサイトについて、どの検索語で何位に出ているか、どれくらい流入がありそうか、どこからリンクされているか、どんなページがあるかを調べる道具です。SEO の競合調査では、自社では見られない他社のデータを、外から集めて推定するところに役割があります。
一方で、他社のサイトの実際のアクセス数や検索からのクリック数は、どのツールでも分かりません。実際の数字は、そのサイトの持ち主だけが Search Console や GA4 で見られるものです。ツールが示す他社の流入数は、検索順位や検索数、利用者のデータなどから計算した推定値です。
| 項目 | ツールで分かること | 分からないこと |
|---|---|---|
| 順位と流入キーワード | ツールが調べている検索語の中で、他社が何位に出ているか | ツールが追っていない検索語での順位 |
| 流入数 | 順位・検索数・クリック率などから計算した推定値 | 実際のクリック数・訪問数 |
| 被リンク | ツールのクローラーが見つけたリンク | Google が見つけて評価しているリンクのすべて |
| ページの構成 | 公開されているページの見出し・文字数・構造化データ | ページを作った意図や、社内での成果 |
そのため、ツールの数字は「どちらが多いか」「何が欠けているか」を比べる材料として使い、他社の売上や成果の推定には使わないようにします。競合分析の進め方そのもの(競合の決め方、見る項目、結果の記事への落とし方)はSEOの競合分析のやり方で説明しています。
調べたい項目ごとのツールの種類
競合調査のツールは、調べたい項目ごとに種類が分かれます。1 つのツールで多くの項目を調べられるものもありますが、項目ごとにデータの出どころが違うため、何を調べるかを先に決めてから選びます。
| 調べたい項目 | ツールの種類 | データの出どころ |
|---|---|---|
| 他社の流入キーワードと順位 | SEO の分析ツール(順位のデータベースを持つもの) | ツールが集めた検索結果の順位(推定) |
| 他社の検索からの流入数 | SEO の分析ツール | 順位 × 検索数 × クリック率の推定 |
| 他社のサイト全体の訪問数・流入元の内訳 | サイトのアクセスを推定するツール | 利用者の行動のデータ(クリックストリーム)などからの推定 |
| 検索数・関心の推移 | キーワード プランナー、Google トレンド、SEO の分析ツール | Google の検索のデータ(キーワード プランナー・トレンド)、各ツールの推定 |
| 被リンク | 被リンクの調査ツール | ツールのクローラーが集めたリンク |
| 上位ページの見出し・文字数 | ページの構成を取り出すツール、ブラウザ | 公開されているページそのもの |
| 表示速度・技術的な状態 | PageSpeed Insights | 実際の Chrome 利用者のデータ(CrUX)とラボの計測 |
代表的なツールを、公式の説明で確かめられた範囲で並べます。並びはアルファベット順・五十音順で、評価や順位を表すものではありません。料金は変わるため書いていません。
| ツール | 競合調査でできること(公式の説明の範囲) | データの性質 | 無料で使える範囲 |
|---|---|---|---|
| Ahrefs | 順位のある検索語(Keywords Explorer など)、推定の検索流入、競合の追跡、被リンク | 推定(順位・検索数・推定クリック率から計算) | この記事では確かめていない(公式サイトで確認) |
| Semrush | Domain Analytics で順位のある検索語と推定流入、Traffic Analytics でサイト全体の推定訪問数と流入元 | 推定(順位ベースとクリックストリームベースの 2 種類) | この記事では確かめていない(公式サイトで確認) |
| Google キーワード プランナー | キーワードの月間検索ボリュームの見積もり、他社のサイトの URL から関連するキーワードの候補を出す | Google の検索データ(見積もり) | Google 広告のアカウントで利用。基本機能には支払い情報の入力が必要 |
| Google トレンド | 検索語の関心の推移と地域の比較 | Google の検索のサンプルを 0〜100 に正規化した相対値 | 無料 |
| PageSpeed Insights | 他社のページの URL を入れて、表示速度の実測とラボの値を確認 | 実測(CrUX)とラボの計測 | 無料 |
ほかにもサイトのアクセスを推定するツールや、SEO の分析ツールは多くあります。この表は、2026 年 10 月 13 日に公式のヘルプでデータの出どころを確かめられたものだけです。ツール全般の機能の分類は「SEOツールの選び方」で説明しています。
推定値と実測値の違い:ツールごとに数字が違う理由
競合調査ツールの数字がツールごとに違うのは、他社の流入を推定する方法と、元にするデータがツールごとに違うためです。他社のサイトの数字は、どのツールでも実測値ではありません。
Ahrefs のヘルプは、Organic Traffic(自然検索の流入)の指標を「an estimation of how many clicks from google your target website, subfolder or URL gets each month」(対象のサイトが Google から毎月得ているクリック数の推定)と説明しています。計算の方法は、対象が順位を持つ検索語をすべて集め、それぞれの順位・月間検索数・その順位の推定クリック率から流入を推定し、合計するというものです。同じヘルプは、Search Console の数字と一致しない理由を、推定であって実際のデータではないためとしています(Ahrefs Help Center:What is Organic Traffic in Ahrefs and how do we calculate it?、2026年10月13日確認)。
Semrush のナレッジベースは、Domain Analytics は検索語の順位と推定流入(検索数 × 平均クリック率)だけから推定し、Traffic Analytics は検索以外も含むすべての流入元についてのクリックストリームのデータから推定するため、両者は「almost always report different estimations of traffic」(ほぼ常に異なる推定値を示す)としています。そのうえで、自社のサイトの数字は Google アナリティクスで見るべきだとしています(Semrush Knowledge Base:Traffic Analytics vs Domain Analytics、2026年10月13日確認)。
| 数字 | 出どころ | 使い方 |
|---|---|---|
| 自社の検索のクリック・表示回数 | Search Console(実測) | 自社の成果の判断 |
| 自社の訪問数・成果 | GA4(実測) | 自社の成果の判断 |
| 他社の流入数(順位ベース) | SEO の分析ツール(推定) | 同じツールの中で、他社と自社の大小を比べる |
| 他社の訪問数(クリックストリームベース) | アクセスを推定するツール(推定) | 流入元の内訳の傾向をつかむ |
推定値を使うときは、同じツール・同じ条件の数字どうしで比べます。あるツールの他社の数字と、別のツールの自社の数字を並べて比べると、方法の違いをサイトの差と取り違えます。
無料の公式ツールでできる競合調査の範囲
Google の無料のツールでも、競合調査の基本の部分は調べられます。有料のツールを検討する前に、無料のツールで足りるかを確かめます。
| ツール | 競合調査でできること | できないこと |
|---|---|---|
| Google 検索 | 狙う検索語で実際に出ている上位のページ、AI による概要・他の人はこちらも質問などの表示を見る | 表示は検索する場所や人で変わり、順位を数で記録しにくい |
| キーワード プランナー | 検索語の月間検索ボリュームの見積もり。他社の URL から関連する検索語の候補を出す | 他社の順位や流入数 |
| Google トレンド | 検索語どうしの関心の推移や地域を比べる | 検索の実数。検索の少ない語は「0」と表示される |
| PageSpeed Insights | 他社のページの表示速度の実測(データがある場合)とラボの値 | 他社のサイト全体の速度の傾向 |
キーワード プランナーは、Google 広告のヘルプで「ウェブサイトから始める」とウェブサイトを入力すると、そのサイトのコンテンツに関連するキーワードが検索されると説明されています。他社のサイトの URL を入れれば、他社が扱っている話題の検索語の候補を集められます。ただし、基本の機能を使うには、Google 広告のアカウントでお支払い情報を入力し、アカウントの設定を完了する必要があります(Google 広告 ヘルプ:キーワード プランナーを使う、2026年10月13日確認)。使い方は「キーワードプランナーの使い方」で説明しています。
Google トレンドは、Google に対する実際の検索リクエストのサンプルを使い、地域と期間の検索の合計で割ったうえで 0〜100 に調整した相対値を示します。トレンドのヘルプは、検索ボリュームの小さいキーワードは「0」と表示されるとしています(トレンド ヘルプ:Google トレンドのデータに関するよくある質問、2026年10月13日確認)。PageSpeed Insights の実測のデータは過去 28 日間の Chrome の利用者のデータで、データが少ないページでは表示されません。
有料の競合調査ツールを検討するときに確かめる点
有料の競合調査ツールは、調べたい項目、対象の国と言語のデータの量、データの出どころ、使える量の上限、出力の形式を確かめて選びます。ツールの評判や機能の数より、自社が決めたいことに必要なデータがあるかで判断します。
- 決めたいことを書く:例:「次の四半期に書く 10 本のテーマを決める」「順位が下がった原因を調べる」。決めたいことで、必要な項目が決まります。
- 日本の検索のデータがあるか:検索数や順位のデータは国ごとに持っています。日本語の検索語で、自社が狙う語のデータが返ってくるかを試します。
- 推定の方法が公開されているか:公式のヘルプで、流入の推定の方法と、実測と一致しない理由が説明されているかを確かめます。
- 使える量:調べられる検索語の数、API や出力の上限を、公式の料金ページで確かめます。
- 出力と共有:CSV で出せるか、社内で同じ画面を見られるかを確かめます。
他社の料金は変わりやすいため、この記事では金額を載せていません。比べるときは、各社の公式の料金ページを同じ日に確かめ、税込か税抜か、年払いか月払いかをそろえます。
当サイト(seoagent.jp)での調査の手順の例
当サイト(seoagent.jp)では、記事を書く前に、Ahrefs の「キーワード エクスプローラー」と「検索結果の概要(serp-overview)」で、主な語の検索数と上位 10 件を取り、既存の記事と検索結果が重ならないかを確かめています。この記事を書く前の 2026 年 10 月 13 日の結果は次のとおりです(Ahrefs、日本)。
| 検索語 | 月間検索数 | キーワードの難しさ(KD) | 流入の見込み(Traffic Potential) |
|---|---|---|---|
| 競合調査 ツール | 600 | 4 | 1,100 |
| 競合分析 ツール | 100 | 0 | 500 |
| seo 競合分析 | 600 | 0 | 500 |
「競合調査 ツール」の上位 10 件(自然検索の結果)には、ツールの比較記事・解説記事と、ツールの提供会社のページが並び、ドメインの強さ(DR)は 61〜89 でした。そのうえで、上位 10 件の URL を、既存の記事の主な語「競合分析」「seo 競合分析」「seo ツール」の上位 10 件と比べ、共通する URL が無いことを確かめてから、別の記事として書いています。上位 10 件の共通が多い 2 つの語は同じ記事で扱う、というのが当サイトの決まりです。
- 主な語と関連する語の検索数・KD を取ります。
- 主な語の上位 10 件の URL・題名・DR を取ります。
- 既存の記事の主な語の上位 10 件と比べ、共通の URL の数を数えます。
- 上位の記事の見出しを取り出し、多くの記事が扱う論点と、欠けている論点を分けます。
- 欠けている論点のうち、公式の資料か当サイトのデータで根拠を示せるものを、記事の計画に入れます。
この手順で使った数字はすべて Ahrefs の推定値で、月によって変わります。当サイトの実際の検索の表示やクリックは、Search Console で別に見ています。
ツールの結果を記事の計画に使う
競合調査ツールの結果は、「何を書くか」「どの記事を直すか」を決める材料として使います。数字を集めて終わりにせず、判断の表にまとめます。
| ツールで分かった状態 | どうする | 理由 |
|---|---|---|
| 他社が上位で、自社に記事が無い検索語がある | 検索数と自社の事業との関係を見て、新しい記事の候補にする | 検索する人がいて、自社が答えられる問いなら書く価値がある |
| 自社に記事があるが、上位の記事が扱う論点が欠けている | 既存の記事に節を書き足す | 同じ問いの記事を増やすと、自社の記事どうしが競う |
| 上位がツールの提供会社や大手のサイトだけ | 関連する、より具体的な語を探す | サイトの強さの差が大きい語は、すぐには上位に入りにくい |
| 他社の推定流入が多いページがある | そのページの見出しと答え方を読み、自社が足せる根拠を探す | 推定値は大小の比較にだけ使い、内容で差をつける |
AI による概要や AI モードが表示される検索語では、上位のページに加えて、AI の回答がどの論点に触れているかも見ておくと、読者が知りたいことを把握しやすくなります。Google は、AI 機能に表示されるための特別な最適化は不要としており、競合調査の結果を使う先は、通常の SEO と同じく、読者の問いに答えるページを作ることです。
よくある質問
競合サイトのアクセス数は正確に分かりますか?
分かりません。他社のサイトの実際のアクセス数は、そのサイトの持ち主が Search Console や GA4 で見るものです。ツールが示す数字は、順位や検索数、利用者の行動のデータなどから計算した推定値で、ツールごとに違います。大小の比較や傾向をつかむ材料として使います。
無料で使える競合調査ツールはありますか?
Google 検索そのもの、Google トレンド、PageSpeed Insights は無料で使えます。キーワード プランナーは Google 広告のアカウントで使い、基本の機能にはお支払い情報の入力が必要です。他社の順位や流入キーワードを一覧で見るには、SEO の分析ツールが必要になります。
ツールは何種類必要ですか?
決めたいことで変わります。記事のテーマを決めるだけなら、検索数を見るツールと、上位のページを読む作業で足りることがあります。順位の変化や被リンクを継続して追うなら、SEO の分析ツールが 1 つあると比べやすくなります。複数のツールの数字を混ぜて比べないようにします。
ツールごとに数字が違うのはなぜですか?
推定の方法と元のデータが違うためです。順位と検索数とクリック率から計算するツールと、利用者の行動のデータから計算するツールでは、同じサイトでも数字が変わります。Semrush は、同じ会社の 2 つの機能でも推定値がほぼ常に違うと説明しています。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT では、登録したサイトの方針から記事のテーマの候補を出し、キーワードを入れて検索上位のページを分析できます。Ahrefs と連携した場合は、競合が獲得している語、順位が下がった原因、検索結果の形などを、上限を決めて追加で調べられます(Ahrefs の契約は別途必要です)。調査の結果から採用する内容を選び、記事で答える問いにつなげられます。
できないこと:他社のサイトの実際のアクセス数は分かりません。Ahrefs の全機能を SEOAGENT の料金内で使えるものではなく、利用枠や費用は Ahrefs 側の条件に従います。検索順位を保証するものではありません。競合調査ツールの種類と関わる記事・サイト改善の記事は「記事・サイト改善の記事一覧」にまとめています。



