この記事の要点:
- SEO の競合分析とは、自社が狙う検索語で上位に表示されているページと自社のページを比べ、検索した人に対して自社に足りない内容や、自社だけが出せる内容を見つける作業です。事業の競合ではなく、検索結果で競う相手を比べます。
- 競合は、狙う検索語で実際に検索した上位 10 件と、Search Console で自社が表示されている検索語の上位から見つけます。見る項目は、検索の意図、扱っている論点、出典、更新日、被リンクなどです。
- 上位ページの見出しを並べた「論点の対応表」を作ると、多くの上位ページが扱う欠かせない論点と、どこも扱っていない論点が分かります。分析の目的は写すことではなく、記事で答える問いを決めることです。
- Ahrefs などのツールの流入数や難易度(KD)は推定値です。Ahrefs 自身が、Google がすべてのランキング要因を公開していないため KD は推定にすぎないと説明しています。
SEOの競合分析とは:検索結果で競う相手と比べること
SEO の競合分析とは、自社が上位に表示されたい検索語で、すでに上位にあるページを調べ、自社のページと比べて「何が足りないか」「何なら自社が上回れるか」を見つける作業です。比べる相手は、売上を競う事業の競合ではなく、同じ検索語の検索結果に並ぶページです。
事業の競合と SEO の競合は、多くの場合一致しません。たとえば、ある業務用ソフトの会社が「経費精算 やり方」で検索結果を見ると、上位には同業のソフト会社だけでなく、会計の解説サイトや公的機関のページが並ぶことがあります(例:説明用の想定です)。この検索語での競合は、その解説サイトや公的機関のページです。
Google は、有用なコンテンツの自己評価の質問として「検索結果に表示された他のページと比較した場合、コンテンツは実質的な価値を提供していますか」を挙げています(有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成、2026年10月13日確認)。競合分析は、この問いに答えるための材料を集める作業と言えます。
競合サイトの見つけ方
SEO の競合は、狙う検索語で実際に検索した結果と、自社が今表示されている検索語の結果から見つけます。検索語ごとに競合が変わるため、「この会社が競合」と 1 つに決めず、検索語の組ごとに見ます。
- 狙う検索語を 5〜10 個決める。
- 各検索語で、ログインしていない状態で検索し、上位 10 件の URL・題名・ページの種類(解説記事・製品ページ・一覧・動画など)を記録する
- Search Console の「検索パフォーマンス」で、自社が表示されている検索語を表示回数の多い順に並べ、上位の語でも同じように検索結果を記録する
- 複数の検索語の上位に何度も出るサイトを「主な競合」として印を付ける
- ツールを使う場合は、Ahrefs などの「自然検索の競合」の機能で、順位のある語が重なるサイトを補助的に確かめる
手順 3 は、自社がすでに表示されている語から競合を逆に探す方法です。Search Console の検索パフォーマンス レポートは、クリック数・インプレッション数(検索結果に表示された回数)・CTR・平均掲載順位を検索語ごとに示します(検索パフォーマンス レポート、2026年10月13日確認)。表示回数が多いのに順位が 2 ページ目以降の語は、競合と比べる価値が高い語です。
見る項目の一覧
競合分析で見る項目は、検索した人に対する内容の差(意図・論点・出典・更新日)と、サイトの強さの差(被リンク・ドメインの評価)に分かれます。内容の差は自社で埋められ、サイトの強さの差は時間がかかります。
| 項目 | 見る場所 | 分かること | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 検索の意図 | 上位 10 件のページの種類 | 解説・比較・製品のどれが求められているか | 種類が違うページで上位を狙うのは難しい |
| 扱っている論点 | 上位ページの見出し(h2・h3)と本文 | 欠かせない論点と、どこも扱っていない論点 | 見出しを写さない。問いの洗い出しに使う |
| 出典・一次情報 | 本文の引用・リンク | 公式の資料や自社のデータを示しているか | 古い仕様のままのページもある |
| 更新日 | ページの公開日・更新日 | 情報が新しいか | 日付だけ新しく内容が古い場合もある |
| 被リンク・ドメインの評価 | Ahrefs の DR・被リンク数など | サイトの強さの目安 | ツールごとの独自の指標で、Google の評価ではない |
| 流入数・難易度 | Ahrefs の推定流入数・KD など | 規模と競争の強さの目安 | 推定値。実際の流入は相手のサイトの持ち主しか分からない |
ツールの数値は推定です。Ahrefs は、KD(Keyword Difficulty)を Google の 1 ページ目に表示される難しさを推定する指標とし、「Google がすべてのランキング要因を公開していないため、常に推定にすぎない」と説明しています。計算は、上位 10 ページにリンクしているサイトの数をもとに 0〜100 の対数の尺度で示す方法です(Ahrefs:What is Keyword Difficulty?、2026年10月13日確認)。
DR(Domain Rating)は、サイトの被リンクの強さを 0〜100 の対数の尺度で示す Ahrefs 独自の指標です(Ahrefs:What is Domain Rating (DR)?)。流入数は、順位・月間検索数・その順位で想定するクリック率から推定した値で、Ahrefs のヘルプは「推定であり、実際の検索流入のデータではない」としています(Ahrefs ヘルプ:What is Organic Traffic in Ahrefs)。サイトの強さの目安は「ドメインパワーとは」で説明しています。
上位ページの見出しを比べる手順
上位ページの内容を比べるときは、上位から解説記事を 3 本ほど選び、題名・見出し(h1〜h3)・本文の分量を同じ形式で書き出して並べます。全文を読み比べる前に見出しを並べると、各ページがどの問いに答えているかを短時間でつかめます。見出しや推定の流入を取り出す道具の種類と、他社の数字がどこから来ているかは「競合調査ツールの種類と選び方」で説明しています。
- 狙う検索語の上位 10 件から、公式ドキュメント・動画・一覧ページを除いた解説記事を 3 本選ぶ
- 各ページの題名と h1〜h3 を順に書き出す(ブラウザの開発者ツールや、見出しを抜き出すツールを使う)
- 見出しを「何の問いに答えているか」に言い換え、同じ問いをまとめて論点にする
- 論点ごとに、どのページが扱っているかを記録する(次の節の対応表)
- 本文で、出典・数字・手順の具体性を確かめる。見出しだけで判断しない
当サイトでは、記事を計画するとき、Ahrefs で上位 5 件の URL と DR を取り、上位 3 件の見出しを自動で取得して並べています。計画の段階では、SEO の情報サイト 9 つが上位 10 位に入れている語(各サイト上位 250 件、計 2,236 語)に関連語の展開 620 語を足して候補を作り、既存の記事と検索意図が同じものや、上位のサイトの強さから見て勝ちにくいものを外しました。調査時の候補 232 本のうち、既存記事と意図が同じ 48 本と、規則に合わない 72 本を外し、112 本を計画に残しています。
分量(文字数)は記録しますが、合わせる目標にはしません。Google は自己評価の質問で、Google が優先する文字数があると聞いて特定の文字数に合わせて書いていないかを問い、「そのような設定は存在しません」としています(有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成)。
欠けている論点を見つける表の作り方
欠けている論点は、行に論点、列に上位ページを並べ、扱っていれば ○、無ければ × を付けた「論点の対応表」で見つけます。○ が多い行は欠かせない論点、× が並ぶ行は上位がまだ十分に答えていない論点の候補です。
次の表は、この記事を書く前の 2026年10月13日に、「seo 競合分析」の上位の解説記事 3 本の見出し(h1〜h3)を取得して作った実際の対応表です。見出しだけで判定しているため、本文で触れている論点が × になっている可能性があります。
| 論点 | 上位ページ A | 上位ページ B | 上位ページ C |
|---|---|---|---|
| 競合分析の目的・メリット | ○ | ○ | ○ |
| SEO 上の競合の見つけ方・選び方 | ○ | ○ | ○ |
| 見る項目(流入数・流入語・順位・被リンクなど) | ○ | ○ | ○ |
| 分析に使うツールの紹介 | ○ | ○ | ○ |
| ツールを使わない分析(検索結果・題名) | ○ | × | × |
| 分析結果を施策に変える方法 | × | ○ | ○ |
| よくある質問(頻度・文字数・大手ばかりの場合など) | × | ○ | ○ |
| Search Console で自社の表示語から競合を探す | × | × | × |
| ツールの推定値の定義(KD・流入数) | × | × | × |
| 見出しを並べた対応表の作り方 | × | × | × |
上の 4 行は 3 本とも扱っており、この検索語では欠かせない論点だと判断して、この記事にも入れています。下の 3 行は見出しにはどこにも無く、この記事で足した論点です。表は記事ごとに作り、同じ検索語でも数か月ごとに作り直します。
被リンク以外で勝てる点・勝てない点
新しいサイトや被リンクの少ないサイトでも、内容の正確さ・一次情報・手順の具体性では上位のページを上回れますが、サイト全体の強さの差は短い期間では埋められません。勝てる点に力を集め、勝ちにくい検索語は後回しにします。
| 比べる点 | 被リンクが少なくても上回れるか | 理由 |
|---|---|---|
| 公式の資料の引用と確認日 | 上回れる | 原文を確かめて書くのは、サイトの強さに関係なくできる |
| 自社のデータ・実例 | 上回れる | 自社にしか無い情報は、他のページが持っていない |
| 手順の具体性・判断の表 | 上回れる | 画面の名前や手順の順番は、確かめれば書ける |
| 情報の新しさ | 上回れる | 仕様が変わったテーマでは、古いままのページが残っていることがある |
| 被リンク・サイトの評価 | 短期間では難しい | 長い期間の紹介や引用の積み重ねで決まる |
| 大手サイトだけが並ぶ検索語 | 難しい | より具体的な関連語(ロングテール)から実績を作る |
当サイトが 2026年10月13日に Ahrefs で「seo 競合分析」の日本の検索結果を確かめたところ、1 位の位置には AI による概要が表示され、通常の検索結果(2〜10 位の 8 ページ)の DR は 1〜59 で、30 未満が 4 ページありました。このように上位にサイトの強さが低いページが含まれる検索語は、内容で勝負しやすい検索語の目安になります。ただし DR は Ahrefs の推定の指標で、Google が順位に使うものではありません。具体的な関連語の選び方は「ロングテールキーワードとは」で説明しています。
分析結果を記事の計画に落とす
競合分析の結果は、「新しい記事を書く」「既存の記事を書き直す」「既存の記事にまとめる」のどれかの行動に変えて、記事の計画に載せます。差を見つけて終わりにせず、次に書く内容と順番を決めることが分析の目的です。
| 分析で分かったこと | どうする | 理由 |
|---|---|---|
| 自社に、その検索語に答える記事が無い | 新しい記事を書く | 答えるページが無ければ表示されない |
| 自社の記事はあるが、欠かせない論点が抜けている | 既存の記事に節を足す | 評価がたまっているページを育てるほうが早い |
| 自社の 2 本の記事が、同じ検索語の上位 10 件で 2 件以上重なる | 1 本にまとめ、古い URL を新しい URL へ 301 で転送する | 同じ用事に答えるページが互いに評価を分け合う |
| 上位がすべて大手の製品ページ | その検索語は後回しにし、関連する具体的な語を狙う | 検索の意図と、サイトの強さの両方で不利 |
当サイトでは、新しい記事を書く直前に、主な検索語の上位 10 件を既存記事の主な検索語の上位 10 件と比べ、共通の URL が 2 件以上あるか、検索の意図が同じなら新しい記事にしない決まりにしています。2026年10月13日には、「seo 競合分析」と「キーワード選定」、「ホームページ 集客」と「web集客」などの組を確かめ、どれも共通の URL は 0 件でした。同じ用事に答える記事が重なる問題はカニバリゼーションとは、既存記事の直し方は「SEOリライトのやり方」で説明しています。
分析の頻度と記録の取り方
競合分析は、記事を書く前と書き直す前に毎回行い、狙っている主な検索語は数か月ごと、Google のコア アップデートの後にも行います。検索結果は変わり続けるため、日付つきで記録し、前回と比べられるようにします。
Google は、コア アップデートの影響を確かめるときは、ロールアウトの完了後 1 週間以上待ち、開始前の 1 週間と比べることを勧めています。また、順位の低下が小さい場合(2 位から 4 位など)は抜本的な対策は必要ないとしています(Google 検索のコア アップデート、2026年10月13日確認)。
- 記録する項目を決める:日付、検索語、上位 10 件の URL と種類、AI による概要の有無と参照されたページ、自社の順位
- 主な検索語は数か月ごとに同じ項目を記録する
- コア アップデートの完了から 1 週間以上たってから、前後の上位 10 件を比べる
- 新しく上位に入ったページの論点を対応表に足し、自社の記事に足りないものを計画に載せる
AI による概要が表示される検索語では、概要に参照リンクとして出ているページも記録します。「seo 競合分析」の検索結果では、2026年10月13日時点で概要に 5 件の参照リンクが表示されていました。Google は、AI による概要や AI モードについて、関連する複数の検索を行って回答を組み立てる「クエリ ファンアウト」を使う場合があると説明しています(AI 機能とウェブサイト)。検索結果の上位だけでなく、関連する小さな問いへの答えも比べる対象に入れます。順位の記録のしかたは「検索順位の確認方法」で説明しています。
よくある質問
SEOの競合はどう決めればいいですか?
狙う検索語ごとに、実際の検索結果の上位 10 件を競合とします。複数の検索語で何度も上位に出るサイトが主な競合です。事業の競合が上位にいない検索語では、解説サイトや公的機関のページが比べる相手になります。
競合分析はどのくらいの頻度で行いますか?
記事を書く前と書き直す前に毎回行います。主な検索語は数か月ごとと、コア アップデートの完了から 1 週間以上たった後に、上位 10 件を記録して前回と比べます。
文字数は競合に合わせるべきですか?
合わせる必要はありません。Google は、優先する文字数という設定は存在しないと説明しています。文字数は、上位がどのくらいの範囲を扱っているかの目安として記録し、読者の問いに答えきることを優先します。
大手サイトばかりが上位の場合はどうすればいいですか?
その検索語は後回しにし、より具体的な関連語で、上位に被リンクの少ないページが含まれる語から取り組みます。公式の資料や自社のデータなど、大手のページに無い情報を入れられる語を選ぶと、内容で差をつけやすくなります。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT では、競合の調査結果を、記事で答える問いと記事の計画につなげられます。
- 戦略・キーワード調査:登録したサイトの方針とデータから、テーマの候補と、新しく書くか既存のページを育てるかの選択肢を示します
- Ahrefs連携:ご自身の Ahrefs の API を接続し、調査の目的と利用量の上限を決めて、競合が獲得している語や検索結果の形などを調べられます。見積りを確認してから実行します
できないこと:Ahrefs 連携は任意で、Ahrefs の契約と API の利用枠が必要です。競合サイトの実際の流入数を知ることはできず、ツールの数値は推定です。SEOの競合分析のやり方と関わる記事・サイト改善の記事は「記事・サイト改善の記事一覧」にまとめています。



