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オウンドメディアのKPI:段階別の指標と、Search Console・GA4での測り方

オウンドメディアの KPI は、段階によって見る数字が変わります。段階別の KPI の表、Search Console と GA4 の指標の定義、PV・UU の読み替え、KPI ツリーの作り方、取れない値を「不明」と書くルール、当サイトの取得項目から作った月次報告のひな形を説明します。

オウンドメディアのKPI:段階別の指標と、Search Console・GA4での測り方

この記事の要点:

  • オウンドメディアの KPI は、最終目標(KGI)に向かって途中で見る数字です。立ち上げ期・成長期・成果期で、動く数字が違うため、段階ごとに主に見る KPI を替えます。
  • PV・UU・セッションは GA4 では「ビュー」(画面によっては「表示回数」)「合計ユーザー数/アクティブ ユーザー数」「セッション」として数えます。名前と定義を報告書に書いておくと、数字の食い違いを説明できます。
  • Search Console の表示回数・クリック数・平均掲載順位は検索結果での数字で、GA4 の数字とは別のデータです。平均掲載順位は KPI そのものより、推移を見る補助の数字にします。
  • 記事経由の受注のように取れない値は「不明」と書き、代わりに見る値を決めておきます。推計で埋めません。
  • 月次報告は、取得元・期間・定義を固定したひな形で作ります。当サイト(seoagent.jp)が毎週自動で取得している項目を例として示します。

オウンドメディアのKPIとは:KGIとの関係

オウンドメディアの KPI(重要業績評価指標)とは、メディアの最終目標である KGI(重要目標達成指標)に向かって、途中の進み具合を確かめるための数字です。KGI が「メディア経由の商談数」なら、KPI は「問い合わせの数」「自然検索からのセッション」「検索結果での表示回数」のように、KGI より早く動き、毎月の作業で変えられる数字を選びます。

KPI を決めるときは、次の 3 つを満たす数字にします。

  • 取得元が決まっている:Search Console・GA4・自社の顧客管理(CRM)など、どこから取るかが一つに決まる
  • 定義が書ける:何を 1 と数えるかを、ツールのヘルプの言葉で説明できる
  • 作業とつながる:数字が悪いときに、次に何をするかが決まっている

SEO の指標そのもの(表示回数・CTR・順位など)の意味と、目的別の選び方は「SEOのKPI・指標の決め方」で説明しています。この記事では、オウンドメディアを運営する担当者が、段階ごとに何を報告し、どこから数字を取るかに絞って説明します。メディアの目的の決め方は「オウンドメディアとは」にまとめています。

段階別のKPIの表:取得元と更新頻度つき

オウンドメディアの KPI は、立ち上げ期は「作る・見つけてもらう」、成長期は「読まれる」、成果期は「行動・成果」の数字が中心になります。早い段階で成果の数字だけを見ると、まだ動かない数字で判断することになるためです。次の表は、段階ごとに主に見る KPI を、取得元と見直す頻度つきで並べたものです。

段階主に見る KPI取得元見る頻度
立ち上げ期公開本数、インデックスに登録された記事の数編集の管理表、Search Console の「ページ」レポート毎週
立ち上げ期検索結果での表示回数、表示された検索語の数Search Console の検索パフォーマンス毎週
成長期クリック数、クリック率Search Console の検索パフォーマンス毎月
成長期自然検索からのセッション、エンゲージメント率GA4(オーガニック検索のチャネル)毎月
成果期キーイベント(問い合わせ・資料請求など)の数GA4 のキーイベント毎月
成果期メディア経由の商談・受注CRM・営業の記録四半期ごと

段階の長さはサイトやテーマによって違うため、月数では決めません。「インデックスされた記事が増え、表示回数が出てきたら成長期」のように、数字の状態で次の段階に移ります。効果が出るまでの期間の考え方は「SEOの効果が出るまでの期間」で説明しています。

目標値の置き方

KPI の目標値は、他社の平均や業界の目安ではなく、自社の KGI から逆算した値と、始める前の自社の数字から決めます。Google・Search Console・GA4 のヘルプには、オウンドメディアが目指すべき表示回数やセッションの基準は書かれていません。逆算の例:「商談を月に何件ほしいか」から「問い合わせが何件必要か」を出し、過去の問い合わせから商談になった割合で割ります。この割合が分からないうちは「不明」とし、3 か月分の実績がたまってから目標値を置き直します。

目標値は、四半期ごとに見直します。毎月変えると比較ができなくなり、1 年変えないと段階の移り変わりに追いつかないためです。見直したときは、変えた理由と日付を報告書に残します。

Search Consoleで取る指標と定義

Search Console で取る KPI は、表示回数・クリック数・クリック率・平均掲載順位の 4 つです。いずれも Google の検索結果での数字で、サイトに来た後の行動は含みません。Search Console ヘルプ「表示回数、掲載順位、クリック数とは」(2026 年 10 月 13 日確認)の定義は次のとおりです。

指標ヘルプの定義KPI にするときの注意
表示回数サイトへのリンクが Google で閲覧された頻度スクロールして見たかは問わないなど、数え方の決まりがある
クリック数Google からサイトへのリンクがクリックされた頻度GA4 のセッションとは一致しない
クリック率クリック数を表示回数で割った値順位や検索結果の形で大きく変わる
平均掲載順位サイトへのリンクの、Google における掲載順位の相対ランキングGoogle 検索の検索結果についてのみ表示される

平均掲載順位は、ヘルプの説明では、1 回の検索でそのサイトのリンクに付いた最上位の順位を、表示されたすべての検索で平均した値です。同じヘルプは、掲載順位の値が何を意味するかは状況で変わるため数字だけで判断すべきではなく、推移と突然の変動を見るよう勧めています。そのため順位は、目標値を置く KPI より、表示回数とクリック数の変化を説明する補助の数字にすると扱いやすくなります。

AI による概要や AI モードに表示されたリンクの表示回数とクリック数も、検索タイプ「ウェブ」の検索パフォーマンスに含まれます(Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」、2026 年 10 月 13 日確認)。AI 機能だけを分けた数字は、このレポートでは取れません。

GA4で取る指標と定義:PV・UU・セッションの読み替え

GA4 で取る KPI は、セッション・ユーザー数・ページの表示回数・エンゲージメント率・キーイベントです。上位の解説記事でよく使われる PV・UU という言葉は、GA4 の画面には同じ名前では出てきません。報告書では、GA4 の名前と定義に読み替えてから数字を書きます。

よく使う言葉GA4 の指標アナリティクス ヘルプの定義(要約)
PV(ページビュー)ビュー(画面によっては「表示回数」)閲覧されたウェブページの数。同じページが繰り返し表示された場合も数える
UU(ユニークユーザー)合計ユーザー数、アクティブ ユーザー数合計ユーザー数は期間中にアクセスしたユーザーの合計、アクティブ ユーザー数は期間中にサイトを利用したユーザーの数
セッション(訪問)セッションユーザーがサイトを操作する時間。既定では 30 分間操作が無いと終了する
直帰率エンゲージメント率(とその反対の直帰率)10 秒以上続く、キーイベントが発生する、2 回以上のページビューのいずれかを満たすセッションの割合
CV(コンバージョン)キーイベント重要なユーザー操作を測るイベントに、キーイベントとして印を付けたもの

表の出典:アナリティクス ヘルプ:アナリティクスのセッションについて

出典は、アナリティクス ヘルプの「ユーザーに関する指標を理解する」「アナリティクスのセッションについて」「エンゲージメント率と直帰率」「イベントにキーイベントとしてマークを付ける」「アナリティクスのディメンションと指標」です(いずれも 2026 年 10 月 13 日確認)。自然検索からの数字に絞るときは、デフォルト チャネル グループの「オーガニック検索」を使います。同じヘルプは、このチャネルに Google の AI による概要と AI モードからの訪問も含まれると説明しています。

KPIツリーの作り方:KGIから分解する手順

KPI ツリーとは、KGI を、掛け算や足し算で分解できる数字に分けて木の形に並べたものです。どの数字が KGI に効いているかと、どの作業でどの数字を動かすかを一枚で示せます。作り方は次の手順です。

  1. KGI を 1 つ決める:例:メディア経由の商談数。採用やブランドが目的なら、応募数や指名検索の数にします。
  2. KGI の一段下を分解する:例:商談数 = キーイベント(問い合わせ)数 × 商談になる割合。
  3. さらに下を分解する:例:キーイベント数 = 自然検索からのセッション × キーイベントに至る割合。セッションの上には、表示回数 × クリック率(Search Console)を置きます。
  4. 葉の数字に取得元を書く:表示回数とクリック率は Search Console、セッションとキーイベントは GA4、商談になる割合は CRM、と 1 つずつ書きます。
  5. 葉ごとに動かす作業を書く:表示回数は記事の追加、クリック率は title と説明文の見直し、キーイベントに至る割合は記事からの案内の見直し、のように対応させます。

Search Console のクリック数と GA4 のセッションは別のデータなので、ツリーの中で同じ数として扱わず、段を分けて書きます。2 つが一致しない理由は「GA4とサーチコンソールの連携と数字の違い」で説明しています。記事数は KPI ツリーの葉ではなく、作業量の記録として別に管理します。記事数を増やしても、表示回数やキーイベントが増えるとは限らないためです。

取れない値の扱い:「不明」と書くルール

オウンドメディアの KPI には、ツールでは取れない値があります。取れない値は推計で埋めず、「不明」と書き、代わりに見る値を決めておくのが原則です。推計の数字が一度報告書に入ると、実測値と区別がつかなくなるためです。

取れない値の例なぜ取れないか代わりに見る値
記事を読んだ人の受注額Web の行動と商談・受注の記録がつながっていない問い合わせフォームの「何で知ったか」の回答、CRM の初回接点
AI の回答で記事が読まれた回数AI の回答の中で読まれた回数を数える指標が無いAI アシスタントのチャネルからのセッション(GA4)
他社メディアのアクセス数自社の Search Console・GA4 では他社のサイトは計測できない。外部ツールの値は推計自社の過去の同じ時期の数字
計測を始める前の数字計測の設定が無かった設定した日以降の数字を基準にする

報告書では、「0」と「不明」を分けて書きます。0 は計測した結果が 0 件であること、不明は計測できていないことです。Search Console に集計の不具合があった期間は「データの異常」のページに記録されるため、急な変化を見つけたらまずそのページを確かめます(クリック率の記事で例を説明しています)。

月次報告のひな形:当サイトが取得している項目から

月次報告は、毎月同じ項目・同じ取得元・同じ期間の決め方で作ると、前月との比較が意味を持ちます。当サイト(seoagent.jp)では、Search Console と GA4 のデータを閲覧権限だけで毎週自動取得し、次のファイルに分けて保存しています。この項目を月次報告のひな形として使えます。

保存しているデータ中身報告で使う項目
日別の検索の数字日別のクリック・表示回数・CTR・平均掲載順位月の合計と前月との差
ページ別・検索語別ページごと、検索語ごと、ページ×検索語の数字クリックの多い記事、表示は多いがクリックの少ない記事
日別の自然検索オーガニック検索のセッション・ユーザー・キーイベント自然検索のセッションとキーイベントの数
ランディングページ別入口のページ × チャネル別の数字キーイベントのきっかけになった記事

期間は Search Console の保存期間と確定の遅れに合わせ、約 16 か月前から 3 日前までを取得しています。報告書には、この表の数字に加えて「今月の公開本数・更新本数」と「来月やること(追加する記事・直す記事・やめるテーマ)」を書きます。数字は、公開の判断が要るため、この記事には載せていません。当サイトの改修前の基準値は、2025 年 6 月 16 日〜2026 年 10 月 6 日で表示回数 10、クリック 0、GA4 の自然検索のセッション 0 でした。報告書を自動でまとめる方法は「Looker Studioとは」で説明しています。

よくある質問

オウンドメディアのPV数はどのくらいを目指せばよいですか?

Google や GA4 のヘルプに、目指すべき PV の基準はありません。PV(GA4 ではビュー)は、テーマの検索数やサイトの段階で大きく変わるため、他社の数字と比べるより、自社の KGI から逆算した値と、始める前の自社の数字を基準にします。数字が伸びないときの原因の切り分けは「オウンドメディアが意味ないと言われる原因」で説明しています。

効果測定にはどのツールが必要ですか?

最低限、検索結果での数字を取る Search Console と、サイトに来た後の行動を取る GA4 の 2 つです。商談や受注まで見るなら、問い合わせの記録を残す CRM や営業の管理表も必要です。

記事数をKPIにしてもよいですか?

立ち上げ期の作業量の目安としては使えますが、成果の KPI にはしません。記事数を増やしても表示回数やキーイベントが増えるとは限らず、本数の目標が品質の確認を削る理由になりやすいためです。

検索順位はKPIになりますか?

Search Console の平均掲載順位は、ヘルプが「数字だけを見て判断すべきではない」と説明している指標です。目標値を置くより、表示回数とクリック数の変化を説明する補助の数字として、推移を見るのに使います。

SEOAGENTでできること

SEOAGENT では、Search Console と GA4 の数字を記事ごとに確認し、改善の作業につなげられます。できないこと:Search Console の表示回数・クリックと GA4 の訪問・成果は別のデータとして表示し、取得できない状態を「0 件」や「問題なし」とは扱いません。また、記事内のリンクのクリックを数えるには、お客様のタグ マネージャーでの設定が必要です。分析の関連記事は「分析・効果測定の記事一覧」にまとめています。

  • SEO分析・効果測定:クリック、表示回数、CTR、平均順位、ユーザー、PV、エンゲージメント率と、GA4 の自然検索からの訪問・キーイベントを確認できます。期間は「直近の確定した月」と「直近7日(3日前まで)」から選べます。
  • 記事の改善・リライト:記事ごとの「次の一手」と理由を確認し、改善案を作ってから更新します。

参考情報

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