この記事の要点:
- セッションは「サイトを訪れてから離れるまでの一続きの利用」、ユーザーは「サイトを訪れた人(GA4 が同じ人と判断した単位)」です。1 人が期間中に 3 回訪れると、ユーザーは 1、セッションは 3 と数えます。
- GA4 では、操作の無い状態が 30 分続くとセッションが終わります(初期設定。管理画面で変えられます)。旧バージョンのユニバーサル アナリティクスと違い、日付が変わったときや、途中で流入元が変わったときには新しいセッションになりません。
- GA4 の多くのレポートで「ユーザー」と表示されるのはアクティブ ユーザーです。総ユーザー数・新規ユーザー数とは数え方が違うため、足したり引いたりしても合いません。
- 集客の量はセッション、届いた人の数や再訪はユーザー、と目的で使い分けます。日ごとのユーザー数を足しても、月のユーザー数にはなりません。
セッションとユーザーの違い:何を数えているか
セッションとユーザーは、同じアクセスを違う単位で数えた数字です。セッションは「訪問の回数」、ユーザーは「訪問した人の数」に近いものです。
| 項目 | セッション | ユーザー |
|---|---|---|
| 数える単位 | 訪れてから離れるまでの一続きの利用 | サイトを訪れた人(GA4 が識別した単位) |
| 同じ人が期間中に 3 回来たら | 3 | 1 |
| 始まり・区切り | 操作の無い状態が一定時間(初期設定は 30 分)続くと終わる | 期間の中で重複を除いて数える |
| 主な関連の数字 | エンゲージメントのあったセッション、エンゲージメント率、セッションあたりの表示回数 | 総ユーザー数、アクティブ ユーザー数、新規ユーザー数、リピーター |
| 向いている問い | どの経路から何回訪問されたか | 何人に届いたか、また来てくれたか |
通常、セッションはユーザーと同じか、それより多くなります。ユーザーの数え方は端末やブラウザに左右されるため、「ユーザー=実際の人数」ではない点も、後の節で説明します。
なお、ページが表示された回数(表示回数、ページビュー)は、さらに別の単位です。1 回のセッションで 3 ページ見れば、表示回数は 3 になります。PV が数えられる条件と GA4 での見方は「PV数とは」で説明しています。
GA4でのセッションの数え方
アナリティクス ヘルプによると、GA4 のセッションは、セッションが続いていない状態で利用者がページを開いたとき(アプリなら起動したとき)に始まります。このとき session_start というイベントが自動で記録され、セッション ID が付けられます。
セッションの終わり方と、旧バージョンとの違いは次のとおりです。
| ルール | GA4 | ユニバーサル アナリティクス(旧バージョン) |
|---|---|---|
| 操作の無い時間による終了 | 初期設定で 30 分。管理画面の「セッションのタイムアウトを調整する」で、最大 7 時間 55 分まで変えられる | 初期設定で 30 分 |
| 日付が変わったとき(午前 0 時) | 新しいセッションにならない | セッションが終わり、新しいセッションになる |
| 途中で流入元(キャンペーン)が変わったとき | 新しいセッションにならない | 新しいセッションになる |
| セッションの長さの上限 | アナリティクス ヘルプでは、上限は無いとされている | — |
このため、同じサイトでも GA4 のセッション数は、旧バージョンの数字と一致しないことがあります。アナリティクス ヘルプの GA4 と旧バージョンの指標の比較でも、この違いが差の原因になると説明しています。
例:1 日の行動をどう数えるか
例として、ある人がパソコンの同じブラウザで、次のように行動したとします(説明用の例です)。
| 時刻 | 行動 | GA4 での数え方 |
|---|---|---|
| 10:00 | 検索結果から記事 A を開く | セッション 1 が始まる |
| 10:05 | 記事 B に移る | セッション 1 のまま(表示回数は 2) |
| 10:50 | 開いたままのタブに戻り、記事 C に移る | 操作の無い状態が 30 分を超えたため、セッション 2 が始まる |
| 23:50 | ブックマークから再訪し、0:10 まで読む | セッション 3。日付をまたいでも 1 つのセッションのまま |
| 翌日 12:00 | スマートフォンで記事 A を開く | 別の端末のため、ログインなどで同じ人と識別できなければ、別のユーザーのセッションになる |
この例では、パソコンのブラウザ分だけでセッションは 3、ユーザーは 1 です。スマートフォンの訪問は、同じ人と結び付けられなければ、ユーザーがもう 1 人増えたように数えられます。
セッション数は推定値
Google のアナリティクス開発者ブログによると、GA4 のレポートは、セッション数やユーザー数のような「重複を除いた数」を、HyperLogLog++ という方法で推定しています。大量のデータを速く集計するためで、BigQuery に書き出したデータで正確に数えた値とは、わずかに差が出ることがあります。小さな差を気にせず、傾向で読むのが基本です。
GA4でのユーザーの数え方
同じ人をどう見分けているか
GA4 は、ウェブでは主にブラウザに保存される Cookie(_ga)の識別子(デバイス ID)で、同じ人かどうかを見分けます。アナリティクス ヘルプの「レポート用識別子」では、サイトが送るユーザー ID、利用者から提供されたデータ、デバイス ID、モデリング(推定)を組み合わせて、同じ人の行動をまとめる方法が説明されています。
そのため、次のような場合は、同じ人でも別のユーザーとして数えられることがあります。
- パソコンとスマートフォンなど、別の端末から訪れた
- 同じ端末でも、別のブラウザで開いた
- Cookie を削除した、またはシークレット ウィンドウで開いた
反対に、家族で 1 台のパソコンを共有していると、複数の人が 1 ユーザーとして数えられることもあります。ユーザー数は「人数の目安」として読みます。
総ユーザー・アクティブ ユーザー・新規ユーザーの関係
アナリティクス ヘルプの「ユーザーに関する指標を理解する」では、ユーザーの数え方を次のように分けています。
| 指標 | 数える対象 | 注意点 |
|---|---|---|
| 総ユーザー数 | 期間中に何らかのイベントを記録した、重複を除いたユーザー | すぐに離れた人も含む |
| アクティブ ユーザー数 | 期間中にサイトを利用したユーザー。ウェブでは、エンゲージメントのあったセッションがある、初回訪問(first_visit)が記録された、などの条件で判断 | 多くの標準レポートの「ユーザー」はこの数字 |
| 新規ユーザー数 | 期間中に初めて訪れたユーザー | 新規ユーザーがすべてアクティブとは限らない |
| リピーター | 以前にも訪れたことがあり、期間中に再び訪れたユーザー | Cookie が消えると、新規として数え直される |
ヘルプによると、新規ユーザー数がアクティブ ユーザー数を上回ることがあります。また、以前に訪れた人が 10 秒未満ですぐに離れた場合などは、総ユーザー数にだけ含まれ、アクティブ ユーザー数には含まれません。「総ユーザー数 = 新規ユーザー数 + リピーター」のような足し算は成り立たないことがあります。4 つのユーザー指標の定義と、報告でどれを使うかの判断表は「GA4のアクティブユーザーの解説」にまとめています。
「エンゲージメントのあったセッション」の条件(10 秒を超えて続いた、キーイベントがあった、2 ページ以上見られた)と、その基準の変え方は「直帰率とは」で説明しています。
数字が合わない・足し算できないのはなぜか
セッションとユーザーの数字を表計算ソフトで扱うと、合計が合わないことがよくあります。多くは仕様によるもので、計測の誤りではありません。
| よくある疑問 | 理由 | どう扱うか |
|---|---|---|
| 日ごとのユーザー数を足すと、月のユーザー数より多い | ユーザーは期間の中で重複を除いて数える。2 日来た人は日ごとには 2 回、月では 1 回 | 月のユーザー数は、月を期間に指定して直接見る |
| ページごとのユーザー数を足すと、サイト全体より多い | 1 人が複数のページを見ると、それぞれのページで数えられる | サイト全体の数字は、全体の行で見る |
| チャネルごとのセッションの合計が、全体と少し違う | 重複を除いた数は推定値で、組み合わせると差が出ることがある | 小さな差は無視し、傾向で読む |
| 新規ユーザー+リピーターが総ユーザー数と合わない | 指標ごとに数える条件が違う | 同じ指標どうしで期間を比べる |
| 旧バージョンより、セッションが少ない | 日付の変わり目やキャンペーンの切り替わりで新しいセッションにならない | GA4 の数字どうしで比べる |
| 同意の設定を入れてから、ユーザーが減った | Cookie の利用に同意しなかった人の扱いが変わる。レポート用識別子の設定によってはモデリングで推定される | 設定を変えた日を記録し、その前後を単純に比べない |
「月のユーザー数を日ごとの合計で出す」「ページごとのユーザーを足してサイトの人数にする」といった計算は、報告書で起きやすい誤りです。必要な期間・単位を指定して、GA4 から直接取り出します。
セッションとユーザー、どちらを見ればよいか
どちらが正しいということはなく、問いによって使い分けます。
| 知りたいこと | 見る数字 | 理由 |
|---|---|---|
| 検索からの訪問が増えたか | セッション(チャネル別) | 経路ごとの訪問の量を表す。同じ人の再訪も 1 回として数える |
| 記事が何人に届いたか | ユーザー(アクティブ ユーザー) | 同じ人の繰り返しの訪問を除ける |
| 読者が戻ってきているか | リピーター、ユーザーあたりのセッション数 | 1 人が何回訪れたかが分かる |
| 新しい読者を集められているか | 新規ユーザー(ユーザー獲得レポート) | 初めて来た人がどの経路から来たかが分かる |
| 訪問の質 | エンゲージメント率(セッション単位) | エンゲージメントのあったセッションの割合 |
| 成果の割合 | セッションのキーイベント率、ユーザーのキーイベント率 | 分母をセッションにするかユーザーにするかで意味が変わる |
報告では、分母を明記します。成果として数える行動の決め方は「キーイベントとは」で説明しています。例えば「問い合わせの割合」と書くときは、セッションあたりかユーザーあたりかを書いておかないと、前の月と比べたときに誤解が生まれます。
例として、ユーザーは変わらないのにセッションが増えた月は、同じ人がより多く訪れたと考えられます。反対に、セッションとユーザーが同じように増えた月は、新しい人が増えた可能性があります。新規ユーザーとリピーターの内訳で確かめます。
GA4でセッションとユーザーを確かめる手順
経路ごとに見る:トラフィック獲得とユーザー獲得
「レポート」→「集客」には、似た 2 つのレポートがあります。違いは、流入元をどの単位で割り当てるかです。
| レポート | 流入元の単位 | 分かること |
|---|---|---|
| トラフィック獲得 | セッションごと(「セッションの〜」の項目) | 訪問のたびの流入元。再訪も含めた経路ごとの量 |
| ユーザー獲得 | ユーザーが最初に来たとき(「最初のユーザーの〜」の項目) | 新しいユーザーを連れてきた経路 |
例えば、初めて検索から来た人が、次はブックマークから来た場合、ユーザー獲得では検索の 1 ユーザー、トラフィック獲得ではそれぞれの訪問の流入元で数えられます。SEOの訪問の量はトラフィック獲得で、検索が新しい読者を連れてきているかはユーザー獲得で確かめます。
ページごとに見る
- 「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」または「ランディング ページ」を開きます。
- 表の右上の鉛筆の印(レポートのカスタマイズ)が使える場合は、指標に「セッション」「アクティブ ユーザー」「総ユーザー数」などを追加できます(編集には権限が必要です)。
- ランディング ページのレポートでは、そのページから始まったセッションの数が分かります。
探索で数える条件をそろえる
決まったレポートで足りないときは、「探索」で自由形式のレポートを作り、ディメンション(日付、セッションのデフォルト チャネル グループなど)と指標(セッション、アクティブ ユーザー、新規ユーザー数、ユーザーあたりのセッション数など)を選びます。比べる指標を同じ表に並べると、数え方の違いが見えやすくなります。GA4 の基本の画面は「GA4の使い方」で説明しています。
Search Consoleのクリック数・表示回数との違い
SEOでは、Search Console の数字と並べて見ることが多くあります。Search Console のクリック数は、Google 検索の結果でリンクがクリックされた回数で、GA4 のセッションとは別のデータです。
| 数字 | どこで記録されるか | 数える単位 |
|---|---|---|
| 表示回数(Search Console) | Google の検索結果 | 検索結果にページへのリンクが表示された回数 |
| クリック数(Search Console) | Google の検索結果 | 検索結果のリンクがクリックされた回数 |
| セッション(GA4、Organic Search) | サイトに入れた計測タグ | 検索から来た訪問。Google 以外の検索エンジンも含む |
| ユーザー(GA4) | サイトに入れた計測タグ | 識別子で区別した訪問者 |
クリックの後にページの読み込みが終わる前に戻った場合や、計測タグが動かなかった場合は、GA4 には記録されません。そのため、クリック数とセッション数は一致させるものではなく、同じ方向に動いているかを見比べます。
データが少ないサイトでの読み方
当サイト(seoagent.jp)では、改修前の基準値として、GA4 の全体のセッションが 46、自然検索からのセッションが 0 でした(Site Kit 経由で取得、2025-06-16〜2026-10-06)。このくらいの量では、1 人の訪問の有無でエンゲージメント率や割合が大きく動くため、割合よりも件数そのものと、計測が動いているかを確かめることを優先します。
数字を読む前提として、計測のタグが二重になっていないかも確かめます。タグが 2 か所から送られていると、同じ訪問が重ねて記録されるおそれがあります。当サイトでは GA4 の設定が 2 つのプラグインにあったため、1 つ(測定 ID は 1 つ)にまとめ、Google タグの送信先が 1 つであることを確かめました。
- 期間は長めに取り、月単位で比べる
- 割合(エンゲージメント率など)は、分母の件数と一緒に記録する
- 社内の閲覧が多いなら、内部トラフィックの除外を検討する
- 設定を変えた日を記録し、変更の前後を同じ条件で比べる
GA4のセッションとユーザーの違いと関わる分析・効果測定の記事は「分析・効果測定の記事一覧」にまとめています。
よくある質問
ページを開いたまま放置すると、セッションはどうなりますか?
操作の無い状態が、設定したタイムアウト(初期設定は 30 分)を超えると、セッションは終わります。その後にページを操作すると、新しいセッションとして数えられます。
セッションのタイムアウトは長くしたほうがよいですか?
長い動画や長文を読むサイトなど、30 分を超えて操作が無いのが普通の場合に検討します。変えた日を境にセッション数の数え方が変わるため、前後の比較に注意します。
「ユーザー」と「総ユーザー数」はどちらを報告に使えばよいですか?
GA4 の標準レポートに合わせるなら、アクティブ ユーザー(多くのレポートの「ユーザー」)を使います。どちらを使う場合も、指標の名前を報告書に明記し、期間ごとに同じ指標で比べます。
ユーザー数を実際の人数として扱ってよいですか?
目安として扱います。別の端末やブラウザから来た人は別のユーザーに、共有の端末を使う人は 1 人に数えられることがあります。ログインのあるサイトでユーザー ID を送ると、端末をまたいだ識別に近づけられます。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT では、Search Console と GA4 を連携し、サイト全体と記事ごとに、クリック、表示回数、CTR、平均順位、ユーザー、PV、平均滞在時間、エンゲージメント率を確認できます。「流入と成果」では、GA4 の自然検索からの訪問と、成果として設定したキーイベントを見られます。
Search Console の数字と GA4 の数字は別のデータとして扱い、取得できない状態を「0件」や「問題なし」とは扱いません。各データの取得時刻と、接続していないデータも画面に表示します。



