この記事の要点:
- GA4 のカスタム ディメンションとは、自分で送ったイベント パラメータやユーザー プロパティを、レポートや探索で「切り口(分類の軸)」として使えるように登録する設定です。送るだけではレポートに出ず、管理画面の「カスタム定義」で登録して初めて使えます。
- スコープはイベント・ユーザー・アイテムの 3 種類で、標準プロパティで作れる数はイベント スコープ 50、ユーザー スコープ 25、アイテム スコープ 10 です(アナリティクス ヘルプ、2026年10月13日確認)。
- Google は、作る前に事前定義のディメンションで足りないかを確かめ、ユーザー ID・セッション ID・タイムスタンプのように値の種類が多すぎるものは登録しないよう勧めています。値が多すぎると「(other)」行にまとめられます。
- 登録したディメンションは、作成から 24〜48 時間後にレポートで使えるようになります。ディメンション名を除き、スコープとイベント パラメータは保存後に変えられないため、名前の付け方を先に決めます。
GA4のカスタムディメンションとは
GA4 のカスタム ディメンションとは、サイトから送った独自のデータ(イベント パラメータやユーザー プロパティ)を、レポートで行や列に並べられる「ディメンション(分類の軸)」として登録したものです。たとえば「どの場所のボタンが押されたか」「問い合わせの種類は何か」を、標準のレポートにない切り口で集計できるようになります。
アナリティクス ヘルプは、カスタム ディメンションとカスタム指標について「Google アナリティクスで自動的に収集、表示される標準データの枠を超え、現実問題に直結した、より詳しい分析が可能になります」と説明しています([GA4] カスタム ディメンションとカスタム指標について、2026年10月13日確認)。
同じヘルプは、使えるようになるまでの流れを次の 4 段階で示しています。
- ウェブサイトまたはアプリのコードに、イベント パラメータあるいはユーザー プロパティを追加する
- ユーザーがアクセスすると、Google アナリティクスにカスタムデータが送信される
- カスタム ディメンションまたはカスタム指標を作成して、そのデータを分析できるようにする
- 24〜48 時間後に、カスタム ディメンションまたはカスタム指標を使ってレポートを作れるようになる
つまり、データを「送る」ことと、レポートで使えるように「登録する」ことは別の作業です。パラメータを送っていても、登録していなければ標準のレポートや探索の切り口には出てきません。GA4 の基本的な画面の見方は「GA4の使い方」で説明しています。
カスタム指標・イベントパラメータとの違い
カスタム ディメンションは「文字の分類」、カスタム指標は「数える・足す数値」、イベント パラメータは「イベントと一緒に送る元のデータ」です。同じパラメータを、分類として使うならカスタム ディメンション、数値として集計するならカスタム指標として登録します。
| 用語 | 中身 | 例 | 登録する場所 |
|---|---|---|---|
| イベント パラメータ | イベントと一緒に送る追加の情報(元のデータ) | cta_id: "hero_guide" | サイトのコードやタグで送る |
| カスタム ディメンション | パラメータやユーザー プロパティを、分類の軸として使えるようにしたもの | 「CTA の場所」ごとのクリック数 | 管理 →「カスタム定義」→「カスタム ディメンション」 |
| カスタム指標 | パラメータの数値を、合計や平均で集計できるようにしたもの | 読み込みにかかった秒数の合計 | 管理 →「カスタム定義」→「カスタム指標」 |
| 計算指標 | 既存の指標やカスタム指標を数式で組み合わせた指標 | {指標A} / {指標B} | 管理 →「カスタム定義」→「計算指標」 |
ヘルプは、カテゴリデータ(どのテキストがクリックされたか、どのページが閲覧されたか)については、カスタム指標よりイベント スコープのカスタム ディメンションのほうが分析に適していると説明しています。また、カスタム指標は「常にイベント スコープです」とされています。
スコープと作れる数の上限
カスタム ディメンションには、イベント・ユーザー・アイテムの 3 つのスコープ(データが当てはまる範囲)があり、それぞれ作れる数に上限があります。スコープは、そのデータが「1 回の行動」の情報か、「その人」の情報か、「商品」の情報かで選びます。
| 種類 | 何の情報か | 標準プロパティの上限 | 360 プロパティの上限 |
|---|---|---|---|
| イベント スコープのカスタム ディメンション | 1 回の行動(クリックした場所、フォームの種類など) | 50 | 125 |
| ユーザー スコープのカスタム ディメンション | その利用者の属性(ユーザー プロパティ。会員の区分など) | 25 | 100 |
| アイテム スコープのカスタム ディメンション | e コマースの商品(色・サイズなど) | 10 | 25 |
| カスタム指標 | 数値のパラメータ | 50 | 125 |
| 計算指標 | 指標を組み合わせた数式 | 5 | 50 |
上の数は、アナリティクス ヘルプ「[GA4] カスタム ディメンションとカスタム指標について」の表によります(2026年10月13日確認)。ヘルプによると、上限に近づいているかは[管理]の[カスタム定義]ページの右上にある[割り当て情報]で確かめられ、上限に達した場合は、ディメンションを削除してから 48 時間たたないと新しいディメンションを追加できません。
送る側にも上限があります。ヘルプ「イベント収集の制限」によると、1 つのイベントに付けられるイベント パラメータは 25 個、パラメータ名は 40 文字、パラメータの値は 100 文字まで(ページの URL などの例外あり)で、上限を超えたものは記録されません。文字数は、半角と全角で同じに数えます。
使わなくなったカスタム ディメンションは「アーカイブ」して枠を空けられますが、ヘルプは、アーカイブは元に戻せず、そのディメンションを使っているオーディエンス、探索、セグメント、レポートに影響すると注意しています。
設定する前に決めること
カスタム ディメンションを作る前に、「何を知りたいか」「既にあるディメンションで足りないか」「値の種類が増えすぎないか」の 3 つを決めます。保存した後は、スコープとイベント パラメータを変えられないためです(ヘルプ「[GA4] イベント スコープのカスタム ディメンションを作成する」)。
| 確かめること | 判断のしかた | Google の説明 |
|---|---|---|
| 事前定義のディメンションで足りないか | リンク URL、ページの場所、コンテンツ グループなど、既にあるものを先に探す | 「可能な場合は事前定義されたディメンションと指標を使用できないかご検討ください」 |
| 値の種類(基数)が多すぎないか | 1 日の値の種類が 500 を超えそうなら登録しない。ID・日時・自由入力の文字は避ける | 値が 500 を超えるディメンションは高基数とみなし、「(other)」行にまとめられる可能性が高くなる |
| 値が数字だけにならないか | 分類の値は英字を含む名前にする(例:hero_guide) | カスタム ディメンションで数値に似ている値は、テキストで送っても数値として扱われる |
| 名前の規則 | パラメータ名は英小文字とアンダースコア、ディメンション名は画面で分かる日本語にする | ディメンション名にハイフンは使えず、アンダースコアとスペースは使える |
| いつから必要か | レポートで使えるのは作成の 24〜48 時間後。分析したい期間より前に登録しておく | カスタムデータが送られてディメンションが作成されてから 24〜48 時間後にレポートに追加できる |
ヘルプの説明は「作成されてから 24〜48 時間が経過すると」レポートで使える、というもので、作成より前の期間のデータがどう表示されるかは、当サイトが確認したヘルプのページには書かれていません。必要な切り口は分析を始める前に登録し、登録した日を記録しておくと、あとで数字を読み違えずに済みます。
個人を特定できる情報(メールアドレス、氏名など)をパラメータに入れないことも決めておきます。ヘルプは拡張計測機能の説明で「個人を特定できる情報が収集されないようにする必要があります」としています。
GTMでパラメータを送る手順
Google タグ マネージャー(GTM)でカスタム ディメンション用のデータを送るには、「Google アナリティクス: GA4 イベント」タグにイベント パラメータを追加し、その値を変数から渡します。タグ マネージャー ヘルプは、GA4 イベントタグについて「必要に応じて、さらにパラメータを追加して情報を送信できます」と説明しています(タグ マネージャーで Google アナリティクス イベントを設定する、2026年10月13日確認)。
値をページから GTM に渡す方法として、サイト側で dataLayer.push() を使い、GTM の「データレイヤー変数」で受け取る形がよく使われます。次は、記事ページで分類を渡す例です(説明用の例)。
<script>
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
window.dataLayer.push({
'event': 'article_view_ready',
'article_topic': 'technical-seo',
'article_type': 'guide'
});
</script>
- GTM で[変数]→[ユーザー定義変数]→[新規]を開き、変数タイプに「データレイヤー変数」を選ぶ。データレイヤーの変数名に
article_topicと入れて保存する - [タグ]→[新規]で「Google アナリティクス: GA4 イベント」を選び、測定 ID とイベント名を入れる
- イベント パラメータの欄で、パラメータ名に
article_topic、値に作成した変数を指定する - トリガーを設定する(上の例ならカスタム イベント
article_view_ready) - プレビュー(Tag Assistant)でタグが配信され、パラメータに値が入っていることを確かめてから公開する
タグ マネージャー ヘルプによると、データレイヤー変数は dataLayer.push() でデータが入ったときに値が設定されます。GTM を使わず Google タグ(gtag.js)で計測している場合は、gtag('event', 'イベント名', {パラメータ名: 値}) の形で同じようにパラメータを送れます。GTM の導入と確かめ方は「Googleタグマネージャーとは」で説明しています。
GA4でカスタムディメンションを登録する手順
パラメータが届いていることを確かめたら、GA4 の管理画面の「カスタム定義」でカスタム ディメンションを作成します。手順はアナリティクス ヘルプ「[GA4] イベント スコープのカスタム ディメンションを作成する」に沿っています(2026年10月13日確認)。
- パラメータが届いているか確かめる:リアルタイム レポートの[イベント名別のイベント数]カードでイベントを選び、パラメータが記録されていることを確かめる
- 権限を確かめる:プロパティの編集者以上の権限が必要
- 画面を開く:[管理]→[データの表示]→[カスタム定義]を開き、[カスタム ディメンション]タブで[カスタム ディメンションを作成]を押す
- 項目を入れる:ディメンション名(レポートに表示される名前)、範囲(イベント)、説明(省略可)、イベント パラメータ(コードで送っている名前)を入れる
- 保存する:範囲とイベント パラメータは保存後に変えられない
- 24〜48 時間後に使う:レポートの[レポートをカスタマイズ]でディメンションを追加するか、探索の[変数]→[ディメンション]の[+]→[カスタム]から読み込む
レポートで「(other)」という行が出た場合は、値の種類が多すぎる可能性があります。ヘルプ「[GA4]「(other)」行について」は、「(other)」行はテーブルの行数が上限を超えたときに表示され、あまり一般的でない値がまとめられると説明しています。セカンダリ ディメンションやフィルタ、比較を使うレポートでは出やすくなり、標準レポートには集計テーブルがあるため出にくい、とされています。
探索での使い方(自由形式・目標到達プロセスなど)は、探索の画面でディメンションを行や列に置いて使います。ランディング ページ別の見方は「ランディングページ分析」で説明しています。
記事サイトでの設計例
記事を中心とするサイトでは、「記事の分類」「行動の場所」「成果の種類」の 3 つの切り口があると、記事ごとの数字を読み解きやすくなります。このうち記事の分類は、カスタム ディメンションを作らずに、GA4 の「コンテンツ グループ」(事前定義のディメンション)で扱えます。ヘルプ「[GA4] コンテンツ グループを作成する」は、Google タグなら content_group パラメータをページに追加して設定すると説明しています。
| 知りたいこと | 送るパラメータ(例) | 登録のしかた | 値の種類の目安 |
|---|---|---|---|
| どの分類の記事がよく読まれるか | content_group | 事前定義の「コンテンツ グループ」を使う(カスタム ディメンションは不要) | 分類の数だけ |
| どの場所のボタンが押されたか | cta_id | イベント スコープのカスタム ディメンション | ボタンの数だけ |
| どのフォームが使われたか | form_id | イベント スコープのカスタム ディメンション | フォームの数だけ |
| 問い合わせの種類 | inquiry_type | イベント スコープのカスタム ディメンション | 選択肢の数だけ |
| 押されたリンクの URL | link_url | 事前定義の「リンク URL」を使う(登録しない) | 多い |
| 記事の公開月 | published_month(例:m2026_10) | 必要な場合だけイベント スコープで登録。日付や時刻そのものは送らない | 月の数だけ |
ヘルプは、事前定義済みディメンションのパラメータ(ページの各ディメンション、取引 ID など)にカスタム ディメンションを登録しても基数には影響しないが、割り当てを 1 つ使ってしまうためおすすめしない、と説明しています。link_url のように既にディメンションがあるものは登録しません。
フォームの form_id について、ヘルプ「拡張計測機能イベント」は、form_start・form_submit のパラメータは「レポート用のカスタム ディメンションを作成する場合のみ」レポートで使えると説明しています。フォームを分けて見たい場合は、form_id をイベント スコープで登録します。
著者ごとに見たい場合も同じ考え方で、著者の数が限られていれば author のようなパラメータをイベント スコープで登録できます。一方、記事の ID や URL を 1 本ずつ登録するのは、既にあるページの各ディメンションで足りるため不要です。ボタンの置き方と効果の測り方は「CTAとは」で説明しています。
当サイトの計測の設計と、確かめられること
当サイト(seoagent.jp)は、GA4 のタグを WordPress のプラグイン(Site Kit)の 1 か所から出し、GTM は使っていません。テーマの JavaScript から gtag('event', …) で次のイベントとパラメータを送っています(リポジトリのテーマとプラグインのコードで確認、2026年10月13日)。
| イベント | 送るタイミング | パラメータ | 登録の考え方 |
|---|---|---|---|
cta_click | 資料請求・相談などのボタンを押したとき(クリックの記録だけで、成果ではない) | cta_id(ボタンの場所。例:hero_guide、footer_guide、pricing_demo)、link_url | cta_id はイベント スコープで登録する候補。link_url は事前定義のリンク URL を使う |
form_start | 問い合わせフォームに最初に入力したとき(1 回だけ) | form_id | イベント スコープで登録する候補 |
generate_lead | フォームの送信をサーバーが受け付けたときだけ | form_id、inquiry_type(問い合わせの種類)、page_language(日本語・英語) | 3 つともイベント スコープで登録する候補 |
テーマのコードにある cta_id の値は、ボタンの置き場所ごとに付けた十数種類の名前で、すべて英字を含みます。値の種類が少なく、数字だけの値も無いため、Google が注意する「(other)」行や数値として扱われる問題は起きにくい設計です。
一方で、これらのパラメータが GA4 の管理画面でカスタム ディメンションとして登録済みかどうかは、リポジトリには記録が無く、この記事では確かめられていません。また、当サイトの GA4 は計測を始めたばかりで、2025年6月16日〜2026年10月6日の全体のセッションは 46、自然検索からは 0 でした(Site Kit 経由の取得)。数が少ない間は、切り口を増やしても読み取れることは限られます。登録は、分析に使う時期より前に済ませておく、という順番で考えます。
タグを 1 か所にまとめた経緯(2 つのプラグインに分かれていた設定を一本化)はキーイベントの記事でも触れています。セッションとユーザーの数え方の違いは「セッションとユーザーの違い」で説明しています。
GA4のカスタムディメンションと関わる分析・効果測定の記事は「分析・効果測定の記事一覧」にまとめています。
よくある質問
カスタムディメンションは過去のデータにも反映されますか?
アナリティクス ヘルプの説明は、カスタムデータが送られてディメンションが作成されてから 24〜48 時間後にレポートで使える、というものです。作成より前の期間の扱いは、当サイトが確認したヘルプのページには書かれていません。分析したい期間より前に登録し、登録した日を記録しておきます。
いくつまで作れますか?
標準プロパティでは、イベント スコープが 50、ユーザー スコープが 25、アイテム スコープが 10、カスタム指標が 50、計算指標が 5 です(2026年10月13日確認)。残りの数は[管理]→[カスタム定義]の[割り当て情報]で確かめられます。
イベントパラメータとカスタムディメンションの違いは何ですか?
イベント パラメータは、イベントと一緒に送る元のデータです。カスタム ディメンションは、そのパラメータを GA4 のレポートや探索で分類の軸として使えるように登録したものです。パラメータを送るだけでは、標準のレポートの切り口には出てきません。
レポートに(other)と出るのはなぜですか?
テーブルの行数が上限を超え、あまり一般的でない値が「(other)」行にまとめられたためです。ヘルプは、1 日の値の種類が 500 を超えるディメンションを高基数とみなし、ユーザー ID やセッション ID、タイムスタンプをカスタム ディメンションにしないよう勧めています。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT では、Search Console と GA4 をつないで、公開後の数字を記事ごとに確認できます。
- SEO分析・効果測定:クリック、表示回数、CTR、平均順位、ユーザー、PV、平均滞在時間、エンゲージメント率を記事ごとに確認できます。「流入と成果」では、GA4 の自然検索からの訪問と、成果として設定したキーイベントを確認できます
できないこと:GA4 のカスタム ディメンションの登録や、サイトへのタグの設置は行いません。記事内のリンクのクリックなどを数えるには、お客様の Google タグ マネージャーでの設定が必要です。



