この記事の要点:
- GA4 の探索レポート(データ探索)は、標準レポートに無い組み合わせを、ディメンション・指標・セグメント・フィルタを自分で選んで作る分析画面です。左のメニューの「探索」から作ります。
- 手法は、自由形式、目標到達プロセス、経路、セグメントの重複、ユーザー エクスプローラ、コホート、ユーザーのライフタイムの 7 つです。SEO でまず使うのは、自然検索の着地ページ別に成果を見る「自由形式」です。
- 探索の数字が標準レポートと合わないのは仕様です。データ保持の期間(2 か月または 14 か月)、データのしきい値、1,000 万イベントを超えたときのサンプリング、セグメントの数え方が主な理由です(出典:アナリティクス ヘルプ:レポートとデータ探索におけるデータの違い)。
- 探索は作成者だけが見られる状態で作られます。共有すると同じプロパティの閲覧者が読み取り専用で見られ、編集するには複製します。
GA4の探索レポートとは:自分で組み立てる分析画面
GA4 の探索レポートとは、ディメンション(分析の切り口)と指標(数値)、セグメント(データの一部)、フィルタを自分で選び、表やグラフを組み立てる分析画面です。アナリティクス ヘルプ「データ探索ツールを使ってみる」では、標準のレポートを超える高度な手法をまとめたもので、レポートに掲載されないデータや分析手法を使えると説明しています(2026 年 10 月 13 日確認)。
画面は 3 つの領域に分かれます。
| 領域 | 役割 |
|---|---|
| 変数 | 使うディメンション・指標・セグメントと期間を選ぶ。ディメンションと指標はそれぞれ 20 個まで読み込める |
| タブの設定 | 手法を選び、変数を「行」「列」「値」「フィルタ」などに置く |
| キャンバス | 結果の表やグラフが表示される。タブを足して 1 つの探索で複数の手法を使える |
探索は、左のメニューの「探索」(ヘルプでは「データ探索」とも表記)から開きます。空白から作るほか、手法ごとのテンプレートから始めることもできます。GA4 の画面全体の見方は「GA4の使い方」で説明しています。
標準レポートとの違いと使い分け
標準レポートは「決まった切り口の数字をすぐ見る」画面、探索は「決まった切り口に無い問いを自分で調べる」画面です。毎月同じ数字を確かめるなら標準レポート、ある疑問を一度深く調べるなら探索、と使い分けます。
| 比べる点 | 標準レポート | 探索 |
|---|---|---|
| 作り方 | 用意されたレポートを開く | 手法と変数を自分で選んで組み立てる |
| 見られる期間 | データ保持の設定に左右されない集計データ | データ保持の期間(2 か月または 14 か月)まで |
| セグメント | 使えない(比較機能はある) | ユーザー・セッション・イベントの 3 種類を作って使える |
| 見られる人 | プロパティの権限がある人 | 作成者のみ。共有すると閲覧者が読み取り専用で見られる |
| 向いている用途 | 毎月の定点観測、報告 | 原因の深掘り、仮説の確かめ |
どちらを使うかの判断
| 状況 | 使うもの | 理由 |
|---|---|---|
| 毎月、自然検索のセッション数の推移を報告する | 標準レポート | 誰が開いても同じ数字が出て、期間の制限も受けにくい |
| 自然検索で入ったページ別に、問い合わせの数を見たい | 探索(自由形式) | 着地ページ・チャネル・キーイベントを 1 つの表に並べられる |
| 記事を読んだあと、どのページへ進んだかを知りたい | 探索(経路データ探索) | ページの順番を木の形でたどれる |
| 1 年以上前の数字と比べたい | 標準レポート | 探索はデータ保持の期間を超えたデータを表示しない |
| 同じ表を社外の人にも定期的に見せたい | Looker Studio など | 探索の共有は同じプロパティの利用者に限られる |
社外の人や GA4 の権限が無い人にも見せる定期報告は、Looker Studioのレポートにまとめるほうが向いています。
探索の7つの手法とSEOでの使いどころ
探索の手法は 7 つあり、SEO の確認でよく使うのは自由形式・経路データ探索・目標到達プロセスデータ探索の 3 つです。手法の名前と説明はアナリティクス ヘルプ「データ探索ツールを使ってみる」に沿っています(2026 年 10 月 13 日確認)。
| 手法 | ヘルプの説明(要約) | SEOで何に使うか |
|---|---|---|
| 自由形式 | クロス集計表の形式でデータを探索する。表・棒グラフ・折れ線グラフなどに切り替えられる | 自然検索の着地ページ別のセッション・キーイベントを並べる |
| 目標到達プロセスデータ探索 | タスクを完了するまでのステップを視覚化する | 記事 → サービスページ → フォーム送信の各段階で何人残ったかを見る |
| 経路データ探索 | ユーザーがどのような経緯でサイトやアプリを移動しているかを表示する | 記事を読んだあとに進んだページ、問い合わせの前に見たページを調べる |
| セグメントの重複 | ユーザー セグメントどうしの関係(重なり)を確認する | 自然検索で来た人と、資料請求した人の重なりを見る |
| ユーザー エクスプローラ(ユーザーデータ探索) | セグメントを構成するユーザーと、個々のアクションを調べる | 計測の確認で、1 人の行動が想定どおり記録されているかを見る |
| コホートデータ探索 | 共通の属性を持つユーザーのグループの行動を見る | 初めて来た週ごとに、その後も戻ってきているかを見る |
| ユーザーのライフタイム | 顧客としてのライフタイム バリューを評価する | EC など収益を記録するサイトで、最初の流入経路別の価値を見る |
経路データ探索では、始点にページやイベントを置いて次に進んだ先を見るほか、終点(例:問い合わせのキーイベント)を置いて、そこに至る前の経路をさかのぼることもできます。ヘルプによると、各ステップには上位 5 個のノード(経路上の点)が表示され、ステップごとに 20 個まで増やせます。導線の設計と合わせた読み方は「導線とは」で説明しています。
自由形式の作り方:自然検索の着地ページ×キーイベント
SEO の効果を見る探索として最初に作るのは、「自然検索で入ったページごとに、セッションと成果がいくつあったか」を並べる自由形式の表です。どの記事が検索から読まれ、どの記事が問い合わせなどの成果につながったかを、1 つの表で確かめられます。
- 左のメニューの「探索」を開き、「空白」または「自由形式」のテンプレートで新しい探索を作ります。
- 「変数」のディメンションの「+」から「ランディング ページ」と「セッションのデフォルト チャネル グループ」を読み込みます。
- 指標の「+」から「セッション」「合計ユーザー数」「キーイベント」を読み込みます。
- 「タブの設定」の「行」に「ランディング ページ」を置きます。
- 「値」に「セッション」「合計ユーザー数」「キーイベント」を置きます。
- 「フィルタ」に「セッションのデフォルト チャネル グループ」を置き、「完全一致」で自然検索のチャネル(値は「Organic Search」。ヘルプの日本語の表記では「オーガニック検索」)を指定します。
- 右上で期間を選び、探索に分かりやすい名前(例:自然検索_着地ページ×キーイベント)を付けます。
| 置く場所 | 入れるもの | メモ |
|---|---|---|
| 行 | ランディング ページ | セッションの最初のページビューに関連付けられたページパス(ヘルプの定義) |
| 値 | セッション、合計ユーザー数、キーイベント | 値には指標を 10 個まで置ける |
| フィルタ | セッションのデフォルト チャネル グループ = Organic Search | フィルタは AND でつながる。タブごとに 10 個まで |
| 列(任意) | デバイス カテゴリ | 列にはディメンションを 2 つまで置ける |
キーイベントの列が 0 ばかりなら、成果のイベントがキーイベントとして設定されていない可能性があります。設定と確かめ方は「GA4のキーイベントの設定方法」で説明しています。表の読み方と、改善するページの決め方は「ランディングページ分析のやり方」にまとめています。
フィルタとセグメントのどちらで絞るか
1 つの表だけを自然検索に絞るならフィルタ、同じ条件をいくつもの手法や表で使い回すならセグメントが向いています。フィルタはそのタブだけに効きます。セグメントは探索に保存され、ほかのタブにも当てられます。
自然検索のセグメントの作り方
自然検索のセグメントは、「セッション セグメント」で「セッションのデフォルト チャネル グループ」が「Organic Search」に一致する、という条件で作ります。アナリティクス ヘルプ「セグメント ビルダー」によると、セグメントはデータ探索の中でだけ使え、ユーザー・セッション・イベントの 3 種類があります(2026 年 10 月 13 日確認)。
- 探索の「変数」で「セグメント」の横の「+」をクリックします。
- 「セッション セグメント」を選びます。
- 名前(例:自然検索のセッション)を付け、「新しい条件を追加」で「セッションのデフォルト チャネル グループ」を選びます。
- 条件を「完全一致」「Organic Search」にして「適用」します。編集者以上の権限があれば「プロパティに保存」で、ほかの人の探索でも使えます。
セグメントはユーザー・セッション・イベントのどれで作るか
| 種類 | 含まれるデータ | SEOでの使い方 |
|---|---|---|
| ユーザー セグメント | 条件を満たした人の、期間内のすべての行動 | 一度でも自然検索で来た人が、その後どの経路で戻り、成果に至ったかを見る |
| セッション セグメント | 条件を満たした訪問の中の行動だけ | 自然検索の訪問の中で起きた成果だけを数える |
| イベント セグメント | 条件を満たしたイベントだけ | 特定のフォーム送信のイベントだけを取り出す |
ヘルプの例では、1 日目に閲覧だけして 2 日目に購入した人について、ユーザー セグメントでは 2 日分すべての行動が、セッション セグメントでは購入した日のセッションだけが返されます。自然検索の効果を数えるときは、どちらを使ったかで数が変わるため、報告に書き添えます。
探索の数字が標準レポートと合わない理由
探索の数字が標準レポートと合わないのは、多くの場合不具合ではなく仕様です。アナリティクス ヘルプ「レポートとデータ探索におけるデータの違い」では、サポートされるフィールド、フィルタの一致の方法、セグメントと比較、期間、ユーザー数の少なさ、行動モデリング、処理時間の違いを理由に挙げています(2026 年 10 月 13 日確認)。
| 原因 | 起きること | 確かめ方・対処 |
|---|---|---|
| データ保持の期間 | 保持期間(2 か月または 14 か月)より前のデータが探索に出ない | 管理の「データ設定」→「データの保持」で設定を見る。すでに削除されたデータは、延長しても戻らない |
| データのしきい値 | ユーザー属性や検索語句を含むと、少ない行が除外される | 期間を広げる。属性のディメンションを外す |
| サンプリング | 標準のプロパティで、探索のクエリが 1,000 万イベントを超えると一部のデータから推計される | 右上のアイコンが黄色になる。期間を短くする |
| フィルタの一致の方法 | 探索のフィルタは大文字と小文字を区別する。標準レポートの検索欄は区別しない | 「完全一致」「含む」などの指定と、値の表記を見直す |
| セグメントへの変換 | レポートの比較を探索で開くと、対応しない項目がセグメントから外れる | セグメントの条件を開いて中身を確かめる |
| 処理時間 | 直近 48 時間の数字は差が出ることがある | 確定した過去の期間で比べる |
表の出典:アナリティクス ヘルプ:レポートとデータ探索におけるデータの違い
データ保持の期間で過去が見られない
探索で 1 年以上前のデータが表示されない主な理由は、データ保持の設定です。アナリティクス ヘルプ「データの保持」によると、標準の GA4 プロパティでは、ユーザー単位のデータの保持期間を 2 か月か 14 か月から選び、この設定はデータ探索と目標到達プロセスのレポートにだけ影響します。標準の集計レポートには影響しません。保持期間を超えた範囲を探索で指定すると、超えた分は表示されません。
保持期間を 2 か月にしたまま運用していると、2 か月より前の期間は探索で見られません。ヘルプによると、期間を延長した場合に対象になるのは、まだ削除されていないデータです。探索を使う予定があるなら、早めに設定を確かめます。設定の変更には編集者の権限が必要です。
当サイトで使っている探索の例
当サイト(seoagent.jp)では、自由形式の探索と同じ切り口の数字を、Site Kit 経由で毎週自動で取得しています。取得している組み合わせは、ディメンションが「ランディング ページ」と「セッションのデフォルト チャネル グループ」、指標が「セッション」「合計ユーザー数」「キーイベント」です。前の節の自由形式の表と同じ形で、自然検索の着地ページ別に成果を見るためのものです。
| 項目(2025 年 6 月 19 日〜2026 年 10 月 9 日) | 値 | 出典・条件 |
|---|---|---|
| GA4 の全体のセッション | 73 | Site Kit 経由の自動取得(2026 年 10 月 12 日実行) |
| うち自然検索(Organic Search)のセッション | 0 | 同上 |
| 自然検索の日別データの行数 | 0 行 | 自然検索のセッションが無いため、絞り込むと行が出ない |
| ランディング ページ×チャネルの行数 | 3 行 | 同上。行の中身は本記事では扱わない |
このように、自然検索のセッションが 0 のサイトでは、自然検索に絞った探索は空の表になります。空の表は「計測が壊れている」とも「成果が無い」とも限りません。当サイトでは、まず計測の送信先が 1 つになっていることを確かめ(GA4 の設定が 2 つのプラグインにあったものを Site Kit の 1 つにまとめた)、そのうえで、取れなかった値を「0」ではなく「データなし」として記録しています。
訪問が少ないうちは、次の順で確かめると、空の表の意味を取り違えにくくなります。
- フィルタを外して、全体のセッションが記録されているかを見る
- チャネル別に並べ、どの経路から来ているかを見る
- 自然検索の行が出たら、着地ページとキーイベントを並べる
AI検索からの訪問を探索で見る方法
ChatGPT や Gemini などの AI アシスタントから来た訪問は、探索のフィルタで「セッションのデフォルト チャネル グループ」をAI アシスタントのチャネル(ヘルプの表記では「AI アシスタント」)にすると取り出せます。アナリティクス ヘルプ「デフォルト チャネル グループ」では、AI アシスタントを ChatGPT、Gemini、Deepseek、Copilot、Grok などから来たチャネルとし、Google の AI による概要と AI モードは除くと説明しています(2026 年 10 月 13 日確認)。
一方、Google の AI による概要と AI モードから来た訪問は、同じヘルプで「オーガニック検索」に含まれると説明されています。このため、探索で自然検索に絞った数には、AI による概要などから来た訪問も入っており、通常の検索結果からの訪問と分けて数えることは、このチャネルの定義ではできません。AI からの訪問の見方はGA4の参照元(リファラー)の見方でも説明しています。
| 見たいもの | 探索での設定 |
|---|---|
| AI アシスタントから来た訪問の着地ページ | 行:ランディング ページ/フィルタ:チャネル グループ=AI アシスタント |
| AI アシスタントの種類別の訪問 | 行:セッションの参照元/フィルタ:チャネル グループ=AI アシスタント |
| AI による概要から来た訪問だけ | チャネルの定義では分けられない(オーガニック検索に含まれる) |
探索の保存・共有と制限
探索は、作った時点では作成者しか見られません。アナリティクス ヘルプによると、右上の「データ探索を共有」で共有すると、そのプロパティの閲覧者の役割を持つ人が読み取り専用で見られ、編集するには複製します。共有するには、プロパティでアナリスト以上の役割が必要です。
| 決まり | 内容(ヘルプの記載) |
|---|---|
| 作れる数 | ユーザーあたり、プロパティごとに 200 件まで |
| 共有できる数 | プロパティごとに 500 件まで |
| セグメント | 探索ごとに 10 個まで(自由形式のセグメントの比較は 4 個まで) |
| フィルタ | タブごとに 10 個まで |
| 書き出し | Google スプレッドシート、TSV、CSV、PDF |
| 削除 | 探索を作成したユーザーだけが削除できる |
期間を「過去 28 日間」のような既定の期間で保存すると、開いた日から数えた期間で表示されます。決まった月で比べたいときは、カスタムの期間で保存します。
よくある質問
探索レポートは他の人と共有できますか?
できます。右上の「データ探索を共有」で、同じプロパティの閲覧者の役割を持つ人が読み取り専用で見られます。共有には、プロパティでアナリスト以上の役割が必要です。編集したい人は複製して使います。
探索レポートで過去のデータが表示されないのはなぜですか?
データ保持の期間を超えているためと考えられます。標準の GA4 プロパティでは 2 か月か 14 か月を選び、この設定は探索にだけ影響します。管理の「データ設定」→「データの保持」で確かめます。
経路データ探索では何が分かりますか?
あるページやイベントのあとに、ユーザーがどのページへ進んだか、または問い合わせなどの前にどこを通ったかが、木の形で分かります。記事からサービスページへ進む人がいるかを確かめるのに使います。
探索レポートの数字が標準レポートと違うのはなぜですか?
データ保持の期間、データのしきい値、サンプリング、フィルタの一致の方法、セグメントの数え方などの違いによる仕様です。期間とフィルタの条件をそろえてから比べます。
探索レポートは無料のGA4でも使えますか?
使えます。アナリティクス ヘルプでは、データ探索はすべての Google アナリティクス 4 プロパティで利用できると説明しています。サンプリングが起きる上限は、標準のプロパティと 360 で異なります。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT では、Search Console と GA4 を連携し、サイト全体と記事ごとに、クリック、表示回数、CTR、平均順位、ユーザー、PV、平均滞在時間、エンゲージメント率を確認できます。「流入と成果」では、GA4 の自然検索からの訪問と、成果として設定したキーイベントを見られるため、探索で毎回組み立てなくても、記事ごとの自然検索と成果を並べて確かめられます。
一方、探索のような自由な組み合わせやセグメントの作成は GA4 側の機能です。SEOAGENT は取得できないデータを「0件」や「問題なし」とは扱わず、各データの取得時刻と、接続していないデータを画面に表示します。
GA4の探索レポートと関わる分析・効果測定の記事は「分析・効果測定の記事一覧」にまとめています。



