この記事の要点:
- アクセス解析とは、Web サイトに来た人の数・来た経路・サイト内での行動を記録して数え、サイトの改善に使うことです。
- 無料で始めるなら、Google の 2 つの公式ツールを役割で分けて使います。検索結果での表示とクリックは Search Console、サイトに来た後の行動と成果は Google アナリティクス(GA4)で見ます。
- 「アクセス数」はツールによって違う数字になります。Google の説明では、Cookie の同意、タイムゾーン、URL の数え方、ボットの除外などが違いの原因です。差よりも、同じ方向に動いているかを見ます。
- 最初に見る指標は目的で決めます。集客を見るならクリックとセッション、問い合わせを見るならキーイベント、記事の読まれ方を見るならエンゲージメント率と、入口になったページです。
アクセス解析とは:サイトに来た人と行動を数えて改善につなげること
アクセス解析とは、Web サイトに来た人の数、どこから来たか、サイトの中で何をしたかを記録して数え、サイトの改善に使うことです。「Web 解析」とも呼ばれます。数えること自体が目的ではなく、「どのページを直すか」「どの集客の方法を続けるか」を決める材料にするために行います。
アクセス解析で扱う数字は、大きく 3 つの段階に分かれます。
| 段階 | 分かること | 主な指標 | 主なツール |
|---|---|---|---|
| サイトに来る前 | 検索結果にどれだけ表示され、どれだけクリックされたか | 表示回数、クリック数、クリック率(CTR)、平均掲載順位 | Search Console |
| サイトに来た時 | 何人が、どの経路で、どのページから来たか | セッション、ユーザー、チャネル、参照元、ランディングページ | GA4 |
| サイトに来た後 | どのページを見て、問い合わせなどの成果に至ったか | 表示回数(PV)、エンゲージメント率、キーイベント | GA4 |
Google 検索セントラル「Search Console と Google アナリティクスのデータを SEO に使用する」は、「検索パフォーマンスに関する信頼できる情報源は常に Search Console であり、サイト内での行動に関する信頼できる情報源は Google アナリティクスです」と説明しています(2026 年 10 月 13 日確認)。この 2 つを役割で分けて使うのが、無料で始めるアクセス解析の基本です。
アクセス解析で分かること・分からないこと
アクセス解析で分かるのは「何が起きたか」で、「なぜ起きたか」は数字だけでは分かりません。数字は原因を探す入口として使い、理由はページの内容、検索結果、読み手の行動などを見て確かめます。
| 分かること | 分からないこと(別の方法で確かめる) |
|---|---|
| どのページに何回のセッションがあったか | 読み手がそのページをどう感じたか(問い合わせの内容、アンケート、ヒートマップで補う) |
| Google 検索でどの検索語で表示・クリックされたか | Google 以外の検索エンジンでの表示回数(Search Console は Google 検索だけが対象) |
| どの経路(検索・SNS・他サイト・AI アシスタントなど)から来たか | 検索結果や AI の回答を見ただけで、クリックしなかった人の行動 |
| 問い合わせなどのキーイベントが何回起きたか | その後の商談や契約に至ったか(社内の記録と組み合わせる) |
| 自社サイトの実測の数字 | 他社サイトの正確なアクセス数(外部のツールで分かるのは推計) |
他社サイトのアクセス数は、外部のツールで見積もることはできますが、その数字は推計です。各ツールは検索順位や検索数などから流入を推定しており、実際の訪問を数えているわけではありません。自社サイトの計画に使うときは、目安として扱います。ページ上の行動を目で見る方法は「ヒートマップ分析とは」で説明しています。
無料で使える公式ツール:GA4とSearch Consoleの役割分担
無料でアクセス解析を始めるなら、Google アナリティクス(GA4)と Google Search Console の 2 つで、必要な数字のほとんどを見られます。どちらも Google の公式ツールで、測る対象が違います。
| 項目 | Search Console | Google アナリティクス(GA4) |
|---|---|---|
| 測る対象 | Google 検索の検索結果でのサイトの表示とクリック | サイトやアプリでの利用者の行動(イベント) |
| データの集め方 | Google 検索のデータ。サイトにタグを入れる必要はない(所有権の確認が必要) | サイトに入れた Google タグがデータを送る |
| 主な指標 | クリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位 | セッション、ユーザー、表示回数、エンゲージメント率、キーイベント |
| 対象の流入 | Google 検索だけ | 検索・SNS・メール・広告・他サイト・AI アシスタントなど、すべての経路 |
| 分かる検索語 | 表示・クリックされた検索語(クエリ) | 原則として分からない(Search Console と連携すると一部を見られる) |
アナリティクス ヘルプ「次世代のアナリティクス、Google アナリティクス のご紹介」によると、GA4 はセッションベースではなくイベントベースのデータを使い、ウェブサイトとアプリの両方のデータを集めます。従来のユニバーサル アナリティクスは、2023 年 7 月 1 日に標準プロパティのデータ処理が停止されています(2026 年 10 月 13 日確認)。
始める手順
- Search Console にサイトを「プロパティ」として追加し、所有権を確認します。サブドメインや http・https をまとめて見たい場合はドメイン プロパティを選びます。
- GA4 のプロパティとウェブ データ ストリームを作り、Google タグ ID(「G-」で始まる ID)を確かめます。
- Google タグをサイトの全ページに入れます。WordPress なら、プラグインやタグマネージャーのどれか 1 つの方法で入れ、二重に入れないようにします。
- 問い合わせの送信など、成果にあたる行動をキーイベントとして設定します。
- 必要なら Search Console と GA4 を連携し、GA4 の画面でも検索語を一部見られるようにします。手順はGA4とSearch Consoleの連携で説明しています。
目的別に最初に見る指標
最初に見る指標は、アクセス解析で何を知りたいかで決めます。すべての指標を毎回見るより、目的ごとに 2〜3 個に絞るほうが、変化に気づきやすくなります。
| 目的 | 最初に見る指標 | 見る場所 | 次に調べること |
|---|---|---|---|
| 検索からの集客を知りたい | クリック数、表示回数 | Search Console の検索パフォーマンス | どのページ・検索語で増減したか |
| サイト全体の訪問を知りたい | セッション、ユーザー(経路別) | GA4 のトラフィック獲得 | どの経路が増減したか |
| 問い合わせを増やしたい | キーイベントの数、経路別・入口ページ別のキーイベント | GA4 のキーイベント、ランディングページ | 成果が出ている入口と出ていない入口の違い |
| 記事の読まれ方を知りたい | エンゲージメント率、入口になった回数 | GA4 のランディングページ | 読まれていない記事の検索語と内容のずれ |
| 検索結果での見え方を直したい | CTR、平均掲載順位 | Search Console の検索パフォーマンス | title と説明文が検索語に答えているか |
指標の意味は、それぞれ次の記事で説明しています。セッションとユーザーの違いはGA4のセッションとユーザーの違い、成果の設定はキーイベントとは、入口のページの分析はランディングページ分析のやり方です。
アクセス数がツールによって違う理由
同じサイトの同じ期間でも、Search Console のクリック数と GA4 のセッション数は一致しません。Google 検索セントラルの同じ文書は、2 つのツールは使う指標とシステムが違うため、最も似た指標どうしでも正確には一致しないと説明し、総数が一致しなくても一般的な傾向に同じパターンがあることが重要だとしています(2026 年 10 月 13 日確認)。文書が挙げる主な原因は次のとおりです。
| 原因 | Google の説明(要約) | 数字への影響 |
|---|---|---|
| GA4 の実装 | タグを付けていないページがあるなど、実装や設定の問題が GA4 のデータに影響する | GA4 が少なく出る |
| Cookie・同意 | 利用者がトラッキングを拒否すると、GA4 のデータにずれが生じる | GA4 が少なく出る(同意モードでは一部がモデリングで補われる) |
| タイムゾーン | Search Console は太平洋時間(PT)で固定、GA4 は選べる | 日別の数字がずれる |
| アトリビューション | Search Console は Google 検索のすべてのクリックを数える。GA4 はモデルで割り当てる | 経路別の数字がずれる |
| URL の数え方 | Search Console は正規 URL だけ、GA4 はタグのあるすべての URL | ページ数が GA4 のほうが多くなりやすい |
| HTML 以外のページ | PDF などは Search Console には出るが、GA4 では設定しないと測られない | Search Console だけに出るページがある |
| ボット | GA4 は既知のボットとスパイダーを自動で除外する | GA4 が少なく出る |
ボットの除外について、アナリティクス ヘルプ「既知の bot トラフィックの除外」は、GA4 では既知のボットとスパイダーのトラフィックが自動で除外され、この除外はオフにできず、除外された量も確認できないと説明しています(2026 年 10 月 13 日確認)。同意について、アナリティクス ヘルプ「ウェブサイトとモバイルアプリの同意モード」は、同意を得られない場合は Cookie を保存せず、GA4 ではコンバージョン モデリングと行動モデリングでデータ収集のギャップを補うと説明しています。
差が小さい場合は、修正の必要はありません。差が大きい場合は、まずタグが全ページに入っているか、二重に入っていないかを確かめます。
月1回の点検の手順と記録シート
アクセス解析は、毎日見るより、月に 1 回、同じ手順で同じ数字を記録するほうが、変化を正しく比べられます。Search Console のデータは数日遅れて確定するため、前の月の数字は月初から数日たってから取ると安定します。
- 前の月の Search Console のクリック数・表示回数を記録し、前の年の同じ月と比べます。
- クリック数が大きく増減したページと検索語を、Search Console の「ページ」「クエリ」で確かめます。
- GA4 で、経路(チャネル)別のセッションとキーイベントを記録します。
- GA4 のランディングページで、入口になった回数が多いページのエンゲージメント率とキーイベントを確かめます。
- その月に行った変更(記事の公開・修正、タグの変更、サイトの改修)を書き添えます。
- 次の月に直すページを 1〜3 本決めます。
| 記録シートの列 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 月 | 例:2026 年 9 月 |
| Search Console | 例:クリック数、表示回数(取れなかった値は「不明」) |
| GA4(全体) | 例:セッション、キーイベント |
| GA4(自然検索) | 例:オーガニック検索のセッション、キーイベント |
| その月の変更 | 例:記事を 3 本公開、問い合わせフォームを改修 |
| 次にすること | 例:表示回数が多くクリックの少ない記事の title を見直す |
例の記入は説明用です。取得できなかった値は「0」ではなく「不明」と書きます。0 と書くと、計測の止まりと本当に 0 だったことの区別がつかなくなるためです。シートを作る代わりにダッシュボードにまとめる方法は「Looker Studioとは」で説明しています。
当サイトのデータで見る例
当サイト(seoagent.jp)の Search Console と GA4 の数字を同じ期間で並べると、2 つのツールが別のものを数えていることが分かります。Site Kit 経由で取得した 2025 年 6 月 16 日〜2026 年 10 月 6 日の値は次のとおりです。
| ツール | 指標 | 値 |
|---|---|---|
| Search Console | 表示回数 | 10(表示されたのはトップページのみ、平均掲載順位 42.7) |
| Search Console | クリック数 | 0 |
| GA4 | セッション(全体) | 46 |
| GA4 | セッション(自然検索) | 0 |
Search Console のクリックが 0 で、GA4 の自然検索のセッションも 0 なので、この 2 つは食い違っていません。一方、GA4 には全体で 46 セッションがあります。これは検索以外の経路(URL の直接入力やブックマーク、他サイトからのリンクなど)の訪問で、Search Console には現れない数字です。「アクセスがあるのに検索のクリックが 0」という状態は、どちらかのツールの誤りではなく、測る対象の違いです。
当サイトでは、この期間に GA4 の設定が 2 つのプラグイン(Site Kit と SEO プラグイン)に分かれていたため、Site Kit の 1 つ(測定 ID は 1 つ)にまとめ、Google タグの送信先が 1 つであることを確認しました。タグが 2 か所から送られていると、同じ訪問が重ねて数えられるおそれがあります。数字を読む前に、計測が正しく動いているかを確かめる例です。
AIからの訪問はアクセス解析でどう見えるか
AI の回答からリンクをクリックして来た人も、GA4 では通常の訪問として数えられ、来た元によってチャネルが分かれます。アナリティクス ヘルプ「デフォルト チャネル グループ」は、「AI アシスタント」チャネルを ChatGPT、Gemini、Deepseek、Copilot、Grok などから来た訪問のチャネルとし、Google の AI による概要と AI モードはこのチャネルから除外され、「オーガニック検索」に含まれると説明しています(2026 年 10 月 13 日確認)。
| 来た元 | GA4 のチャネル | Search Console |
|---|---|---|
| Google 検索の通常の結果 | オーガニック検索 | 検索タイプ「ウェブ」に含まれる |
| Google の AI による概要・AI モード | オーガニック検索 | 検索タイプ「ウェブ」に含まれる |
| ChatGPT・Gemini・Copilot などの AI アシスタント | AI アシスタント | 含まれない(Google 検索ではないため) |
このため、Google の AI による概要から来た訪問だけを、通常の検索結果から来た訪問と分けて数えることはできません。AI アシスタントから来た訪問は、GA4 でチャネルを「AI アシスタント」に絞ると見られます。
よくある質問
アクセス解析は無料でできますか?
できます。Google の Search Console と Google アナリティクス(GA4)は、どちらも無料で使える公式ツールです。検索結果での表示とクリックは Search Console、サイトに来た後の行動と成果は GA4 で見ます。
GA4とSearch Consoleはどちらを使えばよいですか?
両方を使います。Search Console は Google 検索の結果での表示とクリック、GA4 はすべての経路からの訪問とサイト内の行動を測るもので、片方だけでは見えない数字があります。検索語を知りたいときは Search Console、成果を知りたいときは GA4 を見ます。
他社サイトのアクセス数は調べられますか?
外部のツールで見積もることはできますが、検索順位や検索数などからの推計です。他社のサイトに来た実際の訪問を数えた数字ではないため、自社の計画には目安として使い、実測の数字と並べて比べないようにします。
アクセス解析はどのくらいの頻度で見ればよいですか?
記録と比較は月に 1 回、同じ手順で行うのが続けやすい方法です。サイトの改修やタグの変更をした直後は、計測が止まっていないかを数日以内に確かめます。日々の小さな増減は、曜日や季節で動くため、判断の材料にしません。
アクセス数とPVは同じですか?
同じではありません。「アクセス数」は決まった定義のない言葉で、セッション(訪問の回数)、ユーザー(人数の目安)、表示回数(PV)のどれを指すかで値が変わります。報告では、どの指標を指すかを書き添えます。人数の数え方は「UU(ユニークユーザー)とは」で説明しています。
SEOAGENTでできること
SEOAGENT の SEO 分析・効果測定では、Search Console と GA4 を連携し、サイト全体と記事ごとに、クリック、表示回数、CTR、平均順位、ユーザー、PV、平均滞在時間、エンゲージメント率を確認できます。「流入と成果」では、GA4 の自然検索からの訪問と、成果として設定したキーイベントを見られます。期間は「直近の確定した月」と「直近 7 日(3 日前まで)」から選べます。
Search Console の表示回数・クリックと、GA4 の訪問・成果は別のデータとして扱い、取得できない状態を「0件」や「問題なし」とは扱いません。各データの取得時刻と、接続していないデータも画面に表示します。記事内のリンクのクリックを数えるには、利用者のタグマネージャーでの設定が必要で、SEOAGENT がサイトにタグを入れることはありません。
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